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マナーは・・・世界のどこでも、そんなに難しくない

2004/05/05

01 はじめに

いろいろと、皆さんで食事する機会が増える方へ・・・

家にいるときは、食事は家族で出来ますよね・・・だから、どんな食べ方をしていても、みんな慣れちゃいますし、うるさいことを言いたくもないので気になっても知らん振り、ですから、自分の視点からすると食事の仕方は自由そのものです。
でも、外に行くと、ラーメン屋の隣のおじさんが、おいしく食べようとしたときにタバコの煙を無神経に漂わせてくれたりすると、香りがわからなくなって、おいしく食べられないですよね。
食事のマナーは、そうした、皆で楽しく食事をするために作られたルールという側面があります。
実は、これがほとんどで、形式的/儀式的なものは、よほど特殊な場でないと関係ありません。
例えば、フランス料理を食べているときに、メインディッシュで骨付きの鳩なんかが出たときは、手で食べたりするのが当たり前だったりします。つまり、みんなで、おいしく楽しく、食べるのが、マナーであり、食事の仕方です。
ただ、この「楽しい」というのは、私たちの日常で基本が違っていたりします。
特に、日本の食事の作法は、世界でも特殊な点があり、それが海外で出ると、とても具合悪くなる場合があります。例えば、スープを「スズッ」と大きな音を出して飲むとか・・・。
ただ、私たちは忘れているのですけど、日本でも、大きな音を食べる作法は、本当はマナー破りなのに、なんとなく、普通にそうしている人も多いんですね。テレビなんかで、味噌汁とか大きな音を立てて飲むシーンがありますけど、ちょっとお年を召した方はすごく嫌がる場合があります。私も、小さいときに祖母から食事の音がうるさいと注意を受けたことがありました。日本の場合は、音が出るのは仕方ない・・・というのが、いつの間にかテレビに出ている芸能人が「音を立てて食事するのが礼儀」と、育ち丸出しに発言しているうちに、誤解が広がったのかもしれません。でも、一歩社会に出て、人と会う機会が増えると、それに気付くことになります。
つまり、日本と海外は、マナーの基本は、あまり違わないんですよね。
この基本を知っていると、世界のどこに言って、どんな料理を食べても、そんなに困らなくなります。
ここでは、そうしたマナーの基本と、一般に言われているマナーのうそをご説明しましょう。
で、はじめに、ちょっとだけ、日本人の食事の作法の特徴をご説明します。

02 敵を知り、己を知れば、百戦危うからず・・・

日本の食事作法の特徴を知ろう

日本の食事は、世界でも特異な点があります。
それは、知っていていいのではないかと思います。
食器を持つ食べ方が認められている

お椀
源吉兆庵 松涛にて

食事の際に食器を持つことを認める文化がある
これは、世界的には珍しい文化です。たいていは食器を持つことは、マナー違反となります。
日本で食器を持つことが認められるのは、漆器のためであるといわれています。
木で作られた、軽くて、高い断熱性を実現している食器・・・それが漆器で、世界的に似たような食器を利用している例はありません。
漆器の特徴のために、日本では、食器を持って食べる方が合理的でした。
そのため、日本でのマナーは、漆器や茶碗などは、食器を持つことがマナーとなっています。
しかし、皿とかをもって食べることは、マナー違反ですよね・・・見ていたらわかりますけど、ひどくみっともないものですから、見苦しいのでマナー違反・・・これはどこでも同じです。
音を出す食事に、少し寛容
漆器は、日本の料理に対して、強い影響がありました。
一番大きな点は、提供される料理の温度です。
金属や焼き物では、熱くてもてない温度の料理を、提供し、手にして戴けることが出来るのが、漆器です。
そのため、60〜70度くらいの料理が提供されるのが一般的になり、そのままでは熱くて食べられない場合があります。そうした際に、口で空気を混ぜながら、最適な温度にして戴く事がマナーとして認められるようになりました。つまり、「ズッ」という音を認めたわけです。
同様に、そばなどの食文化も、音に寛容になりました。
これと似た話題は、ヨーロッパにもあり、ワイン、特に赤ワインをテイスティングするときに、空気を口の中で混ぜて飲む際に、ちょっと音が出ても、それはマナーとしては外れていはいません。特に、テーブルマスターである場合は、ワインをサーブする際のデキャンティングを決める必要があるため、そうして味の変化を確認することがあります。
ただ、勘違いされていますが、熱いお汁や、そばも、音を出して食べるのがマナーなのではありません。
時々、そば屋などでワザと、ズズッっと、大きな音を出して食べる人がいますが、テレビの馬鹿な芸能人の言葉を真に受けているのでしょうか。音を出さないために、ちろちろ食べていては味がわからないだろう、という話題を、形だけで勘違いするから、そうしたことをやるのではないでしょうか。
永谷園のTV-CFで、お茶漬けや味噌汁を、ズルズル、ジュルジュルと食べるものが長く続けられていますが、お年寄りで、ちょっと育ちのいい人は、気持ち悪いというといって、このTV-CFをとても嫌っていますね・・・。
音を出すことに寛容であることと、音を出すことが当然・・・というのは、本質的に違います。

日本の食事作法の弊害

食器を持つことができる、音をちょっと出しても嫌われない・・・という、日本の作法の特徴は、日本人のマナーに危険な習慣を作る原因にもなっています。
吸って食べる癖を作りやすい
日本人が一番やってしまう食事のミスは、どのような食べ物も、食べる際に、「吸って」たべる癖がつきやすいということです。
これは、本人は気付いていないようです。
で、この時に、大きな音を出すのですが、本人は習慣となっているため、気付かなくなっています。で、これがもの凄い「マナーのウィークポント」となっています。
みなさんも、注意してみてみてください。
お茶碗に口をつけて、ご飯を「吸って」食べていませんか・・・?
スパゲティを、「吸って」食べてはいませんか?
スプーンのスープや、ピラフを、スプーンを口にあまり入れないで、「吸って」食べてはいませんか。
知らない間に、ご飯でも、お汁でも、なんでもかんでも、口を近づけてから「吸う」ようにして食べるのです。
ご飯や、おかずは、箸で口の中に入れるのが日本のマナーでも基本なのですが、お椀やどんぶりで食べるのに慣れるうちに、食事を吸う癖が身につようです。
このように「吸って」食事をすることは、日本でも、あまりいいとは思われていません。そして、この習慣が身につくと、皿でも何でも手で持って、口を皿の端につけて、料理を「吸う」癖になります。なにしろ、食器を持つことは漆器では当然ですから、知らない間になんでも持っていいと思うのでしょう。それと料理を「吸う」癖が合体したのではないかと思います。
で、なにを食べても、ずるずるっと音を立てたり、シュっと音を立てたりします。
率直なところ、見ていら入れない習慣で、日本でも、海外でも、マナー違反です。
あまりにもみっともないからです。
言い換えると、このことに注意すると、食事のマナーを間違えないで済みます。

欧米人のいかれた食事作法もあります

逆の話ですが、欧米人がやる呆れたマナー違反に、食事をする際に、舌をペロリと出して、食事を絡め取るという食べ方があります。見ていると、器用といえば器用ですが、アリクイと食事しているみたいで、あまりにもみっともないですし、そのため、注意したことがあります。自分の会社の役員と会わすには、あまりにもみっともないからでした。
これは、欧米での食事の際に、食事を「吸う」音を極端に嫌うので、そうした音を気にしていて、しかし、口の中に料理をちゃんと運ぶ習慣が身につかなかった人が、知らない間に身に着けている、いかれた習慣で、欧米だってそれはマナーから外れています。日本人には、あまりいませんけどねー。

中華麺を食べることを断念したドイツ婦人

ドイツに行っているときですが、中華料理のお店で食事をしていて、「あー、やっぱり」という光景を見たことがあります。
ドイツのご婦人が、スープ入りの麺をオーダーしていたのでした。
スープ入りの麺は、スープと麺を一緒に戴くのが基本になりますが、麺が長いため「吸いながら」食べないと、うまく食べられない食事です。
で、見ていたら、そのご婦人は面喰っていました。いや、麺を食らっていたのではなく、どうしていいかわからなくなっていたのです。箸で麺をすくっても、長いばかりで、どうしていいのかわからないでいました。で、フォークをもらい、スパゲティのように巻いて食べようとしたりもしていました。でも、食べやすいものではないようでした。
スープをレンゲですくって飲んで、結局、食べるのを諦めていました。
その理由は簡単です。
ドイツのご婦人は、すすって食べることを拒否したのです。
音が出ることが当然なので、このご婦人は、恥ずかしくて食べられなかったのでした。
いかに欧米で食事に音を立てることが、恥ずかしいことか、お解かり戴けると思います。
でも、実は、日本でも同じです。
音が出るのがやむをえないものを食べるとしても、小さな音で食べるのが、日本でもマナーです。
理由は簡単です。
人の食事の音は、不愉快でうるさいからです。

03 マナー・・・それは、気配りと尊厳、そしてあなた自身

グローバル・マナー

造語ですけど、マナーの基本は、どの国でも違いは無いようです。
基本は、美しく、気高く、そして、みんなで楽しく食べる・・・ただ、それだけです。
姿勢正しく、人に迷惑をかけないで食べると、どこでもマナーはOKです。
そして、マナーの極めつけは、食べているあなたの人物そのものです。
具体的には、こんな感じです。
美しく、気高く・・・食事中の姿勢を不用意に崩さない
「前かがみで犬みたいに食べてはいけない」と言いますが、その基本は、姿勢を正して食事をするということです。見ればわかりますけど、前かがみで、置いてある食器に口を近づけるような食事の仕方は、とてもみっもないものです。ですから、世界のどこでも、嫌われる作法です。街頭で見かけることが多いのですけど・・・。
すべての食事作法は、その姿勢を保つためにあります。

楽しく食べるために…食事中の音をできるだけ立てない
たった一人で食べているなら、周りに他の人がいなければ、なんの問題の無いのですが、そうではないので、私たちは食べるときに不要な音を立てないように食べます。

楽しく食べるために…助け合いながら、尊敬をもって、楽しくおしゃべり
日本の割烹料理は、世界で一番孤独なスタイルをとります。
全員に、個別に取り分けた料理を出すからです。
そんな食事だからこそ、お話は弾みましょうね・・・(^^)
でも、日本料理も、お鍋とかは違いますよね。
また、中華料理や、欧米の料理は、大皿で提供される場合も少なくありません。お店で取り分けてくれる場合は、頼むと楽ですが、そうでない場合もあります。フランス料理などで鶏が一匹、まるまる出て来ると、取り分けることが必要です。北京ダックなどもそうですね…いずれにしても、お店との人に取り分けてもらうことになりますけど。
自分達で取り分けるときでお皿が大きすぎる場合は、慣れている人が取り分けます。
そうでもないときは、だれかがお給仕になるよりも、みんなでお皿を廻したりした料理を戴きましょう。
でも、お皿を廻すときに、立ってごちゃごちゃしてはいけません。基本的に、席を立つのは、どの国でも、お手洗いや気分が悪いとき以外はタブーです。ですから、料理や調味料を必要とするときは、近くの人に取ってもらいます。別な国で言葉が通じなくても、欲しいものを指差して、日本語で丁寧に「取っていただけませんか?」と話せば、だいたい通じると思います。どの国の言葉も、尊敬を持って話す言葉は、そのまま受け入れてもらえるものです。
また、お店のお給仕さんも、いろいろと助けてくれます。
基本は、楽しく、お互いに尊敬を持ってお食事します。

ローカル・マナー

欧米料理のナイフとフォーク
マナーというと、ナイフとかフォークの使い方のように言いますよね。たくさんのナイフとかフォークが並ぶとか・・・実は、本当の高級店では、ナイフとフォークも、食事に対応したものが毎回出されますから、そんなことは無いんです。つまり、ナイフとフォークが全部並んでいるお店はたいしたこと無いのですね・・・(^^)
ただ、食べる人の好みに応じて、何種類も用意している場合があります。困ったら、外側から使いましょうね。

欧米料理は、お皿を綺麗にして食べる
欧米の人と食事をすると、なんて綺麗に料理を食べるのかと、驚かされます。
見ていると、食事をしながら、お皿のソースなんかも綺麗にすくいながら食べちゃってます。で、最後にパンで綺麗にしたりします。
残念ですけど、こればかりは慣れが大切で、一朝一日にまねできません。
ですから、とてもおいしいと思ったら、最後にパンできれいにして食べる・・・位に思うのが大切ですね。
お皿を綺麗に食べること・・・それは、料理をした人に対する、最大の賛辞です。
中華料理は、大皿は、残しちゃうのが基本
中国本土で食事すると、食べきれないほど大皿に料理が盛られています。
日本人は、全部に食べちゃうのがいいことと思うのですが、あちらでは料理は半分くらい残すのが標準であったりします。昔は、料理人たちが、残った料理を食べていたそうで、そうした人たちへの気配りと感謝が、形となりマナーとなったのですね・・・。
なお、日本人がよく行くところは、料理の盛が少なくなっているみたいで、残す必要はありません・・・(^^;
欧米のチップの習慣も、そうした働く人たちへの気配りから生まれたものでした。昔は、ホテルのベッドメイクをする人たちは、無給で、チップだけで暮らしていたのです。

中華料理で、テーブル単位のオーダーの場合
中国本土で食事すると、テーブル単位で食事をオーダーする場合があります。
料理は、メニューとかは自動的にお任せになります。
たいていは、チャイナドレスの綺麗なお姉さんがついてくれます。
そんな場合は、料理のとりわけも、はじめはしてくれます。
驚くのは、飲み物の取り扱いで、種類を言うだけで、後のオーダーをする必要がない場合があります。客が飲む限り、ポポポポン、と栓を開けて、どんどんサービスしてくれます。一口の飲むだけで注がれちゃいますので、中国の偉い人のまねをして、楽しみましょう。

04 実は、簡単なんでした

終わりに
えらく簡単ですよね・・・これまでの説明は・・・
でも、だいたい、これでOKです。
同じ国でも食事の作法はいろいろとあります。
ちょっと見慣れない作法でも、これまで説明したルールを念頭において、見よう見まねでしていると、だいたい大丈夫だと思います。

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