オーディオの遍歴
第15章
感動させる音などない・・・
でも、意味を明らかにする音はある・・・
■15.01 インデックスとイントロ■


第14章 特別編 いける音は遠くない・・
オーディオの遍歴 INDEX
第16章 音楽よ、届け!・

■ 15.01 インデックスとイントロ
■ 15.02 音がいいとか、悪いとか・・・ 編
■ 15.03 音楽の本質 編
■ 15.04 HDCD 編
■ 15.05 アルバムを創る人々、聴く人々 編

より素晴らしいパッケージ化された音楽が創られますように・・・
より素晴らしい音楽が皆さんの手元でひも解かれますように・・・・

心から祈りを込めて・・・


どっと長くなりました・・・(^^;
内容は、読み物風にまとめてありますけど、
オーディオの遍歴のなかでも、ハードなものになりました。
イントロはこのページの最後にあります。


インデックスとイントロ
「風になれ」などが好評なので・・・書き方を先に進めました
これまでで一番いい状態になったCD-12 (^^)
あは、このアルバム作っちゃうの・・・(^^;・・・
01 音がいいとか、悪いとか・・・編
音のいいアルバム・・・って、なんなんだろう
CANTATE DOMINO(カンターテ・ドミノ)
MUSIQUE DE LA GRACE ANTIQUE
Star of Wonder
「音がいい」アルバムからは、どのような音が引き出せるのか・・・・
Quelle Voix (vol.1) / 若林圭子
No Limit / Mari Iijima
frends / 綾戸智絵
音がいい・・・それは再生が容易というのと同義語
再生が難しいアルバム・・・って、なんなんだろう?
ARCADIA / The ALFEe
GREEN and GOLD / MARIA KAWAMURA
02 音楽の本質 編
なぜ、人は音楽を求め、音の質を求めるのか
音楽とは、なんなのか
ライブ性の無い音楽・・・純粋な音楽経験・・・それがオーディオ
オーディオとは、音楽の意味を明らかにすること
送り手もすべてを知らない音の世界、パッケージメディア
一番遠くから目的を求める、オーディオの宿命
さて、再び音の旅へ HDCDの謎・・・(^^;
03 HDCDとは・・・編
HDCDの概要
HIGH DEFINITION COMPATIBLE DIGITAL SAMPLER VOLUME2
AUBE COLLECTION
アナログで聴いちゃおうかな・・・
え・・・HDCDピークエクステンションモード・・・!?
HDCDとは何者なのか・・・
基礎知識編 どうやって音をデジタル信号にするのか ・・・ CDの原理
基礎知識編 標本化や量子化の値を変更すると・・・
応用編 HDCDはなにをしているのか・・・
 ■動的なデシメーションフィルターの切り替え
 データ長の近似的な拡大
  ピークエクステンションモード
  2種類のローエクステンションモード
 ■高域ディザの生成と制御信号の挿入
 ■ということは
  高域にほんのちょっとだけ独特なキャラクターがある
  HDCDデコーダーがないと、へんてこに聞こえる場合がある
頑張れ、アルバム制作者!
やっとここまで説明してきました・・・
04 アルバムを創る人々、聴く人々 編
音を作る人々は、聴く人ではない・・・
再生の難しいアルバムとは・・・
デジタルの時代、音の理屈は、経験としてでいいから、理解して
スタジオ設備の音だけ聴いていては、アルバムは作れない・・・
いいアルバムはたくさんある
XENA
i zzy / ascolta
くるり / ワールズエンド・スーバーノヴァ
RAFAEL FEREZ ARROYO / ANCIENT EGYPT
浜崎あゆみ  I am...
浜崎あゆみ  A BALLADS
では・・・この辺で・・・・

イントロ

風になれ」などが好評なので・・・書き方を先に進めました

オーディオの遍歴の書き方をベースにした「風になれ」というコンテンツが、読者の方は少ないのですが、反響が大きく、好評みたいです。このコンテンツの特徴は、ちょっと深いというところにあります。実は作成前にはどんな反応があるのか心配なコンテンツでした。あまり深い話題は、インターネット上のコンテンツとして問題があるのではないかと考えていたからです。

なにしろ、インテグラル・セオリー理論は出てくるは、呪術的社会に対する分析は出てくるは、ですので・・・。率直なところ、インターネット上で見かけるものではないように思います・・・書いた本人ですら・・・(^^;

しかし、実際には喜んでいただけたようで、書いた私も、とてもうれしかった次第です。

もちろん人によってですが・・・実は、私はこれほど真っ直ぐに受け止めていただける方が多いとは思っていなかったのです・・・

また、前回の14章 いける音は遠くない・・・もご好評いただいているようです。そのコンテンツは、今更ながらですが、最近あまり見かけなくなったオーディオの基礎知識をご説明して、簡単に「いける音」を楽しんでもらおうと思って作成したものです。また、それまでのオーディオの遍歴には無いタイプの、(初歩的な) ノウハウものでした。もともとはいろいろな方からのコンテンツについてのご要望を伺っているうちに「あ、オーディオの基礎知識って最近失われているのかも・・・」と思い書きおこしました。

電源の取り方を変更したらとてもよくなったと掲示板に書き込みを頂いた時は、とてもうれしかったです。

このような経緯の中で、これまでのオーディオの遍歴そのものについて、ちょっと書き方を変えようかと感じるようになりました。それは、オーディオの楽しさを伝えようとするあまり、オーディオという趣味の本質的な話題について、私なりの説明をしていなかったからです。まあ、趣味なのですから、好きだ〜、という一言で十分な気もするのですが、どのようにホームページをご覧いただいているのか分析をしているうちに、あれ?と思う傾向がを見つけていました。なんか、表層的なアクセスが多いような印象をアクセスの傾向から感じていたのです。

当初は、ホームページなんだから、まあそんなものかなあと思っていたのですが、「風になれ」などのご評価をいただいてから、どうもコンテンツそのものにも問題があるのではと考えるようになりました。つまり、深さが足りないために、アクセスもそうした傾向を持つのだろうと感じ始めたのです。

私の本業はIT専門家なものですから、ここでご説明したような分析をする癖があります・・・(^^;
専門家って意外なことをしているもんでしょ・・・(^^)・・・本を書いたときは、どのように読まれているかを分析するなんてことはないんですがね〜。

分析はどのようにやるのかということですが、右みたいなグラフは、一発で表示できるようになっています。このグラフは週間単位で分析したものです。余談ですが、かるばどすほふで最大のアクセスがあるのは、やはりというか、オーディオ関係のコンテンツですね。グラフ上は2つに分かれて表示しているので、すぐにはそう読み取れないかもしれませんが・・・。他にも多くの統計資料を利用して分析しています。

ところで、こう述べると驚かれるかもしれませんが、実のところ、ホームページで大切なことはアクセス数ではありません。アクセスの「質」が大切です。アクセス数では最低ラインである「風になれ」がそうした点では、大きな位置を占めています。それに次ぐ位置にあるのが「オーディオの遍歴」です。で、その質について同じレベルに高めようと考えたわけです。

また、浜崎あゆみよ、風になれ!浜田麻里ライブラリのコンテンツ内でも、アルバムの作り方にいろいろな視点から言及している点があります。ただ、詳しくその意味を説明しておらず、尻切れトンボみたいな印象があります。それについてもいずれは述べなければならないと感じていました。

いままではストーリーとして説明してきたオーディオの遍歴を、今回もそのまま継続して書こうと思っていたのですが、これらの背景から、今回だけはちょっと深いものとして書いてみようと考えました。もともとはライトさを旨としていたオーディオの遍歴に、ちょっと深さを持たせてみることにしたわけです。前回に続いて、雰囲気は特別編という感じでしょうか・・・。

でも、論文みたいでは読む方がつらいと思いますので、読みやすいように物語風にしながら、深い話題に言及していきたいと思います。ですから、、物語的な雰囲気は残っています。

そして、ちょっと深い技術的な話題には、できるだけわかりやすい解説を入れてもみました。

また、図にできる点については、図にする努力をしてもみました。

そして、皆から馬鹿にされている?、滅び行くオーディオという趣味の意味を、私なりにご説明してもみたいと思います。どのように思われるかわかりませんが・・・。
そうした内容ですので、ちょっと長文になります。また、いろいろな話題が出てくると思います。

でも、きっとお楽しみいただけると思いますので、最後までご覧いただければ、幸いです。

最近、紙にプリントして読まれていらっしゃる方が多いことが気になってきました・・・そのうち、印刷用にAcrobatのドキュメントも用意しましょうかねー(^^?

まずは、これまで、「あの先の話題はどうなってるの?」とお問い合わせの多かった件からスタートしましょう。

この話題のお問合せ、私だけではなくいろいろなところに多かったんです・・・・

これまでで一番いい状態になったCD-12 (^^)

12章 音の実存を求めて ハイエンドオーディオメーカーを翻弄した浜崎あゆみの音楽で苦労した、CD-12のさまざまな問題は、Linn本社とリンジャパンの努力のおかげで、めでたくも決着いたしました。

これまでの経緯で、ご報告していないところから紹介いたします。
私からの、機械ごとにあるデジタル出力における音のばらつきについての苦情に対応するため、Linn本社ではCD-12設計責任者を中心とした特別チームが作られ、さまざまな分析をしてくれ、長い間時間をかけて詳細に分析を続けてくれました。この分析は様々な観点から、多面的に行われました。そうした過程からCD-12のデジタル出力のクオリティは安定するようになりました。

なんか、デジタル出力で私の好みの音作りをしてくれている・・・(^^)・・・という話題をネットワークで見て、あんまり面白い発想なので笑っちゃったことがあります・・・(^^)。それができるくらいなら、楽しいだろうな・・・。人というものは、文句言われたくらいでは動かないものです・・・世界のどこでもね・・・(^^)・・・まして相手は頑固で世界に名だたるスコットランド人だし・・・。

また、日本からはリンジャパンがCDやTacT Millenium MarkIIを送り聴感による分析も行われました。そして、その結果がレポートとして何回かに別けて日本に届けられました。ただ、そのレポートの内容そのものはLinn本社から第三者に公にすることが禁じられているため、ご紹介することができません。ごめんなさい。その理由は書かれている内容が、デジタルオーディオの根本的な問題と製品の設計思想そのものに言及しているからだと思うのですが、ただ、率直なところ、私には別にこれといって意外な内容ではありませんでした。

レポートの存在を平気で書いてしまうことに驚かれる方もいらっしゃると思います。

レポートの存在を秘密にすることは求められていなかったので、レポートの存在については、まんま、書いた次第です。場合によっては、レポートや契約の存在を公表してはならないと明示されることもあります。そうした場合はこのように書いちゃうことはまったくできません。余談ですが、仕事柄か、そうした契約書にいやというほどサインをさせられています。

その内容は技術的に詳しい方でしたら理解できる、専門家にはよく知られている話題でした。実は、今回の問題が発生した際にリンジャパンのS部長とお話していたときも、私がそうした話題となる可能性について私が予測しており、そのままお話しています。そして、「もしもこういう内容となれば、それはデジタルオーディオの原理的な問題なので、それ以上は追求しなくていいですよ」ともお話していました。実は、まさかね、とも思っており、本当にそうした問題であるかはわかりませんでした。これほど音に如実に現れるものであるとは、さすがに考えていなかったからです。

これまでオーディオの遍歴をよく読まれた方はお気づきだと思いますが、限られた友人はこの話題の内容について私から聞いています。彼もすでに良く知っている話題でもありました。それは、内容について公にすることを禁じたレポートが届く前に、私の想像として話していたものでありました。このような場合は、法的に除外されます。
余談ですが、Linn本社のレポートがリンジャパンに対して送られた際に、S部長が「この問題ならお客さんはすでに理解している」と回答したところ、えらく驚かれたそうです。このユーザーはcd設計者なのかと問い合わせがきたみたいですので・・・(^^;・・・日本のオーディオファンで技術系の人ならそれっ位の知識は、当たり前に持っていると思うのですが・・・。

そして、TacTもそうした問題に対応するための汎用インタフェースを開発中という話も別な経路から来ていました。

ひょっとすると、Linn本社から今回の件でいろいろと照会が行われたようですので、それがそのきっかけになったのかも知れませんね・・・ただ、TacTは開発スピードがすごくのんびりしているので、本当にでてくるのかな〜(^^;
しかしまあ、これだけ書いててりゃ、わかる人はみんなわかりますよね・・・。

また、Linn本社からは、問題解決のためにMillenium MarkII専用にインタフェースの開発をしようかと提案もあったのですが(調査に時間がかかりすぎたためのお詫びの意味らしいですが・・・ヨーロッパ人らしい気の使い方ですね・・・)、それは私の趣旨とする話題ではありません。ですから、お断りしました(実際にはS部長が私の気持ちを察して断ってくれていました)。
Linn本社としては、CD-12だけの解決は原理的に不可能なので、将来における新しいデジタルオーディオシステムの開発により、根本的な解決を考えたいという話も届きました。
また、Linn本社から問題調査について依頼を受けたPhillips本社は、この件についてギブアップしました。ま、DVDの時代にCDのピックアップでもないので、企業としては当然といえば当然の反応ですよね・・・(^^;

余談ですが、日本のCDピックアップレンズ商社の人とお話していたら、こうした話題が出ると一番初めに疑われるのがレーザーピックアップだそうです・・・全世界一緒の話題ですよ、そうした話題の展開は・・・なんて言われてしまいました・・・・(^^;

すでに、CD-12の製造工程は改善されていますし、デジタル出力は聴感上も安定しています。私からLinnに対して話題に上げただけの甲斐はありました。

このような話題をメーカーに上げる目的は、本質的に製品の向上をしてもらうためです。結局は、自分にもメリットがあります。ハイエンド機器の場合は、メーカーはユーザの声をとても大切にしてくれるので、そうした話題が上がってきた場合に看過することはあまりありません。
この話題は、今の日本の量産機の場合とまったく逆ですね。今の量産機は、トラブルの連絡を聞くとメーカーの人は逃げ回る感じがします。そして、品質が話題になると、回答しない場合も少なくありません・・・昔はそんなことはなかったのですが・・・そうした話題の特集をそのうち書いちゃおうかなあ・・・(^^)・・・実は、ずいぶん昔に一回書きかけたんですよね、実名入りで・・・。2〜3社くらい書いたのですが、かわいそうかなーとも思い、途中で止めたんですけど・・・。でも、さすがにバグは対応してくれますね・・・東芝のSD-9500トラブルが多かったので連絡したら、翌日に取にきてくれて、三週間たって、問題再現がないため基盤交換で帰ってきました・・・その間、なんの連絡も無く、どうなってのかなーと問合せ電話したくらいです・・・(^^;

ただ、いずれにしても、この問題の最終的な決着はリンジャパンにも私にも必要でした。リンジャパンでは返品に応じることまで考えてくれていました(企業としては大変な決断ですよね・・・金額が金額なので、決算に直接影響しますから)。私は、KRELL MD-10よりはいい水準になっているわけですから、その選択肢はありませんでした。そこで、S部長と相談して、聴感上で最終的にもう一度選び、それをもって決着としようという結論になりました。

このお話をしたのは、ちょうど、2001年の輸入オーディオフェアのときでした。
有楽町の会場で、お茶をしながらお話しました。ちょうど、こちらの話題のときですね。

そして、そのための3台のCD-12がLinn本社から日本に送られてきました。
そのうち1台は、リンジャパンの事前試聴ではねられ、私には2台が届けられました。
比較試聴したところ、新しく届けられたものは、いずれもなかなか納得いく音でした。
そして、新しく届けられたなかで気に入った方1台が、私の新しい、今の愛器となったのでした。
こうして改善したシステムの音は、なかなか満足いくものでした・・・
これでやっと一安心と思っていたのですが・・・それも束の間だったのです。
あるアルバムが届けられるまで・・・(^^;

あは、このアルバム創っちゃうの・・・(^^;・・・

浜崎あゆみの新アルバム I am... を手にし、その内容に、実に満喫しました。このようなアルバムがひょっしたら浜崎あゆみには創れるのではないか、それこそが私が浜崎あゆみから目を離せなくなった理由であったからです。このアルバムこそ、待望のものだったのです。
本当に感動しました。

かるばどすほふでアーティストを紹介している中で、浜崎あゆみよ、風になれ!が他のアーティストと全く異なる形態で紹介している背景もその点があります。
また浜崎あゆみを気に入っているのか、そのまま説明しているコンテンツがあります。そう、それがすでにご紹介した、風になれ!です。

ただ、このアルバムの再生には、困ってしまいました。うまく再生することが、ずいぶんと難しいタイプのアルバムであったからです。
これまでも、浜崎あゆみのアルバムの再生には結構てこずりました。(だいたい、CD-12の導入そのものも、浜崎あゆみのアルバム再生のためでしたし・・・)このアルバムはこれまでの比ではない、難しさが伴っていたのです。

このような話題については、かるばどすほふの伝言板にもお問合せとしてupされたことがあります。
それについて、当時に短い文章でご回答しましたが、これから述べる話題はそうした説明をより詳しくしたものです。

このアルバムで新規に収録されている曲、I am ...still aloneDaybreakno more wordsFlower Gardenなどは、ロック的な音楽の形態をとっているのですが、恐らくその制作工程はテクノに近いようで、かなりデジタルフィルター(エフェクタと同義です)が多用されているようです。そこに、本質的な問題のひとつがあるようです。デジタルフィルターは、位相特性が正確にできるという特徴があるのですが、それはアナログエフェクタと異なり、むやみに使用すると干渉のため音に強い影響を与えることがあります。このアルバムの再生音は、そうした多用による問題を感じさせるものでした。同じ新規の曲でも、Connectedは、さすがFerry Corstenで、再生は容易でした。また、このアルバムは、音の特性的にも、周波数特性が再生されている場において暴れがあると影響を受けやすいものでした。

このために、長い間お休みしていたTacT RCS2.0を復活させることにしました。
TacT RCS2.0は、以前の段階で、浜崎あゆみのアルバム再生を行う際に、ちょっと難しいなと、システムから外していたものです。外した理由はいろいろとあるのですが、最大の理由は定位が崩れてしまうことと、音の実在感が失われてしまうためでした。その大きな原因のひとつは、室内音響の再生特性を補正するやり方が、TacT RCS2.0の初期のソフトウェアの段階では、かなり強力な方法だけしか用意されていなかったからです。実際のところ、室内音響特性の測定が、正確無比にRCS2.0の解像度に対応して行うことができるならばそうした動作でも問題ないのですが、その測定がなかなか実現できません。その結果、補正した結果が、かえって特性を乱す点があり、クリティカルな再生を行う場合に悪影響を与えていました。
ただ、この2年間でTacTもそうした問題に気づいていたのだと思います。このころの最新の制御ソフトであるversion1.4では、補正の強度を変更することや、左右のスピーカーに異なる補正カーブを与える機能など、実際的な機能が提供されてきました。

あと、初期の段階で出力が16bitではないかと誤解していた時期がありました。これについては、24bitであると教えていただくemailを頂戴したり(本当にありがとうございました)、TacTに対して直接問い合わせて回答をもらったりしていました。
正直なところ、デジタル機器のハイエンド装置の場合、かなり詳しく技術情報の開示を受けないとわからない点があります。後に説明しますが、HDCDデコーダについても、実装のされ方やHDCDの原理そのものを理解するまで、ずいぶんと時間がかかってしまいました。資料が少ないんですよね・・・(^^;・・・結局は、AESの論文まで読む必要がありました。文学的な論文なので、読みにくかった・・・。

しかしまあ、なんて面倒くさい・・・なんでユーザーがそこまでしないといけないんだろうと思います。デジタル時代になってから、ユーザーの負担が増えたような気がします。技術が未完成ということかもしれませんけど。

これらの新しい機能により、TacT RCS2.0は復活を遂げたのでした。

もしもRCS2.0がなかったら、新しいアルバムを再生するために、かなりのフラストレーションを感じながら、またまた長い苦労を繰り返す必要があったでしょう。もっとも、補正できたからよかった、よかったというわけでもないのですが・・・。

ただ、時間をかけてまた外そうかなとも思っているのですが・・・16bitを24bitに変換することがいいことかどうかちょっとわからない気持ちがあるからです。・・・と、書いていながら、今はまた外してしまいました。やっばり24bitへの変換が行われた音、ちょっと違うような気がします・・・電子音を再生するときになのですが。アコースティック楽器ではいい側面が多いのですけども。

2002/5/31

ところで、I am...のようなアルバムを、再生が難しいアルバムといいます。

いままでの浜崎あゆみのアルバムも、十分に再生が難しかったんですけど・・・

このような再生の難しいアルバムは、過去にもいくつか存在しているのですが、いずれも比較的最近のアルバムに多く見かけます。ちょっと注意していただきたいのは、「再生が難しい」というだけであり「良い」とも「悪い」とも述べていない点です。
よく、「音が良い」とか「音が悪い」といいます。私自身も、「いいじゃん!」なんて簡単にいっていますので、けっこう今の時代、自然な用語だと思います。

ただ、なぜか、そうした用語だけしか使わない人もいらっしゃいます。そうなると、ちょっと困るものを感じます。いいとか悪いとかは、そんなに簡単な話題ではないからです。・・・この用語は、結構誤解の元だと思います。そして、その理由を説明することが、今回の目的でもあります。

再生が難しいアルバム、容易なアルバムということに、まず説明が必要かもしれませんね・・・

そのためには、音が良い、悪い、という言葉の意味を確認する必要があるでしょう。





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