ホワイトバランスや偽色抑制はカメラの仕事じゃない
概要
私は、カメラメーカーとか、写真家さんたち、いろいろな雑誌となんの関係もありません。
そんな私だから、気楽に書ける事があります。それは、多くの人たちが大切な話題だと誤解していることについて、なんの係累も無く指摘できることです。恐らく、それらの話題は、ひとつはカメラマンの人の無理解、もうひとつはメーカーのマーケッターによる誘導により、蔓延したものでしょう。
実は、これからご説明する話題は、デジタルカメラの設計側の人にとっては当たり前の話題だと思うのですが、世の中ではあまり知られていないのではないでしょうか。
話題とはホワイトバランスとか偽色のこです。実は、これらはカメラの本質的な話題ではなく、撮影(データ取得)後の後処理に過ぎません。ですから。カメラを話題にする際に、議論すべき話題としては、優先順位は低いのですが、さも大切なことのように説明する人が多過ぎる気がします。
ただ、これらは人がやるべきものとして、とても大切な話題なのに、だれもそのことを説明してもいない気がします。
ですから、写真やカメラに係累のない私がご説明しちゃいます。
こんな話題、聴いたことがない・・・と思われると思いますが、その原理と背景から順にご説明します。急がば回れ・・・とっても基本的なお話から入ります。

2005/02/14,15
2006/04/24、06/20

色の三原色・・・て、なんであるのか・・・

さて、はじめは色彩の基本です。
多くの人は、「色の三原色」というのをご存知でしょう。「赤」「緑」「青」です。この色を合成すると、いろいろな色を作り出すことができます。
ここで質問です。
なぜ、この3色でいろいろな色を作れるのでしょうか・・・。
この答えは、簡単なのですが、デザイン関係やカメラの本には、説明が書いていないことがほとんどのようですね。
歴史的経緯からすると、この色は経験的に発見されました。この3色の絵の具を混ぜると、ほとんどの色を作り出せるからです。でも、3原色が発見されたときに、その理由はわかっていませんでした。

錐体細胞と3種類のイオドプシン
この図では光は下側から届き、上側の視覚細胞に信号を伝えます。光は3種類のイオドプシン(Iodpsin)のいずれかを持つ錐体細胞により、色として感じられます。3種類のイオドプシンは青(420nm)、緑(531nm)、赤(558nm)に対応します。これが、色の三原色です。
暗所では桿体細胞のローディプシン(Rhodipsin 500nm)が働くので、色彩の感覚は変わります。
ホワイトバランスは人が決めるもの
ホワイトバランス2000K
自然な色ですけど眼ではこう見えませんでした
カメラ測定のホワイトバランス
複合された光源下なので正しく測定できないことに不思議はありません。当然、赤過ぎますね。Jpegで撮影していたら、もうどうしようもない状態になっています。その理由は、以降の色温度の違いを見てください。飽和しているんですよね。
ホワイトバランス 3000K
こんな感じに眼では見えていましたけど、
もうちょっと赤かったかも・・・
ホワイトバランス 4000K
ちょっと赤過ぎに思いますね
ホワイトバランス 5000K
これ以降、変化は緩慢になります・・・
つまり、飽和しています
ホワイトバランス 6000K
ホワイトバランス 7000K
ホワイトバランス 8000K
ホワイトバランス 9000K
ホワイトバランス 10000K

この原理は、光の特徴と眼の構造を説明することで、ご納得いただけると思います。
光とは、私たちが見ることのできる可視光線の場合、波長/周波数の違いにより色が変わります。つまり、色の違いとは、客観的には、周波数/波長の違いのことです。
光として考えると、単に波長が違うだけのこれらの3色の光から、さまざまな波長/周波数の光が作れるはずはありません。混変調するだけだからです。つまり、色の三原色と、光の波長/周波数の話題は、本質的には、関係ないのです。
光の三原色がある理由は、私たちの目の構造にあります。
眼の視覚細胞には、多く別けて、暗いときに光を感じる桿体細胞と、色を感じる錐体細胞があります。錐体細胞には3種類あり、それぞれが、「赤」「緑」「青」に対応しています。つまり、これらの細胞の反応が、私たちの脳に「色」を伝えます。つまり、色は、眼の構造から感じられるものであり、他の理由はありません。ですから、色が三原色に分類できることは、正確には光の三原色ではなく、視覚の三原色というべきものです。

右に説明を入れましたが、人間の色覚は、目そのものが明るい場所と暗い場所で動作原理が異なるので、色の感覚は変化します。つまり明るさで、色のバランスは違って感じられるのが自然な状態です。ただ、脳が感じ方を補正していますので、それほど明快ではありません。

つまり、色とは、私達の視覚がつくりだすものであり、客観的に測定して決定する光である波長/周波数で示せるものとは違いうものです。色とは、眼にある錐体細胞、桿体細胞からの情報に基づき、脳により感じられるものです。それが色であり、客観的に表現することは、本質的には困難です。
言い換えると、色とは客観的なものではなく、視覚の三原色により、主観的に判断されるものです。多くの人が、色について同じことを理解できるのは、その主観的な感覚が人々の間に共有され、同じ名称を与えているからです。これを、間主観的といいます。

主観の色、間主観の色、客観の色

デジタルカメラで話題になるホワイトバランスの話題をわかりにくいと思う方が多いといいます。
その理由は、根本的には、ここで説明した、色の概念の違いにあります。つまり、「白い」という意味が立脚する場所が、私達が何気無しに思う「絶対に白い」という概念が、本当はただの幻想/作り物であり、現実は根本的に異なるということに、わかり難い原因があります。
つまり、白とは、私達が個々に決めるものであり、私達の外にはないのです

「私は白いと感じる」・・・

私たちが色を判定するとき、まず眼がその色を感じます。
すでにご説明したように、色を感じるときは、3種類の色を感じる視覚細胞が比率として感じたものを、脳で合成して、脳/心が、色を判断します。この際に、脳により、色そのものの判断を行うための「補正」があります。たとえば、室内が灯火などで照らされていると、その灯火の光の色(赤)の分を「減らして」色を感じたりします。すると、本当に白い光が発行しているものがあると、その光の部分から(赤)を減じて感じているために、白い光は(青)に感じることになります。そして、そうした環境の中で白い板がその灯火を反射していると、灯火の(赤)を減じて感じるので「白」く感じることとなるのです。
このここに感じる白のことを、正確に述べるならば、「主観的な白」というべきものです。
このような、感じる際の全体の色のバランスは、個人の中で行われる「プロセス」であり、個人差もあります。また、その結果が本当に同じ意味で「白」く感じているのかは、本人でない第三者には、本当は誰にもわかりません。でも、白いものは白いのです・・・広く人々に「認知されている白」と、「主観的な白」には根本的な違いがあります。

私たちはなにを「白い」というのか・・・

そもそも、私たちは白い色を、どのような理由から「白い」と述べているのでしょうか・・・。
これは、白いものを見たときに、「白い」と教えられているからです。
つまり、私たちが自身で感じて「白い」と人に説明できるときに、私たちには、環境(社会、家庭、親、etc)から引き継いだ、文化としての「白」という概念を利用して学び、自身の白という概念を作り上げたものを利用してます。
この、文化において述べる「白」を、間主観的な白といいます。
この文化としての白には、本当は、文化圏に差異があるかもしれません。なにしろ、色の感覚や名称は、文化圏により違いがあることが知られています。
このように、多くの人が白いというものと、測定して白と考えられる「客観的な白」には、根本的な違いがあります。

客観的に白いとはなんなのか・・・

もともと、「白い」とは主観的/間主観的なものであり、客観的なものではありません。なぜならば、白い光をどこかに見つけて、その光の波長を調べて白いと命名したのではなく、主観的/間主観的に感じたものに、「白い」と命名した色があるだけだからです。
ただ、白い光の特徴を追求すると、いくつかの「測定できる事実」を見出します。
まず、白いと多くの人が言う色の「光のスペクトル」を調べると、さまざまな波長/周波数の合成されたものであることに気づきます。ここで、白いとは、人が見える光が、さまざまな波長/周波数で、エネルギー的に近い強さで混合しているものが白い・・・と考えられます。
そして、そのときに、視覚の三原色である赤、緑、青が適切に混じっていると、私たちは白いと感じるのです。この光の混合具合は、人が決めるものであり、数値的に同じ比率で混合すればいいというものではありません。言い換えると、測定できる客観的な白とは、私たちの感性を経由して決めるものですが、そのために異なるものでもあることになります。ある人には、ちょっと赤みを感じさせるかもしれませんし、ある人には青みを感じさせるかもしれないわけです。でも、だいたいの人は白として感じてもらえるはずです。
つまり、客観的な白とは、眼を通すと似たような同じ結果になりますが、ここに至り別な定義を持つことになります。視覚の三原色の比率で決まるからです。
ただ、忘れてならないことがあります。それは、ここで述べた客観的なと白は、主観的な白、間主観的な白とは、結局のところ一致するとは限らないということです。なぜなら定義がもう違うのですから、同じであると理解することは出来ないのです。
すでに述べたように、私たちは周辺の光の色の傾向に応じて、視覚の三原色の傾向を変えて感じるのですから、数値として定義された、測定できる客観的な白が、私たちの主観的/間主観的白と一致するのは、極めて限られた条件の場合だけである・・・ということになります。

カメラのホワイトバランスとはなにか

ホワイトバランスとは、視覚の三原色のバランスを決めることです。

カメラは、光を測定して動作するのですから、原理的に、客観的な動作をします。カメラの絵とは、視覚の三原色に対応した、物理反応を理由して絵を作り出すものです。これは、フィルム・カメラ、デジタル・カメラであっても同じです。
フィルム・カメラは化学反応を利用しているために、色を視覚の三原色に分解することや、その比率を制御することが出来ません。ですから、フィルム・カメラを使用する場合は、フィルムやカメラの特性を考えて、光そのものに対してはフィルターを使用するなどして、反応の仕方を制御し、また、現像の際に改めて操作を行い、色を決定していきます。
デジタル・カメラは視覚の三原色に対応した受光素子(CCDとかCMOSですね)のデータをデジタル・データとして処理するため、いくつか処理する方法があります。つまり、受光した光のデータをどのように取り出すかの増幅度の制御と、絵に変換する際の演算を操作するという方法が利用できるからです。
そして、この3原色のバランスを取る処理のことを「ホワイトバランス」といいます。
つまり、フィルム・カメラでは、かなり強引な方法でしか実現できにかった「色のバランスをとる」処理を、デジタル・カメラでは実現できるようになったということです。
ホワイトバランスは、デジタル・カメラに特有な機能ではなく、元来必要であった機能が、やっと実現できるようになったものなのです。

しかし、ホワイトバランスとは、  本当に実現可能なものなのか

ホワイトバランスとは、主観的/間主観的な白と、客観的な白が異なるために、その間を埋めるために必要な機能です。ホワイトバランスが無いフィルム・カメラでは達成できない、より正確な色の実現の可能性を生み出します。
サンプルで示している写真の場合、フィルムカメラではちゃんと撮影できる可能性は、ありません。光源が複雑なので、どうしようもないのです。ライティングで周囲の光をキャンセルするほど明るくしないといけないでしょう。
ただ、白とは本質的に、主観的/間主観的なものであるために、その実現には困難が伴います。つまり、人が周囲の光をどのように感じているかについて、どうしたら調べられるか・・・という問題があるからです。ホワイトバランスとは、客観的な色と、主観的/間主観的な色の違いを近づける処理であるからです。
言い換えると、正しいホワイトバランスというものは、人の感性を通さない限り、本当は存在しないということです。雑誌などで測定しているものは、開発者には意味がありますが、利用する人には意味はありません。擬似的/便宜的なものが、ホワイトバランスの実態です。よくもまあ、記事にしているよと思います・・・まあ、Jpegでしか使わないなら意味はあるでしょうが・・・。
ホワイトバランスがそうしたものに過ぎなくても、実現するための方法には、さらに、限界があります。本来であれば、人の脳がどのように判断しているかを数値化して取り出さないとホワイトバランスは実現できないのですが、それが現代の技術では不可能であるために、擬似的な方法を使用することになります。
この方法は2種類しかありません。

OLYMPUS E-1のホワイトバランス測定用窓

ひとつは、カメラ本体に、白い窓を経由した光を分析する機構を取り付け、3原色のバランスのずれを測定して、それに基づいてホワイトバランスの処理を行うという方法です。この方法の欠点は、被写体とカメラが同じ光源で照らされていないと意味が無いところです。ですから、屋外の撮影などで、被写体が自然などであると問題は無いのですが、室内で異なる光源が複数ある場合(サンプルの例です)や、屋外で巨大な単一色のものを撮影する場合は、ホワイトバランスはまったく機能しなくなります。
もうひとつは、被写体の光の傾向から、ホワイトバランスを「推定」して補正する方法です。この方法は、被写体の光のバランスから決めますので、光源が複雑でも大丈夫ですが、その反面、色の傾向が偏る被写体を撮影するとホワイトバランスは効果的に機能しなくなります。
OLYMPUS E-1は、この両方の方法を併用していますが、E-300は後者の方法だけです。そのため、E-300は屋外の撮影では素晴らしいホワイトバランスを示しますが、屋内では色が偏りやすくなります。
また、カメラの測定にはこのような限界があるので、初めから色温度をカメラに指示して処理させる方法が用意されています。でも、色温度にも問題があります。

色温度は、光の特徴を説明できるのか・・・

色温度とは、光の波長/周波数の変化を説明するためのもので、黒い物質が熱を持ったときに放射する光の波長/周波数の違いを、黒い物質の温度で説明する方法のことです。黒体輻射といい、温度をk(ケルビン)で述べます。つまり、3000Kとか、5000Kとかです。
この色温度の指定は、カメラのホワイトバランスのデザインにもそのまま組み込まれています。
ただ、黒体輻射で光源を説明するという考え方には、前提があります。それは、光源が1つだけであるという前提です。
ただひとつの光源であれば、黒体輻射の考え方でそれほど大きな問題は無いのですが、現実の世界ではどうでしょか・・・室内の撮影をすると、いろいろな照明があります。照明ごとに色温度は違うことがほとんどですから、色温度は1つで表現できるものではありません。
また、屋外であっても、赤く大きなものなどがあれば、その反射光で必然的に影響を受けてしまい、特定の色温度を指定して光の傾向を説明することは出来ません。
旧来の撮影方法では、こうした問題を解決するために、強力なライトにより照明することで、光の色温度を固定してしまいます。しかし、それは、自然な撮影方法ではありませんよね・・・。
結局、色温度を利用したホワイトバランスというものは、擬似的な簡易技法に過ぎません。
私は、ホワイトバランス処理するときの色温度を複数指定できる方式にして欲しいですねー。

黒体輻射(Black Body Radiation)で、可視光線帯域はそんなに広くありません(虹色のとこだけです)

本当のホワイトバランスは、人にしか決められない

ハワイ/ロイヤルハワイアンホテル
赤に近いピンクなのですが、全然違う色です。ホテルも撮影している周辺の壁も同じ色であるため、カメラの色バランスが撮影時から違っているみたいです。この場合はraw現像でも処理しきれませんでした。きっと、撮影時に赤の増幅度を勝手に落としたのでしょう。さすがにこうした状態では、Photoshopなどで処理をするほうがいいでしょうね。

カメラで実現しているホワイトバランスとは、とても擬似的なものですが、それ以前の問題として、色の感覚とは、主観的/間主観的なものであり、客観的なものではありません。
ですから、客観的な反応としてしか光を取り扱えないカメラがどのように実現していても、結局は本質的なものではなく、擬似的なのです。人の感じる白を実現することは、できないのです。
そういう意味では、カメラの現在の方式は、十分といえるのかもしれません。
言い換えると、客観的に正しいホワイトバランスというものは存在しえず、人にだけそれを決める力があるのです。
つまり、人が写真を見ながら、ホワイトバランスを決めない限り、ちゃんとしたホワイトバランスは実現できるものではありません。
さて、ここに至り、カメラのホワイトバランスを、カメラの評価基準にするおかしさを理解していただけるのではないでしょうか。
フィルムカメラの時代に、現像と印画紙への焼付けは大切な作業だったはず・・・だれも、ポラロイドカメラが一番いいという話はしなかったはずです。なぜ、デジタルカメラになり、撮影直後のCCD/CMOSなどからのデータの画に変換する処理をカメラの評価基準にするのでしょうか・・・理解できない発想です。

ホワイトバランスを考えるなら、raw撮影しかありえない

カメラが撮影するということは、CCDやCMOSのデータを収集することと、そのデータを基にJpegやTiffのような画のデータを生成するということです。
実際のところ、カメラでもっとも大切なのは、前者の処理で、ここで、レンズやカメラのボディのすべての能力が問われます。その次の処理は、いつでもかまわないのです。撮影直後に処理する必要などありません。

まあ、報道写真なんかは必要なんでしょうけど・・・(^^;
そういう写真は、コンパクトカメラで十分ですよね・・・(^^)v
新聞社の友人が私のE-1を見て「仕事でそういうカメラは贅沢すぎて使えないな」とぼやいていました。

それどころか、ホワイトバランスのような処理は、人が確認しながら行うべきことです。カメラにその場でやらせてしまっては、いけない処理なのです。本来であれば、デジタルカメラとは、ホワイトバランスのデータを収集するだけ収集して、なにも処理せず、得られたデータを正確に記録できれば、本当の仕事は終わりです・・・これが、rawデータ撮影の意味です。
もっとも、カメラがホワイトバランスのためのデータを収集する事は大切です。今では、レンズそのものにも色収差などのデータが記録されているので、そうしたデータもホワイトバランス時にあると助かります。ですから、カメラには必要なデータ利記録をしてもらう必要はあります。でも、その処理は、人の前でやってくれないと困ります。
デジタル・カメラだから可能なホワイトバランス・・・そして、本当は、人にしか処理できないホワイトバランス・・・それを生かすためには、Jpegのような現像済みの写真ではなく、raw撮影しかありえないのです。
もしも、JpegやTiffで現像データを得てしまうと、非可逆的変換を行う事になり、一言で言うと、「情報を失う」のです。手軽さが売りのコンパクトカメラならいざ知らず、ちゃんとしたDSLRでなんでそうした撮影方法をしたいのか、理解できません。
デジタル・カメラはJpegで十分という声が、プロの人に多いそうです。フィルム・カメラに慣れている人たち人たちは、ホワイトバランスの意味が理解できていません。結局、それではデジタル・カメラをフィルム・カメラ程度にしか使えていないといえるでしょう。

現像のワークフロー

現像のワークフローで一番簡単で確実なのは、カラーチャートを使用することです。

こんなふうに撮影して、ホワイトバランスを現像ソフトで決めます
撮影データ LEICA Digital-Module-R + LEICA R9 + LEICA SUMMILUX-R 50mm F1.4 Ver.4 Laser Distance Meter使用
rawデータ撮影後RawShooter1.03ホワイトバランスを適時選択して現像

水中撮影でも、rawデータ撮影がいいすね…(^^)v

水中写真は、フィルム時代にパターンが決まったそうですが、それでも、rawデータ撮影は、とても有効です。
フラッシュの向きが違うだけで色味が変わる撮影ですが、rawならちゃんと調整できます。
色味の綺麗さは、フィルムとは違った繊細さがあるかも…(^^)

沖縄にて
ミノウミウシの仲間、ムカデウミウシの一種
イバラタンザシ
コールマンウミウシ
コナユキツバメガイ
餌は、サンゴに生息する無腸類ではないかと推測されているそうです
カエルウオさん
キスジカンテンウミウシかな
撮影データ OLYMPUS E-330 + ZUIKO Digital ED 50mm F2.0 + ZUIKO Digital EC-14 with PT-E02
rawデータ撮影後OLYMPUS STUDIO V1.50でホワイトバランス適時選択して現像 撮影2006/04/21/22/23

余談・・・偽色が出るだのでないだの・・・なんでそんな話題をするのかね

似た話ですが、雑誌を見ていると、偽色が出るだの出ないだの、一生懸命話題にしています。
なんでそんな話題をするのか、理解できないのが私です。
だって、偽色は、必ず出るんですよ、原理的に・・・。
偽色が出ないという製品は、単に補正処理をしているだけのこと・・・補正処理の強さを、カメラに決めてもらって何がうれしいのか、ちっともわかりません。
偽色が発生する理由は簡単で、CCD/CMOSの受光素子が1つで1色しか受けることが出来ないからです。人間の錐体細胞もそうですけど・・・。
右の図のように、緑が多めで、青、赤の受光素子を並べています。緑が多目の理由は、よく知りませんけど、桿体細胞のローディプシンが色を識別する細胞のほかにあるので、同様な特性を与えるためでしょう。緑の波長/周波数が、ローディプシンに一番近いものとなりますので。

書いてから思い出しましたが、富士写真フィルムの技術者の方から、そう説明を聞いたことがあるような気がします・・・(^^;

2005/02/15

さて、このように千鳥足になってる素子の上に、画が写ることを考えてみてください。例えば、赤と緑のところの切れ目に沿って画の端が走れば、その場所では必然的に赤の比率が増えますので、結局、色が赤に転びますよね・・・これが偽色の原理です。
ですから、偽色になる原因は、必ず発生するのです。
では、どのようにすると偽色がなくなるのでしょうか・・・簡単です・・・撮影後に、偽色を補正する処理をするのです。
JpegやTiffで撮影すると、その処理もしてあるので話題になりますが、そもそも、偽色の補正は後処理に過ぎないので、rawデータ撮影をすると関係ない話題であり、カメラの本質的な話ではありません。
偽色の補正とノイズの補正は似た処理ですが、これを行うと原データを破壊します・・・つまり非可逆な変換を行うことになります。ですから、見ながら、人の判断で補正しないといけないのですね・・・。
例えば、E-1やE-300のraw現像を行うOLYMPUS STUDIOには、下図のようなメニューがあります。

下から偽色抑制、ノイズキャンセルとありますよね・・・。
見ながら、適切になるように、人の感性で決める・・・それが、本当の偽色やノイズに対する処理です。
そうした当たり前のことを説明もせず、このカメラは偽色が出るだの、ノイズが大きいだのと、JpegやTIFFで出力して話題にする人って、デジタルカメラのことをなんにも知らないのではないでしょうか・・・(^^;
それは画像処理プロセッサの話題であり、こうした話題の処理を内部でしているわけで、カメラ内で処理するメリットてのはなんなのか、説明してもらいたいものです。メーカーの設計方針だけの話題ですよね。高級なDSLRというカメラってのは、本質的にそうした議論が必要なんでしょうかねー・・・それは、おまけの話題だと思いますけど・・・。コンパクトデジカメと話を混同しているとしか思えない私です。

オーディオもそうだけど、カメラも、本に出ている話題がちょっと変ってる・・・

私はオーディオは趣味ですが、カメラは飲み屋で写真を撮るくらい・・・別に趣味というほどではありません。

しかし、雑誌を見ていると、書いてある記事があなまり変なので、閉口してしまいます・・・(^^;真面目に評論しているというよりも、なんか、裏があるんじゃないかなと勘ぐりたくなる記事ばかり・・・。
だいたい、DSLRの評価をコンパクトデジカメと同様に、Jpegなんかでしているのが、理解できません。
その理由は、Jpegを話題にすると、撮影後の後処理の評価をするだけのことで、カメラ本体の能力の話題にならず、本当に綺麗な絵を取りたい人には、大切なことではないからです。その理由はすでに説明したとおりで、ホワイトバランス、偽色抑制、ノイズキャンセルは、人が見ながら行う必要があるからです。
こんなこと、専門家ならだれでも知っていることで、議論の余地もないはず・・・
それなのに、本でああいう話題になっている理由は、やっぱり、なにか裏があるとしか思えないような・・・(^^;
メーカーと売る側、そして評論する側が、接近しすぎているのではないですかね・・・(^^;
あー、こんな展開していくと、書きすぎるかも・・・
この話題は、これくらいにして・・・

是非、DSLRはraw撮影で使用して、
ホワイトバランスや偽色補正はPCで確認しながらやりましょう
カメラ内の映像エンジンに全部の責任を預けるのは止めましょう・・・(^^)v
昔は、専門家は自分で現像/プリントしていたんですよね、きっと・・・
デジタルでも、同じなんです

余談ついでに、FOVEONの話題も・・・

偽色が原理的に発生しない映像素子があります。FOVEONというCMOS型素子で、1つの素子から3原色のデータを得ます。これは、光の到達距離の違いを利用するもので、アイデアですよね。日本のSIGMA、アメリカのポラロイド、韓国のHnnVisionが、かの昔には採用していました。
今は、同社はSIGMAの傘下にあり、主にSIGMAのために製造しています…。

この方式には、いくつか困る点があります。まあ、万全の方式なんてないのですから…。

一番大きい点は、そもそも各波長で、そんなに適切な特性が得られるのかということです。
CMOSに透過する光を取り扱うことになのますし、色の分離も難しいので、色のバランスが維持しにくいんですよね。ですから、このタイプの映像素子を使いこなすコツは、raw撮影にして、色のバランスをちゃんと調整して使います。SIMGA SD-10なんかは、そうした点をちゃんと押さえている製品だと思います。
ちなみに、この素子の一番高い密度で、当時は340万・・・3色が重なっているので、1020万画素という言い方をしますけど、それはちょっと宣伝文句の言いすぎですね・・・。
ちなみに、CMOSはノイズが大きいので、セルサイズを大きくする必要があるので、より高い密度のものを作るためには、ノイズ対策技術の進歩が必要です。
余談ついでですが、FOVEONの場合は高い周波数の光を含めて初めの層が受光するので、他のカメラで必要なバンドパスフィルターを必要としませんが、緑と赤の受光を考えるとそうしたフィルターよりも特性が悪いものがあるのと同じ意味になるので、そんなに自慢できない気がしますねー・・・(^^;


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