Panasonic DMC L1
特徴

OLYMPUS E-330と姉妹になるカメラです。
とはいえ、同じといわれているイメージセンサであるLive-MOSも、rawデータを解析してみたら、ちょっと仕様が違うみたいです。当初、出荷予定は2006年末までとのことでしたが、SONYαの発売日が7/21に決まったためか、同じ日に発売になりました。
率直なところ、期待していなかったのですが、OLYMPUSにはない特徴もあり、組み合わせて使用しています。
実は、買った後すぐに中古屋に出したら、LUMIXの宣伝をしているあゆに悪いなーと思っていのでした…現実に、発売直後から中古屋に出始めているようです。LEICAらしい製品を期待している人には、ちょっと困る点があるからでしょう。このカメラは、LEICAの操作の考え方の一部と、レンズの光学系にはLEICAの考え方がありますし、OLYMPUSの技術も入っていますけど、本質的には、Panasonicのカメラです。
当面は、一緒に開発されたレンズである
LEICA D VALIO-ELMARIT 14-50mm F2.8-F3.5 ASPHと付け合せ販売です。それがないと、ボディは売り難いかもしれませんが、やっぱ、別売が必要なのではないでしょうか…中古屋に叩き売られて価格が下がると、評判が悪くなりますでしょ…。
このレンズの特徴のひとつはオートフォーカスです。LEICAにはオートフォーカスのDSLRがLEICA Sシリーズの登場までなかったので、それまでは世界で唯一のLEICAの名を冠した一眼レフのオートフォーカスなのでした。

2006/08/02,08/20

ayu lumix
レンズマウント

レンズマウントはフォーサーズ仕様です。CCDサイズが4/3インチであることからそう呼ばれており、デジタルカメラ用によく考えられたマウントシステムです。

価格

LEICA D VALIO-ELMARIT 14-50mm F2.8-F3.5 ASPH付きで21〜25万円くらいです。

新しいイメージセンサ Live MOS センサー

この説明は、OLYMPUS E-330と同じです

このカメラに採用されているPanasonic製のイメージセンサは、Panasonicの開発したνmicovicon(ニュー・マイコビコンと読みます)イメージセンサの技術により開発されています。

以下の説明は、松下テクニカルジャーナル vol.52 No.1 feb.2006と、E-330のカタログをベースに書きました。

νMicoviconイメージセンサとは、CCDイメージセンサの高画素、高画質という特徴と、CMOSイメージセンサの低消費電力を兼ね備えた、新しいイメージセンサです。νMicoviconとはnewmatsushita advanced image converter for vision constructionの略称です…

キャノンが高級機でCMOSベースのイメージセンサを使用しているため、一部にはCMOSの問題点として画質があることが忘れられている嫌いがありますが、CMOSとCCDでは、フォトダイオードの面積の違いから来る画質の違いが、技術的にはあります。また、CCDはCMOSと比較すると、CCDは読み出し時に全画素に対してエネルギーを印加するのに対して、CMOSは画素単位に読み出しが出来るので、CMOSは低消費電力となります。

その両方の特徴を備えるものとして開発されたイメージセンサがνmicoviconです。

はじめは、携帯電話用カメラモジュールにこの技術が投入されましたが(市場規模から見て、さもあらんと思います)、続いて、DSLRへこの技術が投入されたのでした。

この新しいイメージセンサは、以下の3つのブレークスルー技術により実現されました。

  1. 高感度を実現する新構造画素技術
    受光部分を大きくするために、画素内の信号読み出し回路を新しい駆動方式とすることで、信号の読み出し制御する配線本数を、従来のCMOSイメージセンサの3本から、2本に削減することで、受光部の面積をフルフレーム型CCDに匹敵する画素の30%にしました。
  2. 画像のザラつきを抑える低ノイズプロセス技術
    n型半導体であるフォトダイオードの表面を、p型半導体で覆うことで、暗電流を発生するノイズ源となる界面順位から遮断する構造となっており、大幅に暗電流をカットします。このフォトダイオードは、構造や転送ゲートの注入プロファイルの最適化により、低電圧でも完全に読み出すことが可能となっています。
  3. 低電圧低消費電力の駆動技術
    X-Yアドレス方式で限られた画素だけを順番に動作させることで、電流の流れる範囲を最小化し、低電圧動作と従来のCMOSの1/2の消費電力で動作することを可能としました。

とまあ、開発した側の資料で説明をいたしました。

経験的に、Panasonicの開発したCCDは、ちょっと色の安定度が気になります。E-1に使用されているKodakのCCDは、安定したスムーズな発色を感じるのですが…

当面は、LEICA D Valio-ELMARIT 14-50mm F2.8-3.5 ASPHと組み合わせ販売

一眼レフカメラというのは、たいていはボディとレンズは別に買えるのですが、このカメラは当面は組み合わせ販売のみのようです。

確かに、レンズばかり売れちゃいそうなので、致し方ないですねー…(^^;

このレンズについては、LEICA D VALIO-ELMARIT 14-50mm F2.8-F3.5 ASPHでご説明しています。

Panasonicでは、他に4本のレンズの発売を予定しています。

Panasonicは、DSLRの分野で大丈夫なのかな…(^^?

実は、購入を止めようか、結構悩みました。
理由は、恵比寿で行われたPanasonicの製品のプレビューショーに行った時の印象が悪すぎたからです。

販売が急に決まったからか、説明員の説明がめちゃくちゃだったのでした。
家電のような自社でのみシリーズをクローズさせる製品の販売しか知らない人たちが寄せ集められているのが、手に取るようにわかってしまいました。システム商品であるDSLRは、そうした感覚でビジネスされると、客は困惑するばかりです。

「このレンズはOLYMPUSのカメラでも使用できるんですよね」
「さあ、他社の製品と組み合わせることはちょっと…」
「え、フォーサーズですよね」
「そうですが、当社の製品との組み合わせで無いと動作はわかりません」
「そうなんですか…」
「はい」

Live View機能を拡大で使用していたら、AFロックすると勝手に拡大モードが終わります。

「すいません、どうしたら拡大したままに出来ますか?」
「出来ません」
「え、だって、AFロックしてからMFで微調整するじゃないですか?、その際に拡大モードが終わってしまったら意味ないですよね」
「ロックしている場所を拡大しているとは限らないので、誤解の原因になるので、拡大モードであり続けてはいけないんです」
「それでは使い悪過ぎますよね」
「製品とは誤解が無い様につくなければならないのです」
「カメラ使う人は、自己責任で使いますよ」
「…」

でも、別な人は

「ごもっともです、そんな事を言っていましたか、すいません」

この人がいたので、結局買うことにしました。

OLYMPUSの技術が随所に組み込まれています

このDSLRは、OLYMPUSの技術が随所に取り入れられていると思います。
見た限りで判断しているので、間違っているかも知れませんが、以下のように思っています。

こうした背景があり、OLYMPUSのアクセサリーもそのまま使用できます。

E-330用のマグニファイヤー・アイピースアダプター ME-1を取り付けてみました
カチッとロックされないのでちょっと外れ易いですが、そのまま使えます。
埃だらけの写真でごめんなさい

これは、とてもいいことだと思います。

OLYMPUSとの相違点

光学系が同じ構造であっても、半導体システムは全く違うようです。
私は、rawデータ撮影しかしないので、ビューナスエンジンIIIについて、存在価値はわかりませんし、興味もありません。

使ってみて、オートフォーカスの動作には、OLYMPUS E-330とかなりの違いがあります。
OLYMPUS E-330は、AF補助光が内蔵フラッシュとなっているため、フラッシュ撮影なしで暗いところでのオートフォーカスを効かす方法がありませんが、Panasonic DMC L1には、AF補助光(レーザーみたいにあまり発散しないタイプ)
が用意されており、暗いところでもかなり正確にオートフォーカスが出来ます。

使用感としては、オートフォーカスはOLYMPUSよりも速くて、稼動できる明るさの幅も広いように感じます。

また、ファームも全く違いますし、出力されるフォーマットも全く違います。
拡張子 .raw というPanasonic独自形式です。

率直なところ、OLYMPUSと同一のorfで出力してくれれば、いろいろなソフトでraw現像できるので、有難かったのですが…(^^;…同じCCDなんですから…(^^;

Panasonicの.rawファイルを解析してみたら、OLYMPUSと違い、12bitでの出力でした…OLYMPUSは16ビットです。ADコンバータにも違いがあるのかもしれません。

また、イメージセンサのピクセル数が、OLYMPUS E-330とちょっと違います…ちょっと横長になっており、4:3の比率から外れています。

現像ソフトには、Silkypixのちょっと古いバージョンである version 2.0.14.13 が、DMC L1専用になっているものが添付されています。来年、Windows Vistaが出るのですけど、バージョンUPは大丈夫なのかなー…こうした添付ソフトは…(^^;

普通は、バージョンアップとかの対応のために、普通の製品版を添付するものだと思いますけどねー

家電屋の考えることは、ちっともわからないのでした。

Silkypixのバグ

Silkypixは、早速にバグっていました。
ユーザー登録が出来ないのでした…いきなりこれなのでびっくりしました。

で、そのために機能制限がかかっている…と誤解したのですが、特別バージョンなので機能制限はないのでした。そうした記載はドキュメントになかったのでした…

大丈夫なのかなー、このソフト…(^^;

現像結果は、色はちょっと違うかなーと思うのですが、空間周波数は高いので、独特な絵になります…好みではないのですが、人受けはいいようです。ドイツのLEICA User Forumに投稿したら、かなりいい反応がありました。

使っているうちに、このソフトの絵にも慣れてきたので、このソフトを使うものに加えてみましょうか…(^^?

操作感について

持ってみて感じることは、軽いことです。
率直なところ、シャッターの感じとか、ダイヤルの感じには、高級感はありません。

また、スピードダイヤルの中央にシャッターボタンがあるのですが、それしかシャッターボタンがなく゜、しかもスピードダイヤルは小さめであるため、マニュアル撮影がとてもし難くなっています。折角、レンズに絞りリングがあっても、LEICA R9のような洗練したマニュアル撮影は期待できません。

絞り優先か、プログラムモードで使用するカメラだと思います。
ですから、LEICAに慣れている人には、物足りないですが、言い換えると、LEICAにはオートフォーカスがないので、オートフォーカスで使用するLEICAと思えばいいのかもしれません。

言い方を変えると、コンパクトデジカメの、高級版ですね…(^^;

サンプル

以下にサンプル写真をご紹介いたします。

Panasonic DMC L1サンプル写真
撮影データ Panasonic DMC L1 + LEICA D VALIO-ELMARIT 14-50mm F2.8-F3.5 ASPH
rawデータ撮影後Silkypix2.0.14.13でホワイトバランスを適時選択して現像 撮影日2006/07/24
撮影データ Panasonic DMC L1 + LEICA D VALIO-ELMARIT 14-50mm F2.8-F3.5 ASPH
rawデータ撮影後Silkypix2.0.14.13でホワイトバランスを適時選択して現像 撮影日2006/07/25
撮影データ Panasonic DMC L1 + LEICA D VALIO-ELMARIT 14-50mm F2.8-F3.5 ASPH
rawデータ撮影後Silkypix2.0.14.13でホワイトバランスを適時選択して現像 撮影日2006/07/26
マニュアル撮影が難しいので、撮り難かったです
撮影データ Panasonic DMC L1 + LEICA D VALIO-ELMARIT 14-50mm F2.8-F3.5 ASPH
rawデータ撮影後Silkypix2.0.14.13でホワイトバランスを適時選択して現像 撮影日2006/07/29

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