オーディオの遍歴
第11章 総合芸術としての音楽とオーディオ


第10章 フルデジタルシステムへの移行 オーディオの遍歴 INDEX !第12章 音の実存を求めて

JPOPSつれづれ・・・

2000年のクリスタル・ケイ
2000/11/26 22:20 原宿 クロコダイルにて

私の中では、JPOPSに対する偏見は無くなっていましたが、だからといって、のめり込んでいたわけではありませんでした。相川七瀬なんか好きでしたが、もうちょっと時間がかかると磨きがかかるかなと思いました。歌手としてとても面白いですし、いい歌をたくさん持っているのですが、歌手であるためには声の帯域がもうちょっと広いといいよなあなんて感じます。宇多田ヒカルを聴いた時に感じたことは、日本人としては年の割にこのタイプの歌が歌える子だなー、というだけでした。私の親友は彼女が人気の出る前からマークしていたので(倉木さんなんかもデビュー時からフォローしているのですごいですよね)私の感想に不満だと言っていました。この前に人と話していて「洋楽を聞かれる方には宇多田ヒカルってインパクト少ないでしようねー。JPOPSしか知らないとインパクトあるんですけど」ともいわれました。

ここ数年で大分気に入っているのは、クリスタルケイです。

(右の写真は彼女がお母さんのライブ会場で飛び入りでゴスペルを歌っているところです。2000/11/26 22:20原宿のライブハウスで撮影しました)。

もともとは親友が「君の趣味からするとこの子の歌、好きじゃないかと思うんだよね」と紹介してくれたのですが、13歳でデビュー、このコンテンツを書いた時点では15才だか16歳でした。

本心から、彼女は天才だと思います。曲に恵まれませんが、彼女が最近好んで歌うスキャットのゴスペル、魂を打たれます。本物です。彼女の所属しているレコード会社はソニーエンターテイメントなのですが、あまり彼女の曲は凄いという感じではありません。想像ですが、育てる段階と判断して大切にしているのだと思います。でも、今の彼女に合う曲を歌ったアルバムが出るとうれしいなあ・・・。Linnなどは素晴らしい音楽家を選んで世界中でLinnレーベルのCDなどで出しています。彼女なんかは、そうしたマイナーだけど魂のこもったレーベルのほうが実力を発揮するのかもしれないなーとも思います。

また、すこし時間が戻りますが、フルデジタルシステムに移行してからいろいろと聴きました。小室が力を入れているという鈴木アミは、1度聴いただけで二度とアルバムを聴くことはありませんでした。そして浜崎あゆみはTVコマーシャルでちょっと聴くぐらいでしたが、ピンと来ませんでした。アルバムを聴いたこと、なかったのです。

あゆ、新しい時代の音楽

浜崎あゆみ
浜崎あゆみ Dutyのころの写真ですね

そんなある日、浜崎あゆみDVDを買ってみました。ほんの気まぐれでした。素粒子の世界でのゆらぎと同じように、私の気持ちにも揺らぎがあります。なんとなく、気まぐれでふっと買うものを選んだりするのです。宇宙空間の始まりが空間の揺らぎからビックバンを創りだすように(インフレーション理論のことです、念のため)、気持ちの揺らぎは心の中のビッグバンの原因となってくれます。

私は浜崎あゆみDVDを見て、そして、凍りつきました。

「あ、この音楽と映像は・・・この子の感性をフィルターにして創られている」

見はじめは、ふーん、という感じで見ていました。しかし、ビデオクリップごとに明確になっていくその内容は、最後に何回となく繰り返し見させるに足るものでした。このようなことは、本当に久しぶりでした。

私は、JPOPSのようなオーディオを前提している音楽が持つ本当の可能性を浜崎あゆみによって知りました。現代の高度な録音されている音楽は、それ自体が総合芸術です。演奏技術、オーディオ設備、音楽性、曲、音、すべてを一人の力で行なうことは大変な時間を必要とします。現実に、そうした方法ではあまり作品を生み出すことは出来ません。
ひとりで音楽のすべてを創っているという伝説のあるEnyaですら、実際には数人のチームで音楽を作っています

Enyaもなぜそうした伝説が出来たかのか困っているみたいですけど
そして、最高の音楽を創るためには、最高のスタッフのコラボレーションが必要です。この時に、音楽である以上、感性をどのようにまとめ上げるかがすべてを決めます。JPOPSは、現代の音楽として、様々な機器の支援を受けて音楽を成立させることにより、音楽を体現する技術者としてのアーティストではなく、感性の象徴であり焦点を定めるアーティストを実現させることを可能としたのです。

浜崎あゆみの音楽こそ、そうした現代の最先端のものでした。彼女は、彼女の音楽の焦点であり、様々なアーティストの力を集める焦点です。全く新しいアーティストの姿であり、時代を切り開くものだと思います。彼女のアルバムが多く売れることは、当たり前のことだと思います。

私は驚いてアルバムを買い揃えました。多くのシングルアルバムは限定生産なので見つけるのに手間がかかりました。

ところで、ホームページはリンクや検索エンジンなどの性格上、直接に一部のページに入ります。ですから、このコンテンツだけを読まれると、JPOSの再生がいかに難しいかについて、わからないで読んでしまう方もいらっしゃるでしょう。実際のところ、JPOPSやテクノの再生は、オーディオの中で最も難しいものです。このコンテンツの話題は、そうした生成の難しさをある程度乗り越えてから、話題にできるものです。クラシックばかり聞いているシステムでは、ほとんど再生は無理です。再生音は、雑音のようになります。その理由は、アルバムではなく、再生システムのアンバランスさに起因しています。

あゆ、全く異なる音の世界

浜崎あゆみ

オーディオを前提としてる音楽であっても、音の作り方があります。

クラシックなどの場合は、スピーカーによる再生を前提としています。また、一時期はラジカセを中心としていた時代もありました。

現代のアーティストである浜崎あゆみの音は、違います。現在の音楽制作システムは、シンプルになっており、作曲家自身がミックスしている場合が少なくありません。そして、そうした音の多くは、ヘッドフォンで作られていきます。ですから、一番多い再生システムである、モバイルオーディオをターゲットにしていると言っても過言ではありません。

これは、大変なことなのです。すでに説明したように、モバイルオーディオの質はかなりのレベルに達しており、しかも室内再生のように様々な反射波の考慮がありません。これをスピーカーから再生することはきわめて難しいものです。同じ品質で5万倍の出力にする必要があったからです。

もちろん、モバイルオーディオは、非可逆圧縮のデータで再生する場合が多く(Apple LossLessやWMA LossLessは例外です)、その点は通常ののオーディオより劣ります。しかし、室内での反射音がないという再生上の利点は、極めて大きな違いです。

私のシステムは、極めてクリティカルなチューニングに入りました。

今の段階でも、私が家で楽しんでいる浜崎あゆみの音楽の再生は、最高水準のモバイルオーディオを圧倒的に凌駕できているとは思います。そして、自分が感じた浜崎あゆみの音楽への直感は正しかったと確信しています。

しかし新しいシステムへの移行はまだ完了していません。この音楽には新たな側面があると、私の中の感性が教えてくれています。今も改善を進めていますが、中間のご報告が出来るようになりました。今も彼女の音楽には心酔して楽しんでいます。ここ半年、毎日のように浜崎あゆみの音楽を楽しんでいる私です。

私がなせ浜崎あゆみをこれほど気にしているのかは、風になれ!をご覧ください。


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