若林圭子ライブレポート
2000/12/24 川崎フィオーレの森にて

箱森ショージ(cuby-box)さんから2001/11/11と2000/1/15にへ2回に分けてご投稿いただきました。
ありがとうございました。


大変お待たせしました。
12月24日の若林圭子さんのコンサートレポートです。今回は、MCも交えてのレポートなので、2回に分けて書込みしますね。
観客数は、10月のジョイント程多くなかったですが、殆どが年輩の方々で、若手は僕くらい。
今回は種村久美子さんのピアノ伴奏で、若林さんがじっくりと歌って下さりました。
1部の最初に、レオ・フェレ作曲の"霧と雨"をうたい、ご挨拶。

「こんにちは。はじめまして。今日はようこそおいで下さいました。今日は12月24日、クリスマス・イヴ。私はクリスチャンではないのですが、クリスマス・イヴなんていうと、ちょっとロマンチックな気分になりますよね。そんな感じで今日は最後まで楽しんでいただけたらと思います。」

次にスペイン民謡で"3つの心"、voung作曲の"ジャニー・ギター"、前回ザニボニさんとのジョイントでもうたった"スリリングな輝き"をうたって、mcです。最近スポーツ観戦が大好きな(但しプロレスを除きます。あと、スポーツはやるのはまったくダメ。)若林さん。

「アート(芸術)の世界は白黒決着が着かない世界なので。でもスポーツとなると、陸上などは一秒でも何十分の一でも、バッチリと決まるでしょ?そのハッキリと決まるところが好きなんです。」

オリンピックの話もちょっと出して、フェレ作曲の「マルセイエーズ」をうたいました。
次にアレン作曲の"奇妙な果実"をうたったあと、若林さんの20年位前の出来事を話してくれました。

「20年前、あの頃はフェレの唄をうたおうと思っていた頃で、フェレの曲というと"ミラボー橋"など2〜3曲しか知られてなくて、シャンソンといえば、綺麗な声で唄われる心優しい曲だと思われているので、うたいはじめの頃は、本当にしんどい思いをしましたね。」
(略)
「やっぱり人って精神ですよね。しんどい思いをしてこそ、生きていられるんですね。」

若林さんの苦労話が終わって、

「私はこの詩のように20歳の青春時代は過ごしてませんが。」

と、言ってアズナブールの"ラ・ボエーム"を。最後の曲、フェレの"スペインの船"をうたって一部は終了しました。因みに、一部の時は暖房を入れてなかったため、若林さんも、種村さんも、スタッフの方も、我々観客たちも皆寒い思いをしてました。



第2部のレポートです。
2部ではレオ・フェレの曲を5曲、フェレ以外の曲を3曲うたいました。はじめに"あなたが妬んだ程真心で"、"オスタンドのように"、"ミラボー橋"をうたい、mcです。

「私はフラメンコがとても好きです。フラメンコと言うと、華やかな衣装やアクセサリーを付けている人を連想しますけど、見ていると、押えても押えきれないほとばしるような情念が好きなんです。」

そのあと、レオ・フェレについて話してくれました。

「レオ・フェレは1993年、77歳になる前に亡くなられ、日本ではあまり知られてませんが、戦後3大アーチスト(ジャック・フレール、ジョルジュ・ブラッサンス、レオ・フェレ)の一人で、向こうでは認められていました。私は長い間、フェレの作品を100曲近く詩を付けてうたっています。中でもスペイン風の激しい曲を多くうたっています。人とはちょっと違う精神が流れていて、レジスタンスに、ちょっと世の中から外れるところにあるという点で、シャンソンというのは価値があるのではないでしょうか?」

こう話して、"パリのフラメンコ"と、"死神フランコ"をうたい、またmcです。

「今日はクリスマス・イヴで、皆さんにとって楽しい想い出があるのでは?私にはこのようなロマンチックな想い出はないんです(苦笑)。」

と言って、今回のクリスマス・コンサートのためにシューベルトの"アヴェ・マリア"をうたいました。(余談ですが、今までいろんな人のバージョンを聴いてましたが、若林さんのうたが格別にステキでした。今でも歌声などが頭から離れられません。)

「シャンソンにもクリスマス・ソングはないかしら?と、探していたら♪クリスマスの飾りみたいな〜♪という詩があったのを思いつき、うたってみようと思いました。」

と、アダモの"明日は月の上で"をうたいながら、前3列目くらいまで歩み寄ってくれました。観ていた僕もドキッとするくらい嬉しかったです(近かったし)。そして2部の最後には同じくアダモの"雪が降る"をうたいました。最後のmcで若林さんはこんな発言をしました。

「私はすごく忘れっぽいので、来年はなるべく物忘れをしないように、片付けをよくして、しりとりで物をやっていかないよう、一つ一つ片付けてやっていこう。基本的なことをやっていこうと思います。」
「来年も良い年でありますように、最高の年でありますように。フェレの70年代に流行った曲を最後にうたいます。」

と、"最高だ"をうたい、コンサートは終了しました。
終了後も、観に来た方々に「ありがとう。」の一言も忘れずお見送り。あと、若林さんへの差し入れを持って来た方が結構いました。僕も、クリスマスにふさわしい、ポインセチアとシクラメンの花籠と手作りのクリスマス・カードをプレゼントしました。ついでにスタッフにお願いして2ショットの写真も撮ってもらいました(出来あがりの写真、未だフィルムが残っていて、見ることが出来ませんが。)。
今回は若林さんにしては珍しく(?)皆がよく耳にするシャンソン・ソングもうたってくれたので、すごく嬉しかったです。一人者の僕にとって、ステキなクリスマスを過ごすことが出来ました。来年も若林圭子さんの活躍に期待することを願っています。

(2000年.12月末作成)


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