旅の記録 (1998年8月25日)

成田 → ヒースロー ヒースロー空港 ヒースロー → ダブリン

成田 → ヒースロー

今回の旅もお仕事です。

日本を発つのを決めたのは8/23ですので、今回も急な旅になってしまいました。チケットは会社がらみであるために、今回もiaceトラベルの手配で、信じられないのですが205000円もしました。なんか前回に比べるとずいぶん高価です。業者によると、夏だからこんなものであるとの説明でした(そんなにイギリスへ行くのに人気があるのかなあと思いましたけど)。

今回も急であるために成田空港受け取りです。チケット受け取りは9:20を指定されました。このiaceトラベルというのはふざけていて、チケットだけではなく搭乗券を発券しているんですね。これは、荷物のチェックイン前にやられると、すごく困ります。前回は預けるバゲッジ(荷物)が無かったので平気でしたが、今回はドイツも回るためにちょっと期間が長いのでバゲッジがあります。

搭乗券がある状態でチェックインするカウンターは「団体受付」らしいのですが、券を渡してくれた女性の説明が間違っていて存在しないカウンターを指定されましたので、困って全日空の職員に聞きました。あちらも私の様子から困っているのに気づいてくれていました。

「どうされましたか?」
「搭乗券をいきなり渡されまして、どこでバゲッジのチェックインをむしていいのかわからないんです」
「ああ、いいかげんな対応をしていますねえ。どこのカウンターでしょうか?」

と私と一緒に券を渡してくれたカウンターに行き、しっかりと苦情を言ってくれていました。私は、それはそれで有難かったのですが、考えてみると日本での全日空なんかのチケットの売り方がめちゃくちゃだったからこうしてトラブルわけで、本当にいいかげんなのはこの文句を言ってくれている職員の勤めている会社だよなあと思い、複雑な感じがしました。本当にいい職員の人でしたけど・・・。
便はNH0201(全日空)です。ロンドンのヒースロー空港で乗り換えてダブリンに向かいます。
乗ってみると驚いてしまいました。

搭乗率は30%くらい、がらがらです。なんでチケットがあんなに高いのでしょうか?。これは、団体旅行用に押さえたチケットなんかの赤字を回収するため高く売ってやれとといことでしょうか?。乗ってみると、団体旅行などで乗っていると思われる人は少なく、どちらかというと旅ずれした(そういう人は、空いている席があると思うと貪欲に移動していくので一目でわかります)ばかりです。私はそこまでは旅ずれしていないのですけど、ま、親戚みたいなものですね。

私が思うに、他の航空会社の便は結構満員なのではないでしょうか?

ここから書くことは、ANAに限らない日本の航空会社一般の話題になります。
日本ではあまり知られていませんが、日本と行き来する世界で一番安いチケットを売りまくっているのは、本当は日本の航空会社です。これは、日本以外で買えばということです。日本発は高いのですね。アメリカやヨーロッパで日本行きの安いチケットを買おうと思うと、ほとんどの場合にANAやJALのチケットが出てきます。ま、よくその事情は知りませんけど、憶測するに日本で得た高い収益を足がかりに安売りをしようとしているわけで、そうだとすると不愉快極まりないことですね。

実は、私は日本の航空会社が大嫌いです。サービスは悪いし(ビジネスクラスはいいそうですが、私には縁がありませんので)、異常な価格政策をしているし、良い点がわかりません。ANAなどは就航当初は最高のスタッフで運用していたらしいですが、今ではどの航空会社もスタッフをいろいろと使いまわしをしており、いろいろと悪いうわさがあります。たとえば、アジアばかり飛んでいる某日本の航空会社のパイロットがヨーロッパ線に来てしまい、管制塔とのやり取りがよくわからない(英語の発音がぜんぜん違いますので)など恐ろしい話題があります。これは私が直接聞いた話ではなく、知り合いがパイロットのぼやきを聴いた話を聞いただけですので真実のほどはわかりませんけど。ただ、パイロットの組合が合理化に反対する本当の理由は、やはり安全の問題で、つきつめると彼らの能力の関係で、合理的な運用に耐えられないからではないでしょうか?

日本のスチュワーデスもかなり質が悪く(ただの笑顔だけは世界有数の水準ですけど)、フランクフルト空港で一般客に混じってtax refoundのところで「率が悪い」とか「1マルク何円か言ってくれないとわからない」とか(ドイツでは100円がマルクかの表示ですので)悪態をつきながら大騒ぎしている日本のスチュワーデスの群れ(制服で航空会社もわかるわけですけど)を見てあきれてしまった事があります。お里が知れるというやつですね。

考えてみると、そうした話題が多いので余計日本の航空会社に評価が厳しいのかもしれません。
さて旅の日記に戻ります。

最近の日本の飛行機らしく、プロジェクターの絵がめちゃくちゃです。ブラウン管の映像との差で感じていただければと思います。写真に撮ったらきれい過ぎるくらい(自動的にホワイトバランスをするからでしょう)で、黄色がかったとんでもない色でした。映像管を交換していないからですね。
アメリカの日本乗り入れ便もこうした設備の質がすごく悪いのですが、アメリカの飛行機はヨーロッパ便とか国際線はすばらしい品質です。それに大して日本の航空会社は国際線が最高品質であることを考えると、悲しい限りですね。

機内のサービスは、この飛行機に限ると悪くはありませんでした。といっても人はという意味です。ちょうど訓練生を乗せていたので、教育の関係で優秀なスチュワーデスがいっしょに乗っていたのでしょう。ANAとしてのサービスはいつものごとく悪いものでした。
日本の航空会社の特徴は、搭載している食事や備品がプアーなことです。彼らに言わすと合理化なのでしょうが、客商売がケチる部分は、客に提供する備品ではないとのになあ。そうしたものをケチることから、客が離れるのに。
食事のメニューは当然無く、スチュワーデスが配るまで何が出るのかわかりません。はじめの食事の際はこうでした。

「お食事は何になさいますか?海の幸と麻婆ナスをご用意しています」
「あの、海の幸って具体的になんですか?」
「お魚です」

こうした場合は、ふつうは魚の種類と料理方法を説明するものですよね。こうしたところにもお里が知れるというものがあります。給食のつもりなのでしょう。見ていたらみんな麻婆豆腐を頼んでいました。そりゃそうだと私も思いました。何が出てくるのかわからないと、頼めませんもの。
しかし、国際線で肉料理と魚料理を用意していない便て、アメリカの一部の便以外は日本の航空会社だけです。日本人はともかく外国の人は二度と利用したくないだろうと思います(実はこうした声を海外で結構聞きました)。日本の航空会社がこうした料理を用意する背景は国内からの声があるのでしょうが、全世界を相手にする便がこれでは、日本からだけ収益をあげようという発想になっているといわれてもしかたないでしょう。心の中で「そりゃそうだろ。まさか海草とか貝とは思わないよ」と思いました。

私は麻婆ナスを頼みました。写真はちょっとピンぼけです。
メインデッシュはたっぷりのお米がついています。アペタイザーは、ハムのスライス2枚とスモークサーモンのスライス1枚です。デザートは缶詰のフルーツカクテル。日本らしさはあるのでしょうが、質の低さは万人が認めると思います。日本人だって家ではもっといいものを食べませんか?比較するとヨーロッパ線では最低の食事です。口の肥えている欧州の人が日本の飛行機を使いたくないと口をそろえている理由がここにあります。
お腹がすいていたので全部食べましたけど、次回からはお弁当持込にしようかなあ。
お酒はコニャックをシングルで4杯頼みました。ANAはボトルからコップに注ぎます。ベテランの人が注いでいましたが、量がわからないらしく、はじめはダブル分くらいしか注ぎませんでした。なにをスチュワーデスに教育しているのか・・・。
これだけ飲んだので寝てしまい、目が覚めたらお腹がすいてしまいました。

「なにか他にはありませんか?」
「一時間ほどお待ちいただけませんか?」
「お腹すいちゃって」
「おにぎりでもよろしいですか」
「よろしくお願いします」

お腹がすいたと話したら1時間待てといわれたのは初めてです。日本のスチュワーデスは、ちょっとした応対だけで外国の人を怒らせている場合がよくありますけど、こうした一言のせいですよね。客はブロイラーではないので、えさの時間をおとなしく待てという発想は困ります。この理屈は行きついてしまうと12時間待ったら降りるわけだから黙っていろというのと同じ事を客に話しているのですけど、わたらないんだろうなあ。
着陸が近づくと朝食です。

朝食は、なんだかわかりませんが、衣50%のメンチカツカレーらしいです(^^;。写真を見てギョッとしませんか(^^?
味は、カレーは業務用レトルトか缶詰らしく食べられる味でしたが、衣たっぷりのメンチは残してしまいました。
パンはまずい日本式パンです。一口食べて残してしまいました。
おにぎりを食べてはいますけど、お腹がすいたなあ。

食べるものとか飲むものとか設備とかは不満でしたけど、がらがらに空いているから、楽でした。
ひょっとすると、最高のサービスはがらがらに空いているということかもしれませんね。旅ずれした日本の女の人なんか、おしゃれな格好をしたまま席を3つ使って寝ていました。私は中国人のおばさん以外でもこうして寝れるのだなと感心してしまいました。
今度ANAに乗るときは、お弁当を2食分と、マイグラスをもって乗ろう(^^)v

ヒースロー空港

ヒースローに全日空が着くのはターミナル3です。で、アイルランド行きはターミナル1です。ターミナル1は国内線と同じターミナルです。あるアイルランドの人の意見によると、イギリス人は頑固なのでアイルランドはまだイギリス国内であると暗に示したくてこうしていると主張していました。気持ちはわかります。だってアイルランドに行くために、なぜかイギリスの入国カードを書いて、イギリスの入国審査を受けるんですもの。ec諸国であっても入国審査は別なのに・・・。これに類した入国審査の国は、アメリカ経由でメキシコに行くときと、一部のミクロネシアの国だけだと思います。

この空港は、コネクションセンターがありすべての乗換えが1箇所でできるので、理屈の上では便利です。でも、すごく歩くんですよね。コネクションセンターからターミナル1までを写真でだどってみます。

最後の写真は、通路ではありません。これが第一ターミナルです。なんか、通路が膨らんでいるだけ見たいですね(^^;

ヒースロー → ダブリン

ヒースローからダブリンは、Aer Lingusというアイルランドの航空会社です。

飛行中には飲み物だけ出ました。私はなにももらわずにいました。ダブリンでギネスを飲もうと思ったからです。そう、アイルランドは、黒ビールで世界的に有名なギネスのふるさとです。なぜか、イギリスのビールと誤解されていますけど・・・。

ダブリン空港からホテルに向かっているときに、タクシーの運転手と話しました。

「ワーキングホリデー(だいたい25歳くらいまでの人が働きながら外国で勉強する制度のこと)?」
「あの、何歳に見える?40歳なんだけど」
「・・・(絶句)信じられない」
「日本人はただでも若く見えるけど、僕は特別ね(^^)」

後日にホテルの飲み屋でもそうだずねられました。うれしいなあ(^^)

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