LEICA M9
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特徴
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私は、LEICA M8, LEICA M8.2を持っていても、あまり使用していません。LEICA Rの方が好きなのでした。理由は簡単、LEICA Rの方が最短撮影距離が近く、使いやすいからです。しかも、Mのレンズは、広角中心でありながら、M8やM8.2では、受光素子の関係で、35mmが50mm相当になっちゃいます。 | |
レンズマウント
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LEICA Mマウント、Lマウントもアダプターを使用して使えます。また、Mマウント互換のマウントが他社にも多く、使い勝手の良いマウントです。 | |
価格
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購入価格は、ヨドバシカメラで71万円です。 | |
記載記録
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2009/07/21
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LEICAという会社は、とっても変わっていて、企業の規模と製品ラインアップが全く合いません。効率的に・・・という会社ではないんですよね。これって、ヨーロッパの会社らしいといえば、らしいところで、細かい改良を重ねながら、製品を出してきます。
M8のころには、アップグレードしてサポートを続けると説明していたLEICAですが、M8からM8.2のアップグレードで懲りたみたいで、M9として、新型を出してきました。
M9は、M8.2のマイナーチェンジという印象があるかもしれませんが、使ってみると全く異なる、より改良された機種でした。M8.2は、受光素子のサイズが小さいので、焦点距離が伸びます。ですから、別々に使っていくことが出来るので、私にとっては広角はM9で・・・と思っていますが、思ったよりも使いやすいので、望遠はM8.2で・・・という使い方になりそうです。
rawデータ現像ソフトが変わった・・・
LEICAは、DNGフォーマットでrawデータを出しています。 ただ、Adobeの現像アルゴリズムは、かなり無理があるため、多くのカメラメーカーはAdobeに対して現像プラグインを提供しているのが実際です。
LEICAのデジタルカメラの最大の欠点はここで、大切な現像そのものについて、自社で責任を取れていないことでした。
はじめは、LEICAはDigital-Module-Rで、FlexColorを使用していました。Digital-Module-Rを共同開発したImaconの標準ソフトであったからです。
Adobe DNGフォーマットは、以前の仕様ではカラーコレクションテーブルが3x3というお粗末な仕様であったため、FlexColorに用意されているカラーコレクションテーブルを使用しない限り満足に現像できないという状態でした。もともと出来のよくないFlexColorに頼るというのは、とても大変で、ヨーロッパでは極めて不評でした。
後にImaconはデジタルバックから撤退を表明・・・LEICAはDigital-Module-Rの製造が出来なくなりました。まあ、製造といっても、はじめのワンロットしか作っていないみたいですが・・・(^^; 製造量は、受光素子の発注ロットが基本で決まります・・・LEICAの企業規模では、とても難しいんですね・・・。
このような経緯から、LEICA M8はLEICAが暗中模索して開発した、自社開発のデジタルカメラでした。で、Digital-Module-Rと同じように、アンチエイリアスフィルターを使用しないという画期的というか無謀な設計というかのため、赤外線フィルターの設計が甘すぎて・・・こりゃ、Kodakの責任かもしれないですけど・・・赤外線に反応するために厚いものを撮影すると、黒いものがバイオレットになるという大トラブルをやらかしました。日本でLEICAの提灯記事をたくさん掲載した写真雑誌が発売されたとき(日本の写真雑誌って、どうなっているんでしょ)、ヨーロッパでは・・・というかLEICAのユーザーフォーラムでは「LEICA M8はコンパクトデジタルカメラ未満の製品」という騒ぎになってしまいました。
ここからがヨーロッパの会社らしいというか、LEICAらしいというか、真っ直ぐに対応をしていきます。 全ユーザーには、IR/UVフィルターを二個まで無料配布し、ファームも変更を行いました。
LEICA M8.2は、LEICA M8のハード的な変更が行われているものです。 最高シャッタースピードは遅くなりましたが、はるかに静かになり、液晶はサファイアグラスで保護されています。ファインダーはM8のものが焦点距離75cmに合わせて設計されていたものを、3mに変更しています。
また、LEICA Mは、撮影スタイルが通常のDSLRと異なるので、ISOの設定を可変にする機能が追加されたり・・・これは、M8にも同様なファーム修正が提供されましたけど・・・
このようなM8, M8.2のrawデータ現像は、Phase OneのCapture Oneになりました。
ただ、そうした中で、LEICAは新シリーズであるSシリーズを計画します。 LEICA初のオートフォーカスを搭載した新シリーズで、受光素子のサイズは中版デジタルパックと同じ・・・つまりPhase Oneの競合会社になっちまうということです・・・(^^;
ということで、いつまでもCaputre Oneじゃまずかろう・・・と思ったのか、LEICAは現像ソフトをAdobe Lightroomに変更したのでした。はじめは、Lightroomの現像エンジンはPhase Oneが提供しているのかも・・・とも思っていたのですが、Capture OneはM9からサポートされているDNG圧縮モードでは現像できませんので、どうも違うみたいです。
まあ、Adobe Lightroomも、2.5以降は使い物になるので、かまいませんが・・・(^^;
これでソフトの変遷は落ち着くのかしらん・・・(^^???
おお、ブラケット撮影できるぞ!!
LEICA M8, M8.2でとても困ったのは、ブラケット撮影が出来ないことでした。
このため、HDR撮影に使えませんでした。
M9は、できるようになりました。 それも、最大2EVステップ、7枚まで撮影できます。 これは、明らかにHDR撮影のための機能です・・・日本のカメラメーカーも見習ってほしいですね・・・
LEICA M9は、14EV、つまり通常の受光素子に対して約12000倍の明るさの違いに対応できます。
うーん、これからHDR撮影は、M9にしようかなー
よく考えてある、ISO Pull
M8は、受光素子の最高の特性に合わせてだけ作られていました。 ただ、最大シャッタースピードを1/4000に下げたこと、ローノイズ撮影の要求が強いことからだと思いますが、M9にはISO Pullが用意されており、ISO 80がサポートされています。
ISO Pullとは、受光素子の出力減算していることを意味しています。 この場合は、1EVダウンつまり1/2にしているということで、ノイズも半分になります。当然ダイナミックレンジも半分になりますが、14EVまで可能なブラケット撮影が出来るので、HDR撮影をすればいいので、たいした問題ではありません。
思い切って、ISO Pull x4なんてサポートして、ISO 40も用意すればよかったのに・・・(^^;
でも、それじゃ、HDR以外では使えないか・・・(^^;
シャッターボタン感度を変更できるようなった
Mシリーズでは当たり前だったんでしょうが、M8, M8.2のシャッターは、結構深く押さないといけないのが、私には不満でした。M9は、設定変更で、敏感にすることが出来、旧来の半押しでシャッターを切れます。 これは助かります・・・(^^)
撮影サンプル
以下のサンプルをご覧ください。
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撮影データ LEICA M9 + LEICA SUMMICRON-M F2.0 50mm (IV)
rawデータ撮影後 Adobe Lightroom 2.5でホワイトバランスを適時選択して現像してから処理 2009/12/02撮影 |
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撮影データ LEICA M9 + LEICA ELMARIT-M F2.8 28mm ASPH
rawデータ撮影後 Adobe Lightroom 2.5でホワイトバランスを適時選択して現像してから処理 2009/12/03撮影 |
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撮影データ LEICA M9 + LEICA MACRO-ELMAR-M 90mm F/4
rawデータ撮影後 Adobe Lightroom 2.5でホワイトバランスを適時選択して現像してから処理 2009/12/03撮影 |
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撮影データ LEICA M9 + LEICA ELMARIT-M F2.8 28mm ASPH
rawデータ撮影後 Adobe Lightroom 2.5でホワイトバランスを適時選択して現像してから処理 2009/12/04撮影 |
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撮影データ LEICA M9 + LEICA ELMARIT-M F2.8 28mm ASPH 4
撮影データ LEICA M9 + LEICA SUMMICRON-M F2.0 50mm (IV) rawデータ撮影後 Adobe Lightroom 2.5でホワイトバランスを適時選択して現像してから処理 2009/12/05撮影 |
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撮影データ LEICA M9 + LEICA SUMMICRON-M F2.0 50mm (IV)
rawデータ撮影後 Adobe Lightroom 2.5でホワイトバランスを適時選択して現像してから処理 2009/12/06撮影 |
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撮影データ LEICA M9 + LEICA SUMMICRON-M F2.0 50mm (IV)
rawデータ撮影後 Adobe Lightroom 2.5でホワイトバランスを適時選択して現像してから処理 2009/12/08撮影 |
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撮影データ LEICA M9 + LEICA SUMMICRON-M F2.0 50mm (IV)
rawデータ撮影後 Adobe Lightroom 2.5でホワイトバランスを適時選択して現像してから処理 2009/12/12撮影 |
撮影写真へのリンク
以下は、LEICA M9を使用した撮影写真が収録されているページへのリンクです。使い始めのころは、カメラを試してばかりなので、ろくな写真がありません。ゴメンナサイ。
2010
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2009
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