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かるばどすの日本文化論…04 マクロスF 恋離飛翼 〜サヨナラノツバサ〜論 Version 1.0 公開中バージョン |
当コンテンツは、公開中にもかかわらず、マクロスF 恋離飛翼 〜サヨナラノツバサ〜を楽しんでもらうために作成したものです。 ネタバレは、ほとんどありませんので、ご安心ください。 当コンテンツは、これからご覧になる方だけではなく、上映する劇場の方にも読んでいただきたいと考えています。 マクロスF 恋離飛翼 〜サヨナラノツバサ〜は、上映にも注意点があるからです。 |
■ マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜 について |
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TV版 マクロス・フロンティア Blu Ray版 第1巻 左から、銀河の妖精 シェリル・ノーム、 女形出身のパイロット 早乙女アルト、 超時空シンデレラ ランカ・リー |
「マクロスF 恋離飛翼 〜サヨナラノツバサ〜」・・・ご存じない方のために説明すると、アニメ映画です。
2009年に公開された「マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜」の続編の作品です。
「マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜」は、 「超時空要塞マクロス」という1982年から制作されたアニメの、25周年を記念して制作された、マクロスシリーズの最新作TV版「マクロス フロンティア」を劇場版にした作品で、第一話〜第七話に相当するストーリーとして作られました。
とはいえ、「マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜」は、全体の映像の70%はリメイクされ、ストーリーも練り直されているため、まったく異なる作品となっています。
そうした展開を受けて、「マクロスF 恋離飛翼 〜サヨナラノツバサ〜」は、100%新作として作られ、TV版マクロスFとは全く異なるストーリーとして作られています。
また、TV版マクロスFでは、ヒーローである早乙女アルトと、二人の歌姫、銀河の妖精シェリル・ノームと超時空シンデレラ ランカ・リーの三角関係に決着をつけないで終わっていたことに、批判が多かったのに応えて、決着をつけるという監督の言葉もありました。
実は、ヒーローである早乙女アルトは、女形出身の超美形という設定なのですが、シェリル・ノームとランカ・リーの間にあって煮え切らないため、女の子からいまいち人気がありません…特に若い子に…。男子からは、早乙女アルトは、それなりにというか、うらやましいというか…そうした見方は多い気がしますが…ヒーローがやや不人気という、不思議な展開となっていました。
マクロスシリーズについての説明については、マクロスF 虚空歌姫 論 V2.0をご覧ください。
マクロス・シリーズは、歌が宇宙を救うというコンセプトが一貫している作品シリーズです。
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マクロスF 恋離飛翼 サヨナラノツバサ キービジュアル 歌は祈命(いのち) 通称 オルレアンシェリル 露出のため広告用イタ電車に使用を断られました…(^^; |
前回に、マクロスF 虚空歌姫 論 V2.0を作成した際は、公開がひととおり終わってから、コンテンツを公開しましたが、今回は、「公開中バージョン」として、公開翌日にこのコンテンツを書き上げました。
その理由は簡単で、前作「マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜」の時にあった劇場側の配慮不足が目につき、多くの人が楽しめない可能性を危惧したからです。まあ、ここで書いたから、劇場の人たちに見てもらえるというものでもないですが、なにもしないよりも、なにかしようと思いました。
そうした背景ですので、ネタバレにならないよう十分に配慮しながら書きました。
内容的には、どのように観たらいいのか…また、どのように観せたら良いのかを説明しています。
ここで、どのように観せたら…という話題を不思議に思う方が多いかもしれません。普通は、映画館はプロにより運用されている、家庭よりもずっといい環境であると信じられていると思います。
しかし、実のところ、今運用されている映画館のシステムは、かなり当たらず障らずの状態で運用されており、そのために映画の性格によっては全く楽しめない場合があるのです。この傾向は、「マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜」でもあり、劇場によっては、かなり酷い状態で公開されていました。
公開がひととおり終わりましたら、当コンテンツは、「マクロスF 恋離飛翼 〜サヨナラノツバサ〜」論Version 2として、本格的な内容に交換いたします…まあ、書くのはここ数日中に終わっていると思いますけど…(^^;
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マクロスF 恋離飛翼 サヨナラノツバサ キービジュアル 歌は魔法 通称 魔法少女 不思議の国のアリスがモチーフ |
マクロスF 恋離飛翼 〜サヨナラノツバサ〜 劇場版パンフレットより…
「マクロスF」で再発見したのは、真のエンターテイメントが持つ底知れぬ奥深さでした。
目指したのは、その限界点を突破することです。
エンターテイメント性が突き抜けると、回りくどい説明やセリフがなくても秘められたテーマが伝わるんじゃないか……、
そんな可能性が見えたんです。
完結編では「魔法」という言葉が重要な要素になっていますが、限界点を突破する感覚は、みなさんが持っている「魔法の扉」を開けるイメージなんです。
扉を開けるカギは、いくつものシーンに埋め込んであります。
1回観ただけでは、開かない扉があるかも知れません。
2回観たときには、いきなり全部の扉が開くかもしれません。
まるでライブや演劇のように、見るたびに違った面白さを発見できる。そんな映画になっていればいいなあと思います。
劇場の大スクリーンで、
エンターテイメントが限界を超える瞬間を体感してください。
2011年2月26日
監督/原作/脚本/バルキリーデザイン
河森正治
いきなり、河森正治監督からの言葉を引用しましたが、監督からは、2回見てくれた方がいいというメッセージが伝えられています。
ですから、2回は観ましょう…という話題は、それはそれとして、マクロスF 恋離飛翼 〜サヨナラノツバサ〜には、重要な特徴がいくつかあります。
劇中に17曲の歌が…映画全体では19曲の歌が登場!!
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マクロスF 恋離飛翼 サヨナラノツバサ キービジュアル 歌は死なない アルトが抱いているのは、どっちというのはないそうです |
マクロスF 恋離飛翼 〜サヨナラノツバサ〜では、なんと全体で19曲もの歌が使われています。それも、BGMではありません。歌と映像は、ひとつの「エンターテイメント」として統合されています。ミュージカルではない作品なのにです…!!
映像と音楽が、「エンナターテイメント」として統合されているため、そこから伝わるメッセージを伝えるカギは、感性で受け止める必要があります…監督が、2回見てほしいとメッセージを発信するのは、当然かもしれないですね…(^^)
このあたりに、とても大切なキーワードがあります。
この映画は、通常の映画と異なり、音楽がとても重要なキーワードであるからです。
六本木ヒルズのTOHOシネマズよりバルト9の方がはるかに良かった
初日は、2回、六本木ヒルズのTOHOシネマズのスクリーン4で観ました。
で、この時に、今一、違和感がありました。
音楽の再生音が、小さいからです…。
映画館は、音の再生レベルの管理がおざなりな場合が少なくありません。
マニュアル通りに設定しているだけで、映画の内容/コンテンツの内容に合わせることをしていないのです。
で、翌日の朝に、新宿のバルト9のスクリーン9で、改めて観ました。
経験的に、バルト9の方が、再生音のレベルが高く、品質もいいからです。
その結果、前日とは全くちがった、高い密度で、マクロスF 恋離飛翼 〜サヨナラノツバサ〜を楽しむことが出来ました。
率直な話ですが、一般論としては、TOHOシネマズは、良く劇場を管理しています。
しかし、音については、ちょっと小さめです…その理由は、海外映画でかなりぎりぎりの音を再生する場合が多いため、レベルを低めにしているのでしょう。
ただ、音楽が中心の作品であると、かえって再生音のレベルが低く感じてしまう原因となってまうのです。
すでに説明したように、マクロスF 恋離飛翼 〜サヨナラノツバサ〜は、映像と音楽の組み合わせによる、エンターテイメントそのものです…ですから、音楽の再生に「失敗」があると、伝わるべきものも、伝わらなくなってしまうのです。
音楽は、劇場LFE(低音効果)と異なり、管理された状態で録音/編集してあります。
その結果、歌の記録レベルは通常の会話よりも「小さく」なる傾向があります。
このことは、重要なことで、音楽中心の映画では、再生レベルが不足する原因となります。
音楽は、会話と異なり、意味が分かればいいというものではありません。
音楽とは、歌詞だけでも、メロディだけでもありません。
音楽全体が伝わって、初めて伝わるものです。
聴こえればいいというものではないのです…ライブコンサートに行けば、その音量に驚くことでしょう。
聴いて、感じるためには、ある程度の音量が必要です…音楽が伝わるだけの…ですから、不足した再生レベルでは、感動が大幅に減じてしまうのです。
もともと劇場の音響再生レベルには、ある程度の余裕をもって設定されていますが、一般的に、やや小さめです。それは、通常の映画では問題ありませんが、音楽中心の場合には、問題となります。
この再生レベルの違いは、聴く限り6-12dBの違いです。つまり、ボリュームでほんのちょっと上げてやる必要があります。マニュアルに書かれている事は、問題が発生しないようにするための回避策にすぎません。映画が伝わらなければ、上映している価値が、大幅に失われてしまいます…よろしくお願いします。
再生レベルが低いと、マクロスF 恋離飛翼 〜サヨナラノツバサ〜は、十分に伝わらないと思います。
なお、フィルムの劣化が進んだ場合は、サラウンド再生が難しい場合もあるかと思います。作品もサラウンドを多用しているわけではないですし、音楽も最後の曲ぐらいしかサラウンドではありません。ですから、フィルムが傷んだ場合は2chでの再生で構いませんが、再生レベルは高めを維持してください。
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マクロスF 虚空歌姫 イツワリノウタヒメ |
マクロスF 恋離飛翼 〜サヨナラノツバサ〜 劇場版は、 マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜の続編です。TV版とは全く異なる作品ですので、マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜を復習のために見ておくことをお勧めします。実は、監督もそれがお勧めみたいです…(^^)
Blu Ray版が出ているので、いいシステムで再生すると、映画館よりもずっといい状態で楽しめます。
マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜は、TV版がベースではありますが、もう設定とストーリーが違っています。TV版をご覧になっている方も、ちゃんとこちらを見ておかないと、置いてけぼりになっちゃいます…(^^;
なにしろ、ランカ・リーが超時空シンデレラとなるのは、この作品側のストーリーからはじまるからであり、TV版のように「鳥の人」という映画がきっかけになるからではありません。
監督としては、マクロス・ゼロも見てほしいみたいです…(^^)
私の感覚としては、作品の雰囲気に慣れるためではないかなーと、勝手に思っています…(^^)
この映画は、エンターテイメントとして作られているので、考えながら観るよりも、感じながら観るのが大切ですねー…(^^)
頭の中を、マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜でリセットして、虚心坦懐に感じましょう…(^^)v
で、音楽に乗りましょう、いい波が来るはずです…(^^)
では、エンジョイ!!
PS
おまけです…私が撮影した、ノーズヘッド版シェリルノームのフィギアの写真です…(^^)