SONYα7 II
特徴

フィルムの時代に夢といわれた、あらゆるレンズを使用できるユニバーサルマウントは、OLYMPUS / Panasonicのフォーサーズで、まず実現されました。しかし、フォーサーズは受光素子のサイズが面積比で1/4となっているため、35mmカメラのレンズでは焦点距離が倍になってしまうため、望遠では有利でしたが、広角では不利になります。なにしろ35mmのレンズが70mmになってしまうので…。

そんな中、SONYがE-Mountを発表、やはりユニバーサルマウントであり、しかも受光素子サイズについて融通を利かせてくれて、APS-Cだけではなく、フルサイズの受光素子も用意しました。率直なところ、SONYのカメラを利用しているユーザーでしたら、ミノルタ時代のレンズ資産があればともかく、そうでないとちょっと混乱してしまいますが、私のようにユニバーサルマウントのボディとして考える人間にとっては、ありがたい限りです。私の場合は、LEICA Rのレンズが好きなので、それ用にこのボディを選ぶという選択肢は、魅力的でした。ミノルタは、かつてLEICA Rを作るときに母体になったので、不思議な縁も感じます。

LEICAでは、R10を中止して、LEICA SLをユニバーサルマウントのボディとして提供しています。また、LEICA M10もフルサイズの受光素子を備えており、やはりRレンズ群を使用できます。LEICA SLもM10も、日本では90〜100万円ほどの価格なので、SONY α7シリーズは、ずっと安いので、その点が魅力です。

レンズマウント

SONY E-Mount。
マウントアダプターを使用することでほとんどのレンズを使用することができます。

価格

私が購入したのは、荻窪のカメラのさくらや(荻さくとして有名かも)で、購入価格は12万4千円でした。SONYがキャッシャバックセールを始めたので、2万円キャッシュバックとなり、10万4千円で新品を購入いたしました。スマートフォンは7万円ぐらいするので、凄くお安いですね。

記載記録
2017/09/10

実は、スマホを買おうかと思っていたら、こちらを購入してしまいました

はじめは、HUAWEI P10 Proを購入しようかなーと、ちょっと調べていました。
携帯でありながら、レンズにはLEICAの名前を使える仕様になっていますし、こうした製造に耐えられるレンズメーカーは日本ぐらいです。HUAWEI P10自身が、「ほぼ日本製のような携帯」と呼ぶぐらい、日本製の部品ばかりで作られています。なによりも、この携帯のカメラデザイン、かなりLEICAの思想が入っています。白黒とカラーの受光素子は独立していますし、マニュアル撮影のための機能がしっかりしています。かるばどすほふで説明していますが、白黒専用のCCDはカラーフィルターが不要ですから感度を3-4倍にできますので、かなり意味があります。また、LEICA自身も白黒専用の Leica M Monochromを製品化しています。白黒用のカメラって、かなり魅力的です。

けっこう、LEICAらしい思想が感じられる HUAWEI P10 Pro
LECIA M Monocrome

ただ、この機種。は購入価格で6-7万円くらい…別にスマホとして高額すぎるというわけではありませんが、そんなに安くもないような。

で、つらつらと考えているうちに、SONY α7シリーズを思い出したのでした。

私は、フォーサーズでも、LEICA Degial Module Rでも、M8, M8.2でも、フルサイズの受光素子をつかませんでしたし、M9はしっかりしたライブビューもありませんでした。率直なところ、時代はまだそこまで進歩できておらず、私も「まあ、しょうがないなあ」と思っていました。そんな理由から、私のお気に入りのLEICA Rレンズ群は、本来の性能をいまいち発揮していないというか、すべての可能性を得ることができないでいました。

で、ふっと思ったのでした…LEICA名のついた携帯ではなく、フルサイズの受光素子を持つLEICA Rレンズ用ボディを買った方がいいかも…と。

で、思い立ったら即行動…というか、SONYがキャッシュバックキャンべーを始めた翌日に購入してしまったのでした。新品のほうが中古よりも安いので、お買い得感がありました。

使いやすいボディ / SONY α7 II

SONY α7シリーズは、複数の異なる仕様でボディが提供されています。
ホディ内手ぶれ補正のないα7、ボディ内手ぶれ補正のあるα7 II、そしてそれぞれにダイナミックレンジの広いCCDを搭載しているモデルと、より高精細なCCDを搭載しているモデル…6機種から構成されており、その上位にα9が用意されています。

私は、お値段が手ごろで、CCDベースの手ぶれ補正のあるα7 IIを選びました。

で、ちょっと使って「これは使いやすいボディだな」と実感しました。

昔のDSLRは、ちょっと作りが古臭くて、フィルムカメラの機能がそのままだったりしていましが、今日のボディはよくできています。
私が10年ほど前にこのホームページでご紹介した、HDR撮影、フォーカススタッキング写真は、どのメーカーのボディでも撮影に対応している機能が用意されています。

私は、SONYには悪いのですが、オートフォーカスを使う気がないので、SONY αシリーズ用のレンズを購入するつもりがなく、LEICA RレンズやYashica-CONTAXレンズをマニュアルで使用します。
そんな私にとって、このボディは、Aモードで、かつISOオートで使用すると、ピントを合わせること、構図を決めること以外はすべてカメラ任せにできるので、とても使いやすいボディでした。

LEICA Mでハイパーフォーカルテクニック(撮影する範囲すべでで焦点が合うように調整して撮影するテクニック、LEICA Mでもっとも一般的な撮影テクニック)を使っているように、とても簡単に撮影できるのでした。

ノイズは昔に比べるとかなり減っているけど…

使っての、はじめの印象は、ノイズの少なさでした。
昔のDSLRは、結構ノイズが大きいので、撮影時のISOは大きくてもISO400程度で使用するのがやっとでしたが、比較的世代が新しいα7 IIは、ISO1600ぐらいでも気になりませんでした。
こんな背景から、ISO AUTOにして使用することにしました。

ただ、このローノイズ、見る限り「素子そのものの基本性能」というよりも、ノイズを低減する総合的な技術の結果…みたいな気がします。昔の受光素子は、「自然なノイズ」の発生が見られたのですが、それが感じられません…ちょっと結果が安定しすぎています。これは、統計的な処理が、受光素子レベルやその後処理で行われている可能性を示しています。 また、そうした処理の結果のせいもあるのかもしれませんが、とても気になる「絵の甘さ」が目立つボディです。

気になる点は「絵の甘さ」

はじめて撮影した際に「高精細だけど、甘い絵だなあ」という印象が強かったです。

撮影データ SONY α7II + LEICA VARIO ELMAR R 35-70mm F2.8
ホワイトバランスを適時選択して現像 2017/08/29撮影 / お台場
上記写真の左中央の人物を大幅に拡大
ノイズが少ないし、高精細だけど、「エッジ」が利いていない、ちょっと甘い感じ…女性の撮影では喜ばれるけど…

撮影した写真を拡大したものです。この絵そのものはCapture One Version10を使用して現像しているので、Capture Oneの強力なノイズリダクションも利いているかもしれませんが、ちょっと拡大した絵が「平板」です。この状態が、エッジの利いていない印象につながっています。

この原因は、いろいろと考えられますが、一番可能性が高いのは、ローバスフィルタが強めであるということではないでしょうか。
SONYも高解像度型のα7IIであれば、ローバスフィルタなしになっているのですが、私が購入した機種は、ローバスフィルタを持っています。
ローバスフィルタは、通常のCCD等で採用しているベイヤー配列では、1つのドットが1画素にはならないで、近接する4画素で1画素となります。このため、原理的に光をこの4画素にわたるようにすることが、色のずれ等を防ぐための手法となってきます。これを光学的に実現するのが、ローバスフィルタです。
ただ、ローバスフィルタは「絵を甘くする」わけですから、その強さは難しい点があります。

LEICAでは、一番初めに開発したLEICA Digital Module Rの時から、ローバスフィルタを使用していません。
これは、LEICAの絵の特徴である、エッジの利いた絵作りに、かなりマイナスになるからです。私は、LEICAをずっと使用していたので、エッジの利いた絵に慣れてますし、その方が好きです。エッジの利いた絵として、LEICA M9で撮影した浜崎あゆみのコンサートの写真を以下に示します。

撮影データ LEICA M9 + LEICA ELMARIT-M F2.8 28mm ASPH
ホワイトバランスを適時選択して現像 2010/11/11撮影 / 代々木第一体育館

もうひとつ考えられる原因は、ノイズ対策が行き過ぎている可能性です。
ノイズ対策は、半導体のノイズが原理的に一定率で発生するため、数学的/統計的な対策なしに進めることは困難です。実は、一定程度のドット毎の色や明るさのずれは、存在していることが自然です。もちろん、半導体としてのノイズの乗り方というものもありそれは除去されるべきですが、自然にばらつく状態は存在すべきものです。自然な状態には、「揺らぎ」があり、それが本来であるからです。ただ、カメラ等では、拡大してみることが容易なので、多くの場合に「自然なノイズ」という見方ができない人が多いので、過度なノイズ対策をしやすい「原因」がマーケットに存在しています。

こうした背景が、強力すぎるノイズ対策をさせるのではないでしようか…SONYのようなメーカーには、やむを得ない選択肢かも知れません。

撮影データ SONY α7II + LEICA VARIO ELMAR R 35-70mm F2.8
rawデータ撮影後CAPTURE ONE V10でホワイトバランスを適時選択して現像 2017/08/29撮影 / お台場
撮影データ SONY α7II + LEICA VARIO ELMAR R 35-70mm F2.8
ホワイトバランスを適時選択して現像 2017/08/31撮影 / 六本木XEX

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