インフレ、デフレとおばあちゃん

2003/1/18

経済評論家を見ていると、おばあちゃんを思い出す

ここのところ、テレビに登場してくる経済評論家の話を聴いていると、自然と私のおばあちゃんを思い出してしまいます。
このコンテンツでも、ところどころで書いていますが、私は両親なく祖母に育てられました。まあ、明治時代の人に育てられた私の世代の人は珍しいので、それはそれで面白い話題ではあります。
おばあちゃんの思い出はいろいろとあるのですが、ちょっと不思議に覚えている変な話題があります。「今日は暑い」とか「寒い」とはよく聴く言葉だったのですが、丁度いい気温とはあまり聴いたことがなかったことです。子供の頃にそれを不思議と思い、「おばあちゃんは、いつも暑いとか寒いというけど、丁度いいとは言わないねー、なんで?」と聴いたことがあります。おばあちゃんは、笑いながら「たしかにそうだねー、言われるまで気づかなかった」と話していました。おばあちゃんは、温度が上昇傾向であると暑い、下降傾向だと寒い、と話していたんですね。気温について主観的に話していても、その基準がやはり微妙に違うんですね。変化に対して話していたんです。
で、なぜ経済評論家の話とダブって感じられるかというと、今の日本経済の状況をインフレ、デフレとかで説明しようとしているからです。物価が下がれば、デフレ、ひどいと、下がり続けるから、デフレ・スパイラルと言っています。で、物価が上がれば、インフレ・・・しかし、本当ですかね・・・(^^?
インフレやデフレを解説しているサイトはいくらもありますので、ご覧戴くといいと思うのですが、インフレ、デフレの話題が日本の経済の現状と関係あるのか、なんとなく疑っているのが私です。
つい数年前には、日本の物価が高すぎる、これからは流通革命と生産拠点として中国を活用することにより、欧米並みに物価を下げないといけない・・・と話していた連中が、今は物価が安すぎる、生産の中心が中国に移り、日本は大変とぬかしています・・・おいおい・・・と思うのは、私だけでしょうか。
率直な感想ですが、日本の今の物価は欧米並み・・・というより、欧米の安いところに合わせて多くの品物が手に入るようになりました。でも、別に、安すぎるとは思いません。そんなに安けりゃ、みんな日本に買い物に来るでしょ・・・(^^;

マクドナルドが再値下げしても売れなかった・・・そんなの当たり前じゃないかな

日本マクドナルドが、値下げしてから売り上げを大幅に伸ばし、その後にちょっと価格を上げたあと、急激に売上不振、で、再値下げしたけど回復できず・・・というので、話題になったことがあります。マクドナルドもデフレに沈む・・・という話題でしたけど、私には、当たり前としか思えない話題でした。
はじめ値下げしたときに、ちょっと近所のお店へ寄ったときについて、鮮烈な印象の記憶があるのですが、マクドナルドに縁がないようなお年を召した方が、ハンバーカーだけを8個とか10個買っているのを見ました。何回もそうしたシーンに会ったので、結構、そうしたお客は多かったと思います。安くなったので、それだけ買っても、たいした金額ではありません。ハンバーガーのパテ(お肉のことです)は牛肉ですし、まあ、安いと思えば安い買い物です。私は、お年を召した方の食欲からすると、何日分かの食事だろうなーと思ってみていました。
でも、そうしたものは、もの珍しいから食べていられるわけで、毎日毎日、延々と食べ続けるのはちょっと難しいですよね。結局、飽きられらおしまいです。
マクドナルドも、一旦値上げした理由は、消費の低下傾向に気づいたからではないかと思うのですが、それが、自社の製品に対して飽きられたから・・・とは、当時は思わなかったのではないでしょうか。ですから、値を上げて、よけいに急速に利用者を失い、そして、以前以上に再値下げしても、売り上げは低迷を続けたのでした。
もう、今のマクドナルドは、商品の多様化と高品質化を図っています。
でも、これって、インフレ、デフレの話題ではありません。
利用者の多様化に追従できなかった企業の問題であったからです。はじめ値下げしたことで、商品の価格対価値を高めて、売り上げが向上・・・しかし、ユーザーに飽きられ、売り上げが減少・・・って話だと思います。
昔は、マクドナルドのハンバーガーが日本は高すぎると話している人がいましたが、それは事実でした。でも、それにはいろいろな背景があります。アメリカでは、マクドナルドのアルバイトの時給は3〜5USD、つまり400円〜700円程度です。日本のマクドナルドのアルバイトの時給は、場所によっては1000円を超えることを考えると、ずっと安いですね。

余談ですが、日本の給与が世界的に見るともっとも高いほうに入ることは、あまり言われていませんが、事実です。若い女の子たちが、平気でブランド物のバックを日常使っている・・・それが日本なのです。世界でも、特異な、日本の豊かさだと思います。

これが、価格に反映しないはずはありません。あと、建物のコストは一概に言えません。ニューヨークなんかは東京よりも場所代が高いですから・・・。

インフレ、デフレの話題の前に、通貨のお話を・・・

本題に入る前に、ちょっと、前提の話題を整理します。
いちばん大切なのは、通貨のお話、お金のお話・・・そして、日本経済のここのところの変遷です。
ちょっと誤解が多く、通貨が1種類・・・と勘違いが多いのですが、お金には本質的に2種類あります。

さて、これらの話題から少しずつ今の時代に話題を進めて見ましょう

政策として国全体の資産総額を大幅に縮小した日本

日本経済がバブルの絶頂期、日本の土地の総額がアメリカの土地の総額の数倍になってしまった時代があります。その理由は簡単で、先の有価証券の話題で触れたように、日本の土地の評価額に対応してお金を貸すという習慣があった時代、多くの企業や個人がそれを利用しました。で、借りたお金でさらにその元になった資産である土地を買おうとしました。そして、土地はより高騰し、より借りて、より買い増す・・・その繰り返し、それが土地バブルです。
1億円の土地を持っている人に、金融機関がそれを担保にそれ以上を貸す、借りたお金を元手にさらに土地を買い増す。そして、増した土地と高騰した土地のおかげで増えた信用を元に、お金を借り増し、さらに土地を買う・・・。ま、覚えたら止まらなくなるということでは、サルのセンズリみたいなものです。利息を支払い続けることが出来れば、それを繰り返すことが出来ます。
私の知り合いは、実家が東京は高輪の白金(しらがね)にあったのですが、住居兼商店であった家は国道一号線沿いであったため土地が当時高騰、10坪しかなかったその家は、数億円で売ることができました。知り合いのご両親は欲がないので、そのまま立派な家を都内に建てて今日です。でも、そうした方は少なかったそうです。大抵は、先に説明したような、土地を売るのではなく担保にして、拡大的に借り入れをして土地を増やしていきました。また、土地以外に、株券のような有価証券にも、多くのお金が集まりました。つまり、株もバブルになっていったのです。
金融機関には、なぜそんなに貸すお金が多かったのか・・・簡単です。みんなが金融機関にお金を預けるからです。企業も、個人も、みなさん預けるわけですから、貸し先を見つけないと金融機関は預けた人たちに利子を払えないですよね。この時代、預金金利は高額でした。また、同様に生命保険なんかも現金で持つよりも値上がりするものということで、やはり、そうした人たちにお金を貸していました。
しかし、そうしたことを続けていれば、当然ですが、土地はどんどん高額になります。何気ない街角が、1坪で数百万、ちょっといいと軽く一千万を超えるという、とんでもない状態になりました。つまり、家を買うことが難しくなっていったのです。そんな状態になったら・・・そりゃ、国民が皆黙っていられなくなります。
こうした状況に、日本政府がついに重い腰を上げました。土地の価格を下げるために様々な施策を打ちました。当時、一部の人たちが損するだけと、割り切っていたのですが・・・・。
そして、不動産価格は暴落・・・その結果、担保価値が下がって借り入れしすぎの企業や個人は、その差額の支払いが必要になります。つまり、土地が不良資産・・・(^^?・・・となったのです。で、ちょっと前に土地を利用して我が世の春を謳歌していた企業や個人は没落したのでした。
しかし、ちょっと待ってください・・・それだけの意味でしょうか・・・実は、本質的な問題があったのです。つまり、土地の価格を切り下げることは、日本の持つ財産の価値を、大幅に切り下げることだったのです。つまり、資産を空虚の中に放出したのでした。価格が市場の動向で決まるだけならそうした財産の価値の切り下げは、全体的には起きないのですが・・・。だれも損したくないですから・・・(^^;
もちろん、この変化は一瞬に行われたわけではありません。ですから、その間に土地から株に買い換えることも行われました。株は、土地の価格を下げるという国の政策から除外されていたのですから、自然でした。つまり、株のバブルは不動産価格が低下していく中、さらに進行しました。これは、国や経済施策者も自然なことと見ていたと思います。土地の価格の暴騰を利用して再帰的に作り出されたお金は、一部を株へと姿を変えていきました。
余談ですが、株などの場合は土地よりも暴騰しやすいシステムがすでに完成していました。評価額の何倍もの金額の売買を可能とする貸し売りのルールが当時はあったのです。つまり、不動産よりも、お金を借りて株を買う話がやりやすかったのです・・・あはは・・・。サルのセンズリは止まらない・・・(^^;

当時、株をやっている人は、株をやらない人を馬鹿だと思っていました。必ず上がっていたからです。当時のいかれた話題のひとつを紹介しているのは、こちらです。

不良資産ねえ・・・

前節で、不良資産・・・(^^?・・・と書いた話題には、ちょっと理由があります。つい5年前くらいまで存在しなかった話題なんです。では不良資産とは、なんなのでしょうか。
すでに説明したように、通貨には2種類あります。で、株券のような有価証券とか、形は違いますが、お金を借りることに役立った土地などは、国の通貨を基準に見ると、価格が変わります。しかし、それ自体は、別に変化はしないんですね。株券は株券ですし、土地は土地ですから。言い換えると、買ったときと売るときの価格の差で、増えれば儲かり、減れば損する・・・というわけです。
つまり、持っているだけでは損とも得とも、本質的にはいえません。ですから、昔は不良資産という用語がなかったのです。しかし、そうした状況では価値がわからないので、銀行なんかは評価を一定の時期でしよう・・・とBIS(bAnk for International Settlements)という銀行の世界的な団体が決めました。
ま、なんでこんなことを決めたか・・・それは、サルのセンズリ型バブルにより繁栄を続けていた日本型経済を狙い打ちにしたもの・・・という、うがった意見が日本にはありますが、表向きは銀行の健全性を維持するため・・・です。貸しているお金ばかりで、資産を銀行が持っていないと、貸し先が返せなくなったとき、銀行が潰れてしまうからです。現実に、そうした危機が当時起きていました。
で、年次で資産を評価して一定比率で実際の資産額に組み入れ、銀行の健全さを確認する・・・と、その時点で値が下がっていたら不良資産・・・となったのでした。
銀行からすると、資産額の比率で貸し出せるお金の額が決まるので、資産が少ないということは、銀行業務が出来ない・・・ということになります。この自己資本比率は国際的な活動をしている金融機関ほど多くを求められます。日本の一地方銀行も猫も杓子も海外に進出していたのですが、これでそうしたばかげた話も終わりになりました。
実は、この時点での欧米の金融機関は、ビジネスの形を大きく変えており、個人に対する融資などで、潤沢にキャッシャがあったのです。あまり、話題になりませんが、欧米の住宅ローンの金利は、7〜10%はザラです。また、日常買い物をする時に使用するクレジットカードは、日本と違い、やはり金利が馬鹿にならない、ローンです(あまり話題になりませんが、日本のクレジットカードの管掌は通産省で、通貨扱いです。これは、世界で日本だけの特殊事情で、欧米ではローンとして取り扱われ、金利を金融機関から取られます)。つまり、欧米にサラ金はなくても、銀行が高利でお金を貸していんですね。そんな状態ですから、低利のサラ金業になりつつあったので、bis規制なんて、欧米の銀行ではたいしたことなかったわけです。つまり、この規制は銀行の本質を突いた施策でした。日本の金融機関が不利なのに同意した背景には、株などの有価証券の下限価格を誤って判断したため・・・という意見があります。

写真はフランクフルトにあるドイツ銀行(Deutsche BAnk)本店です。本文に関係ありません・・・あしからず・・・

言い換えると、不良資産とは評価を無理やりやってしまうことで、いくらでも「作り出す」ことができます。つまり、株のような有価証券や、土地が値下がりして評価期間内に価格を戻さないのなら、不良資産となるのです。だれが、そんなものにお金を投じるでしょうか・・・。しかし、このことは、通貨のシステムが、現金至上主義になっていることに他なりません。

実は、欧米の金融機関はそうした日本の不良資産を安く買い集めて、儲けたりしています・・・(^^;・・・おいおい・・・損害をどんどん出しても手放すのにも、国のお金使ってないの・・・(^^?

本当は、そうした値下がりした資産は値上がりまで待てばいいのですが、現金至上主義となってしまうと、有価証券などを買いたい人が現れることは少なくなり、値上がりしません。値上がりしないため、しかたなく安いのに売り、さらに値下げを呼ぶ・・・それが、ここのところ10年以上続いている状態です。
銀行にとっては、不良資産は総額が問題です。ですから、まだたくさん土地を持っている金融機関もあるので(証券化して換金しているところも多いですけど)、政策的に土地を上げれば・・・たとえば、国が価格を決められる路線価を数倍にしてしまえば、あっという間に土地は表向きだけは高騰・・・銀行の不良資産は、計算上はなくなります・・・(^^;。この話題は、金融機関の人たちには、禁句なのだと、銀行の人たちから言われました。しかし、まあ、もともと無理やり安くしたんだからね、土地は・・・。

銀行がお金を貸せない理由は、不良資産のせい・・・だけど・・・

ここまで、説明してきて、銀行がお金を貸せない理由が、bisなんかの基準に原因があって、不良資産のため自己資本比率が低下して、そのためルールとしてお金の貸し出しが出来ないため・・・というのが、ご理解いただけると思います。
で、土地や株などの資産を担保に「お金を借りて」やっていた企業や個人が、破綻に追い込まれているわけです。
ちょっと思うと、借りることが悪いこと・・・みたいに思いますが、ちょっと待ってください。すでに説明したように、現金だけがお金・・・というのは、ちょっと変なんですね。大規模なことを行うために、有価証券とかが発明されたのですから・・・。ですから、今、破綻に追い込まれている企業や個人、また、金融機関に、別に本当の非があるわけでもありません。テレビで「いつまでたってもなくならない不良資産」・・・だとか、「銀行は不良資産をまだ隠している」・・・なんて話題にしていましたが、これだけ短期間に基本的なルールを変えて、やっていけるほうが不思議なくらいで、それは言いすぎ、過酷な話題です。価格が上がったり下がったりが株や土地の本来の姿なのですけど・・・。
ところで、日本経済が不調な理由は、不良資産のためという論拠は、この辺にあります。つまり、銀行が不良資産のため自己資本比率が低下してしまうため、貸し出しを下げている・・・お金が企業や個人に回らない・・・だから、日本経済はゼッ不調と、考えているのです。経済評論家は・・・。
ま、一理あります。銀行の貸し渋りの原因ですし・・・ですけど、そんなに簡単な話題で物事を考えていいのか・・・。
これまで説明してきたように、今の金融機関の状況の本質的な始まりは、土地の価格の大幅に切り下げに端を発していました。そして土地から株にも結構な資金が移動してから、そこで銀行の基本ルールが変更され、雪達磨式に大きくなった貸し出し金額が形を変えた株を直撃しました。
今は、サルのセンズリ方式で資産を増やすシステムを止めようという現代の潮流の中で、大混乱になっているだけです。もっとも、この止めようという方式は、資本家には魅力的なので、アメリカですら、倒産したエンロンとかワールドコムなど、いろいろなところで形を変えて行っていました。今も、いろいろと行われているでしょう。ですから、bisもなにを建前で・・・とも思いますけども。
もっとも、そうした、健全な金融のあり方を追求するのは、大切なことです。金融機関が連鎖倒産するリスクを減らすことが出来るからです。
でも、こうした話題が関係して、今の日本経済が絶不調な背景はそのため・・・不良資産が解決しないから・・・というのが、ちょっとおかしい。そもそも、今の日本経済は不調なのか・・・だいたい、経済成長とは、永遠に続くものなのか・・・経済学って、こうしたところで、回答がないんです。科学って、大切なとこで、前提としている、考えが途絶している場所があります。

物理学でも同じです。この宇宙が同じ法則で働いている・・・理由は、だれも物理学者は知りません。こうしたことを考える人の本当の背景は、インテグラル・セオリー理論なんかが明らかにしています。その辺の話題は、こちら

そもそも、日本は本当に不況なのか

バブルの時代、お酒を飲んで何万円も使ってタクシーで帰宅する(タクシー券で会社に払わせてましたけど・・・)とか、銀座辺りの高級クラブで会社のツケで飲む、なんて当たり前にしていました、当時。残念なのは、その時代にそうしたことが出来る立場に無かったことでしょうか・・・(^^;。そうした費用は交通費や接待費として経費処理ができたので、利益に対して課税されるよりはと、会社としても都合が良かったのです。そうした、会社には、株や土地などを利用したお金が潤沢にあり、それを基本に新しいビジネスを広げていたのですから、利益も大きくなっていました。人が飲んで騒いでも、そうした企業からすると、派手に見えるそうしたものも、たいした金額ではありません。企業にとって本当に困るのは、事業に失敗することです。企業にとって何十億も一瞬のうちに損害を出すことは簡単ですが、一億円飲むことは1年でも簡単には出来ませんでしょ・・・(^^;・・・飲んでいるうちに、倒れちゃいます・・・(^^;

ある著名な資産家と飲んでいたら、自慢話で「彼女とハワイに行った時に、毎日500万ずつ遊びに使うというゲームをしたんだ・・・でも、彼女がもう、1週間もしないでギブアップしてね。お金ってのは、遊びで使える金額はたかが知れているのさ・・・」と話していました。ある意味で真実ですけど・・・まあ、お金はあるところにはあるという話題でもありますけど。

そうしたはゃめちゃな時代が、好況である・・・というなら、今は不況です。しかし、すでに説明したメカニズムによるものが背景にあり。それは、ちょっとおかしい・・・と思うなら、どうでしょう。基準は、そこには出来ないですね。
ちょっと街中を良く見てみましょう。私の視点は、東京人なのですけれど・・・街中を行く、若い女の子たちもおばさんたちも、当たり前のようにブランド物を使用しています。それを超えて、最近は、自分だけのオリジナル・・・なんてのも当たり前です。
街を見れば、ブランドショップばかり・・・20代で100万円を超えるエルメスのバッグを愛用している子もいれば、全身ブランド物だけのおばさんもいます。

右の写真は、銀座のブルガリです。遅ればせながら本格的に日本に進出を進めているブルガリは、日本市場用に低価格製品・・・(^^?・・・を集中的に投入しています。みんながブルガリを買っても不思議のない国、それが日本です。

目を街に転ずると、BMWやベンツなんて、当たり前に走っています(特に東京がそうですけど・・・)。
もちろん、万人がそうではありません。でも、そんな状態になったら、それこそ異常もいいところ・・・。
しかし、ちょっとでも見てみれば、好況といわれているアメリカやヨーロッパよりも、日本のほうが街はきれい、走っている車もきれい、女性たちは美しく?ブランド物で着飾っている・・・日本を訪れる欧米人は、そうした状況に驚いてしまいます。

似た話題は、こちら

だいたいすべてがそんな調子です。日本の家電製品の販売店だって、売れ筋が高級化しています。液晶テレビにプラズマテレビ、そんな超贅沢品が当たり前に売れ、家でDVDを見たいからと、5.1chシステムを買っちゃう・・・そんな先進国、世界広しといえども、たくさんありゃしません。そして、そうした超贅沢品を、デフレの時代・・・(^^?・・・だと、徹底的に安く製品を作り、売りまくろうとしています。
スーパーに買い物に行けば、世界の至る所から輸入されている食べ物が溢れています。野菜も、お肉も、お魚も多くが輸入。漁獲量を過去に誇っていたお魚ですら、50%以上が輸入に頼っています。これほど世界中と密接につながっている日常生活をしている国は、珍しいのではないでしょうか。
そして、増加する輸入金額を誇るわが国は、不況なのだそうです。食べるものは溢れ、多くのものは冷蔵庫からゴミ箱に捨てられている国が・・・。

もっとも、昔と違いホームレスや刹那的な事件は多くなっています。過去に完成された家庭を中心とした社会システムを、欧米型に切り替えた結果、社会におけるセーフティネットが崩壊したため・・・という意見があります。それも一理ありますね。

そして、不況の理由は・・・経済の評論家が言うと、先にご説明した話題・・・ここまでご説明してくると、さすがにちょっと違う気がしませんか・・・。

経済の評価基準には、成長率ではなくて、質となる相があるかも・・・

ちまたの経済の話題で、根本的に不思議に感じるのが、成長率を過大に考え評価基準とすることです。成長を続ける経済は好況、縮退を続けると不況、成長も縮退もなければ停滞・・・と言い換えています・・・しかし、まあ、本当ですかね。
変化を基準に話す・・・そんなだから私は、おばあちゃんの語っていた「暑い」、「寒い」と同じに、経済評論家たちの話題を受け止めるのでしょう。
だいたい、経済の基盤となるであろう人口にも、土地の広さにも、限りがあります。そして、人の欲望にも・・・。子供のころに人の欲には限りがないと教わりましたが、それはウソです。お腹が一杯で食べることが出来ないという当たり前のことは、人の生活にはあります。それを逸脱するのは、欲望ではなく、いつも片手落ちな、理性の力です。
過去の日本経済の成長を支えたメカニズムは、基本が欲望にあったたため際限なく増殖したのではなく、資本主義という経済的なシステムのひとつの結論であっただけです。そして、それにすら、足かせを現代は与えつつあります。それも、当然のことです。
別に、実体経済とか、そうでない経済みたいに、区別して考えたり説明するほどのことはありません。経済は、結局は一体です。すでに説明したように、バブルの時代は、それはそれで、実際の経済に強い影響がありましたから・・・。
本質的に疑問があるのは、今の時代を見るための観点、つまり経済は規模として成長し続けることが健全・・・と無条件に考えることであり、そこに異常性があります。
本当のところは、規模の変化の方向に、好況、不況があるのではない段階の経済があること・・・そうした成熟した経済の形が存在すること、そこに現代を理解するキーワードがあるのではないでしょうか。
それは、様々な形で、規模ではなく質が求められる時代である・・・ということです。
すでに説明したマクドナルドも、そうした質を求めています。また、不況といわれる今でも、好調な企業がたくさんあります。決して、経済規模の縮小に合わせて全企業が売り上げが減っているのではなく、成功している企業と、そうでない企業が別れつつあるのです。
成功していない企業は、不況のせいにしていますが、それは責任を転嫁しているだけで、本当は現在の日本で起きている変化に適応できていないだけではないのか・・・時々そう思います。
そもそも、単一の基準で物事を判断しようとする異常性・・・それは現代文明の過去に陥ってしまった過ちでもあります。あらゆることの真実はそれぞれの相により異なり、ひとつではない・・・それが、現代の経済のあり方を理解するキーワードです。

インフレ、デフレと、お金の流れ

物価が適正になったけど、以前から下がっている、そして、物は売れない・・・だから適正ではなくて、今はデフレスパイラル。本当ですかね。
でも、物が売れない本当の理由は、欲しいものがそんなに無い・・・それが今です。各家庭に、電化製品は溢れ、きれいにメンテナンスされた自動車がいきわたり、ブランド品で身を固めて、あと、なにを買えばいいのか・・・。株くらいなものでしょうけど・・・(^^;・・・あれだけマスコミから「不良資産」と聴かされて買う人はありゃしませんでしょ。
そして、インフレになれば販売価格が増えて利益が増える・・・なんてことはなくて、経費も増えて、国際競争力を殺ぐだけ・・・。
でも、本当は、デフレとかインフレという言葉には、どれほどの意味も無い・・・単純に、みんながお金を使わない・・・それが今です。
でも、ちょっと考えてみてください・・・使わないお金はどこにあるのか・・・金融機関ですよね・・・いちばん構造的にがちゃがちゃしているところに預けているわけですし、今日の問題の大本にあったシステム的なキーワードでもあります。元を断たないでどうする・・・という気もします。
私が社会に出てから、受けた教育で驚きながら、しかし、納得した話題がありました。

「お金が出来たら貯めて、車を買う・・・それは、最低なことだ。なぜなら、銀行にお金を預けて、大企業にお金を移すだけだからだ。どちらも大企業にお金を集めるだけだ。そんなことでは、経済は成立しない。余計なお金が出来たら、飲んで食べてしまうほうがいい・・・そうしたお金は、水商売をする、社会的に弱い人たちの下に行く。そうした人たちは、また、よくお金を使う・・・そうした結果、お金は社会を何回も回り、お金の本当の価値が生まれるのだ」

この高橋是清に端を発するこうした話題が、本当は今の日本に必要なことなのかも知れませんね。

今の会社の同僚たちから「飲まないで車でも買ったら・・・BMWのX5くらいすぐ買えるでしょ」といわれ、答えたのが、このご紹介した言葉でした。車が財産と思うドイツ人ならまだしも、日本人である私にとって車は車・・・大会社にお金をあげるだけ意味がないじゃん・・・という私の言葉に、あっけに取られていました。そういえば、ブランド物もみんなより使わないし・・・。オーディオ製品は、高いもの買うけど、まあ大企業の製品は、限られてますね。
余談ついでですが、かるばどすほふでは、いろいろなレストランも紹介していますし、徒然酒みたいなのんべなコンテンツがありますが、普段は自炊・・・ちっともお金がかからない生活です。いつも外食で暮らすという人の話を聴いて、お金がもったいないなーと思ってしまいます・・・(^^;・・・で、おんなじtシャツを20年着てると話して驚かれたり・・・アメリカ製のtシャツはもつんですよね。
トヨタ自動車が持っているキャッシャは数兆円・・・豊田市に行くと、年間赤字が数億円といわれるトヨタスタジアムがあります。ワールドカップ誘致を狙って建てられたものです。で、交通の便が他の都市から悪い豊田市で、使い道がないもののひとつでもあります。こんな凄い施設があっても、豊田市内部にすら公共交通機関すらほとんどない・・・。こんなもの建てずに市民が求める社会福祉のほうにお金を書ければいいのに・・・実は市民の人たち多くからそうした声を聴きました・・・豊田市ほど市民から評判のよくない市はちょっと珍しいかも・・・。税金がたっぷりあるから、目が市民に向かないのでしょうね。こんなことだけでも、金は一箇所に集まるより、広く使われたほうが、全体にはいい、というのは真実かな思います。

心配して、身をかがめるほどに情勢は悪くなる・・・経済は、私たちの生活の仕方の反映・・・実は、ただ、それだけなのではないでしょうか。
お金が社会で滞っている理由は、将来への不安のためとか、いろいろと理由を経済評論家は言いますが、それもウソでしょう。小金を貯めて将来に役立つはずがないことは、みんなが知っています。病気になれば、疾病保険が無ければ払えないほど医療費はかかります。貯金で払いきれる額はたかが知れています。生活費を貯金から・・・それも難しいですね。
お金が滞る本当の理由・・・それは、単純に、使う気にならない・・・だって、使い道が無いもの・・・。そんな気がしてなりません。まじめに考えて、遊び以外でお金を使う・・・対象なんて、そんなにありゃしません。
結局、本当の施策は、飲めや、歌えやを推進する・・・会社も個人も、遊びに使ったお金を、税額控除にすることかもしれませんね。
そして、もう遊んでもいい頃・・・なんじゃないですかね・・・私たちは。
そうした遊びは、やがて、新しい文化を創造する母体となるでしょう・・・。


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