技術者の視点
あ痛てい(IT)な話題

2006/02/22
2009/01/04

うーん、???な話題というよりも、あ痛ていな話題…(^^;

民主党 永田ひさやす議員…同氏ホームページより引用

かるばどすの本業は、IT屋さんです。
専門家同士の中でも、尖がった専門家に分類されるタイプの技術者で、人からはアーキテクトと呼ばれたり、からかい半分に先生と呼ばれたりする場合もあります。

そんな私の感覚って、自分の分野の話題であると、世の中の通説があっても、全然違う視点を持っていたりします。まあ、自分でよく知っている話題であると、人が何と言っても、自分で納得しないと、簡単に同意しないだけです。そんな私ですから、人の話を聞いていたり、報道を見ていて、???、に包まれてしまうこともあります。

この前も、ニュースを聞いて、???、に包まれてしまった件がありました。

2/15に、自民党武部幹事長の息子さん宛てに、元livedoor社長の堀江氏から、3000万円を振り込むような指示のemailがあったと、国会の場でやっちゃった議員さんがいたからです。

そのメールの中身というのは、こんな感じです。

シークレット・至急扱いで処理して欲しいんだけど、おそくても31日できれば29日までに■■さん宛てに3000万円を振り込むように手配してください(前回、振り込んだ口座と同じでOK)項目は、選挙コンサルティング費で処理してね。■■■■■、宮内の指示を仰いで。■■には、こちらからも伝えておくので心配しないで。

■堀江

この前には、メールのヘッダーがあり、マジックで消していました。

私は、見ていて、ぶっ飛びました…

このメール不自然だし、だいたい、なんで物理的な証拠みたいにみんな言うのかな…(^^;
はじめは、堀江被告の親派が、emailの証拠能力が怪しい事を示すために意図的に流した、素人っぽいフェイクかと思いました。

報道初日は、ほら見たことか、という感じで、小説家らしいコメンテーターは「この文面は信憑性がある」とか言っていたりして…私は、こうした人達の信憑性の方が怪しいものだ…と感じていました。

時間が経つと、さすがに、このemailは怪しいという話題になってきました。
私の感覚では、だいたい、こりゃ、本当にメールなのかな・・・と思う気持ちもあります。
メールの実際のバイナリデータを見れば、ルートとかいろいろなログがエンベロープ部分に添付されているので、なんとなくであれば本物らしい雰囲気があるかどうかわかるのですけど、人が見る部分だけでは、それ以前で、ちっとも、なんの判断もできません。

テレビを見ていたら、文が半角下がっているからとか、堀江の前が@だからとか…果てはメイラーがeudoraのバージョンが半年古いまで…itの専門家として登場する人たちまで、それって適当に出来るじゃん、本当に大切な話題なのかな???、なのでした。

私の感覚では、根本的に理解できないemailなので、はじめからおかしいと思いました。

だって、堀江氏は株式で儲けた人です…そうした人は、現金は結構持っているものなので、3000万円くらいなら、会社に連絡しなくても、自分で手配できるものです。例えば、livedoorと同じ六本木ヒルズにある会社の社長さんは、今はあまり外で遊びませんが、銀座でクラブhのkさんにはまっていた時は、その子の客としてだけで毎月500万くらいは使っていました。他のお店も使っているはずですから、月間いくら使っているのか…でも、会社のお金ではありません。それは、別に不思議な事ではありません。だって、お金があるんですもの…。

それに、いくらlivedoorが堀江氏を中心にした会社でも、わけのわからないemailで3000万円のお金をどこかに振り込めるのでしょうか…株式公開した企業って、いくらなんでも、そこまでアバウトに運用は出来ません。だって、それが可能なら、会社のお金は「誰でも」引き出し放題です。だって、そんなemailは誰にでもかけますでしょ…。

いろいろな粉飾が報道されていますが、そうした大規模な話題と日常の話題は異なるものです。西武だって、カネボウだって、とんでもない不実記載とか、粉飾をしていましたけど、日常の現場というのは厳しくあったと思います。管理するレベル/階層が違うからです。もしもemail一本で3千万円のお金が出せる運用が日常の文化の会社なら、調べれば、いくらでも様々な問題が見つかるわけで、検察もそんなに苦労しないかと思います。

そんな背景から、このemailを書いた人は、企業とかの構造を知らない、しかも、お金持ちというものをよく知らない人…フリージャーナリストとか、会社の下っ端なんだろうな・・・としか思えませんでした。

そして、そのまま真に受ける人もマスコミも、なんだろう…(^^)

だいたい、政治家生命がかかる話題に、こんなものがなるのかな…(^^???

実は、私みたいなIT屋をやっていると、不思議な話題って昔から続いていました。
飲んでいると、そうした話題をしたりして盛り上がるので、ここでも昔に感じた不思議な話題をご紹介します。

永田氏は、2009/01/04、飛び降り自殺しました。
2008/11にも自殺未遂…思いを果たしたんですね…最後だけ…
民主党は、けんもほろろに見捨てていたようです…
そりゃそうか…

韓国がIT先進国…ADSLが先進技術…(^^??

その昔、ある会社の社長と話していたら、こんな話になりました。

「かるばどすさん、この前韓国を視察したのですが、インターネットやitは日本よりも進んでいますね…特に高速回線の普及率が凄い…ADSLです。日本はisdn、遅れてますよね」

「???、○○社長、なにか勘違いしていますよ…日本は光ファイバ基幹網は世界で一番進んでいます。回線というのは25年の償却期間を前提に更新されます。ADSLはアメリカのような旧来型電子交換機網を利用して、高速に通信するために開発された技術で、次世代のATM交換網までのブリッジ技術です。日本やドイツは電子交換機網の次の世代のisdn交換網の世代で、やはり次がATM網…ADSLみたいなブリッジ技術はそれほど寿命ないですよ」

「???、韓国の人たちは、it技術を含めて日本よりずっと進んでいると言っていましたけど」

「そうした発言は、お国柄じゃないですか?日本のit市場規模と比較しても、桁違いに小さい市場ですし」

「インターネットの利用のされ方は日本よりもずっと普及していますが…」

「それは、なにかの指標になりますか?、既存インフラが遅れているので、後からの技術が普及しちゃうだけだと思いますけど…代替できるものがないのですから…」

実はこの会社は、株式公開してお金を集めたので、本業だけではなく事業拡大を図っていて、投資先を探していました。で、韓国の企業にお金を入れて、日本では韓国がIT先進国ということにして、日本で製品を売って儲けちゃおう…と考えていた…のかも知れません。

安く買える韓国ドラマで一儲けを図った、日本の放送業界みたいなものですね

実際に、日本の通信網を握っていたNTTへの風当たりは強く、笑い話なのは、isdn網や光ファイバ網なんかではなく、「先進」のADSL網を展開できるようにすべきだという話を、この辺のインフラビジネスで儲けたい人たちが主張して、マスコミも一緒になって騒いだことです。ところがxdsl技術のようなブリッジ技術は、旧来型の「メタリックファイバ(電線)」を必要としているため、光技術に移行を進めていた日本国内では、大変な騒ぎとなります。

結局、NTTは、必要に応じてもう一度「電線」を引き回したり、旧型の交換機を頑張らせたりして、ADSLに対応しました。

でも、今は、光ファイバに急速に移行していますね…

本当は、ADSLではなく、光ファイバ網を家庭まで広げてその普及を一刻も早く…が、当時の可能だった正しい選択です。
だって、意味のない電線網を引きなおすなんて、時代の後退ですし、二重投資です。

よく知りませんけど、当時にNTTにはそうした正論があったみたいですが、ADSLで儲けたい人たちと、その人たちに同調したマスコミや政治家に押し切られたんでしょうかね。

この件で本当に得をしたのは、そうしたブリッジ技術で儲けた人たちでしょう。

余談ですが、日本の通信インフラをしていた人たちは、1980年代終わりにはxdsl技術の開発や交代時期を正確に知っていました。彼らが知らなかったのは、光ファイバに基づいた技術の提供時期を早める必要があったことです。そんな人たちは、もう引退して、お茶をすすっているのでしょうか…(^^;

ちなみに、韓国がIT先進国だと日本で信じているのは、一部の投資家くらいではないでしょうか…ADSLだって、どんどん光ファイバに置き換わっていますよね…私の感覚では、当然です。もっとも、ATM網は構築されるか、もう、わかりません。原理的には問題があるインターネット技術ですが、高速化が進み、当分使えそうだからです。

余談ですが、ご紹介した社長さん…某党のitについてご意見を言う委員だった時があります…大丈夫なのかなーと、時々思います。

無から有を生むのがインターネット…と話していた人もいました

昔勤めていた会社で、アメリカ在住のアメリカ系某コンピューターメーカー出身のコンサルタントがこんな講演をしました。

「インターネットのwebサイトを使えば、店舗がなくても商品が売れ、it技術により流通革命が生まれます。それは、it技術自身が市場を生む事…無が有を生み出すことなのです」

私は、自分の会社で、1980年代末にはに全事務所を光ファイバ網で結んで、ワークステーション網を構築したりしていたので、インターネットとかの技術について、当然わかるわけですが、こうした胡散臭い人物の話題には、とても同意する気になりません。

「it技術は、どんなに進歩しても処理する情報の価値よりも高い価値になることはありえないだろう。インターネット上のショップは、所詮価格競争だけになるし、広告は実製品のものしかありえないはず…無が有を生むなんてありえないだろう」

こんな人とは、胡散臭いので、話もしたくないので、ほったらかしていました。
会社を辞めた翌年には、話がしたいと連絡があり、いやいや会ったのですが、いきなり、「かるばどすさん、すいませんが今日は19時までということで…サッカーが見たいものですから」・・・と来たものです。私は、ご馳走して笑顔で別れてから、会いたいという連絡に二度と応じたことはありません…当たり前ですよね…(^^)

でも、今から考えてみれば、こういう話をしてお金を稼ぐのが「無から有を生む」ということなのかもしれませんね。

そして、講演ではなく、もっと、株式市場を利用して組織的に、広く薄く集めたのが、堀江氏の手法ともいえます。
そういえば、ブログで稼ぐとかいう話題も、本当は出版とか講演で儲けようとしていたみたいな…

ここで紹介した人も、某有名政治家のit懇談会のメンバーだったことがあります。

胡散臭い人が集まり易い場所は、政治の近くなんですかね。
おいしい話に群がる習性があるからなのでしょう。

うーん、この知事、いいブレインがいないんだろうな

長野県知事って、変わった人だなーと思うことが多いのですけど、次のような発言になると、もう、変わってるのを通り過ぎて、かわいそうかなーとも思います。

「…国・県・市町村がピラミッド型に組み込まれた従来のウィンドウズ型垂直補完ではなく、優れてリナックス型水平補完の精神です。」

どうも、Windowsというのは、私達が言う階層型に動作するもので、Linuxは水平型に動作するもの…という前提みたいですね。誰から聞いたのかわかりませんけど、とんでもない間違いです。

OSの内部構造の話題とは、とても思えないので、ネットワーク構成の話題ではないかと思います。

ネットワークの構造は、設計者が決めるものであり、WindowsもLinuxも単なるパーツに過ぎません。パーツは、どんなようにも組み合わせられものであり、OSの名称は、この知事のような用法で使われるべき用語ではありません。

そもそも、今のネットワークは、私達が言う、ヘテロジニアス/異種混在です。OSのアーキテクチュアでネットワーク構造が決まるわけもありません。20年前のsnaのようなメインフレーム系ホモジニアスネットワークであれば、いえることですけど…。

もっとも、Linux好きのユーザーは、私達も好きです・・・専門家の支援がないと使えないOSなので、いつまでもいいお客さんだからです。

こうした発言をしても、マイクロソフトみたいな会社が抗議するはずもなく…だから、だれも、変なことを言っていることを指摘しません。そして、わかったような発言が、実はいいように扱われているだけという、この人の立場を示しているのかも…

想像するに、いいブレインが周辺にいないのかもしれませんね。

キーボード…慣れろよ、そんなもの

仕事柄か、コンピュータが苦手という人から、どうしたらコンピュータが使えるようになるかと相談されることがあります。で、何が苦手ですかと聞くと、キーボードが苦手とかいう話が多いように感じています。

「かるばどすさん、どうしたら克服できるのかな」
「慣れるまで、キーボードを叩くしかないですね・・・生まれてから直ぐにキーボードを使えるわけじゃないですから…慣れれば、気にならなくなりますよ」

どんな道具も、操作に困ったら使いようがないですよね…キーボードとマウスを支障なく使えて、初めてコンピューターは役に立ちます。まあ、違うデバイスもありますけど、長く使われている理由が、やはりあります。

今まで使かわなかったから、使えないわけです。健常者であれば、そうした手間を惜しむ理由はないでしょ・・・。自転車が乗れないなら、乗れるまで練習する…当たり前のことです…あ、あゆに言っているのではありませんので、悪しからず…。

浜崎あゆみは自転車に乗れないのでした…(^^;

ちなみに、私はかな入力で文章を書きますので、入力が速いほうといわれます。

その昔、コンピュータを仕事にしている人にも、日本語不要論がありました。入力の効率が悪いからだそうです。

そんな話題に、私が思ったのは、やはり同じでした…慣れろよ、そんなもの…

itってのは、別に特別なことではありません。手間を惜しんでは使いこなせないのは、同じことです・・・(^^)

汗水たらして仕事をする事が大切…と、お前が言うなよ

ちょっとit話ではないのですが…

livedoorの話題をテレビで見ていると、ちょっと前まで時代の寵児のように持ち上げていた感じから、究極の虚業家という感じに、報道が変わっていきました。

まあ、それは仕方ないかなと思います。

だいたい、東京地検の捜査を受けるだけで、会社の存続まで心配されてしまうなんて、会社として機能していないのだろうなと思われても仕方ないかと思います。脱税で倒産する会社はない・・・ということの対極ですね。

でも、テレビに出てくる人たちは、日銭稼ぎの芸人的な人たちが多いせいか、コメントは目に余ります。

「日本の強みは、製造です。一生懸命働いて、汗水を流して仕事をする…それが大切です」

とか、言っています。

本当に日本の強みは製造でしょうか…製造業を守っている強い企業はありますが、日本全体ではファブレス化が進み製造業であっても、自身では製造しない企業が増えています。そのルーツを辿れば、アメリカ的な効率的経営手法…これも、テレビに出ている連中が、昔に持ち上げていたものでした。

今の製造業は、インターナショナル化が進み、日本のいろいろな企業が世界的に事務所や工場を展開していたりします。芸人は、昔のマンガの読みすぎなんじゃないでしょうか。

製造業に限らず、日本の企業の活躍の場、また、いろいろな人のレジャーの場も、世界に広がっています。世界の街角で、日本人を見かけないほうが珍しい・・・ような気すらしてしまいます。

そうした視点で、事実を伝えることをしたらいいのに…自分の空想ではなく…。それじゃ、報道機関ではなく、視聴者の太鼓持ちというのが、実態に近いのではないかなと思います。つまり、受ければなんでもOKとか…。既得権益の大きい、太鼓持ち機関の最前線は、芸人なんですね…それはそれで、当たり前の姿かも…

率直なところ、六本木のクラブで、足を八の字に広げてソファにすわり、若い芸人を偉そうに呼びつけて飲んでいる浅黒い親父の姿を実際に見ているので、本当の話題は知るはずもないような気もします。テレビで話している話題は、受け狙いのただの思いつきなんだろうなと、信じたくなります。

こんにゃくを食べたら、どれほど健康にいいかを説明するのに、留めたほうがいいんじゃないでしょうか。

てな感じで…本日もよろしいようで…


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