オーディオという趣味をご存知でしょうか?
ステレオなど機械を利用して、音楽を聴いて楽しむ事をいいます。
今の時代では、結構恥ずかしい趣味です。だって、女の子に
「僕ねえ、ステレオで音楽聴くの、好きなんだー」なんて話せば、
「根っ暗〜〜」
となってしまうからです。
もう今では珍しい趣味に入るかもしれません。
この趣味は、普通に音楽を聴くのとはちょっと異なる資質が必要かも知れません。
なぜならば、だれもが楽しむことができるというものでは無いみたいだからです。
だって、だれでも機械で音楽を聴くよりも、生の方がいいと思いませんか・・・・?
ステレオで音楽を聴くという事は、生(ライブ)で音楽を聴く事とはまったく異なる事で、比較する事もできない事です。えっ、同じじゃないと思われた方、ちっちっ・・・。こんどライブコンサートとか、ライブハウスで音楽を楽しんでみてくださいね。
オーディオという趣味は、音楽をステレオなんかで聞いて、とても楽しめたという経験がある人しか、この趣味を長く続ける事ができません。そして、そうした機会はとても少ないものです。
日本ではほとんどの家庭にステレオがありますが、それほどに普及していても、オーディオが趣味だという人はほとんどいらっしゃいません。実際のところ、ステレオで聴く音楽を愛せるほどの水準の設備もそう多くはありません。多くのステレオは音楽というよりは、らしい音を出すだけの機械に過ぎず、家庭でBGMを奏でるくらいの役にしかたたないと述べても過言ではありません。それはそれで、悪い事ではありませんが、オーディオという趣味とそうした設備ではあまり関係が無いといえるかも知れません。
世界的に見ても、日本でのオーディオという趣味は滅びつつあるように思います。
海外では、それなりに趣味として確立しているのですが・・・。
そして、残念な事に、すばらしいステレオは、海外製のものが多いようです。
日本の企業は、販売数量と金額が得られる中/下級機種を市場に選び、製品を出しました。
しかし、オーディオの楽しみがわかる水準の製品を低価格で出すことは、日本のメーカーにはできませんでした。
音楽を楽しむという趣味性は、開発者にも要求される資質ですが、日本の大組織ではそうした人たちだけで開発することがコスト的にも組織的にも出来なかったからです。
また、現在の技術では、人の聴覚を満足させることは大変難しく、低コストで開発することもできません。
こうしたことから、今日では世界で利用されている最高水準のオーディオシステムの多くは、日本製のものはではありません。
私が使用しているシステムも、国産の機器はほとんどありません。日本では様々な分野で巧みの心を失っています。恐らくオーディオもそうした分野なのだと思います。残念な事です。