■B&O BeoSound2 XSD■
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■B&Oだから作り出せた、バランスの良い製品
カタログ・スペックだけを見ると、買うことはありそうもない製品です。
しかし、現物を手にして、音を聴くと、だれもが欲しくなる製品・・・それが、このBeoSound2です。
もちろん、BeoSound1という製品もありました・・・ラジカセです・・・(^^)
B&Oは現在のライフスタイルに合わせた製品を「solution」として提供しています。
この製品は、PCと組み合わせて利用するようにデザインされた製品で、現代的なオーディオ・ライフに合わせて作られています。
PC上には、B&Oの音楽を管理するためのソフトBeoPlayerを導入し、USB接続で音楽をダウンロードして使用します。
この際に使用されるフォーマットは、WMAです。WMAは高圧縮率の際に、音質が良いことで知られています。本体は、MP3も再生が可能ですが、BeoPlayerを使用すると、WMAだけが使用されます。
B&Oは、技術的に最高のものを作り出す企業文化をもっていませんが、バランスの取れた製品を作り出す点では、世界でも最先端です。また、その外観のデザインは、定評があり、ニューヨーク近代美術館の永久集納品として選ばれるほどです。
この素晴らしいバランス感覚が、モバイル・オーディオのように限られた技術の範囲で作られる製品に対して遺憾なく発揮されたのが、このBeoSound2です。価格的には高いですが、そのバランスの取れたクオリティは、2002年に発売されてから今日まで、モバイル・オーディオのひとつの形として、地位を維持しています。
■BeoPlayerは、面白い作り
PC上で動作するBeoPlayerは、PC上の音楽を管理する N-Musicと、CD-DBから構成されています。動作は常駐型で、ちょっと慣れないと使えないですし機能もちょっと足りない気もします。しかし、デザイン・センスには感心します。慣れれば、それなりに使えます。
■SDカードを使用するメモリカード方式
モバイル・オーディオ機器は、昔は小型のメカニズムの製造技術が重要でした。ですから、MDやカセット、CDの場合には、開発するメーカーが限られていました。しかし、デジタルになってから、メモリカードやHDDの技術が進歩して、そうしたメカニズム開発技術は不要となりました。これがB&Oが参加できた本当の理由だと思います。 BeoSound2は、記憶媒体としてSDカードを使用しています。 ■妥協のない付属ヘッドホン 日本のメーカーの製品は、付属ヘッドホンがとんでもないものが多く、いつも買うとヘッドホンは捨ててしまうのですが(だいたい、そんなガラクタを付属させるなら、はじめから別売にして、安く売れよと思います)、BeoSound2は、定評ある B&O A8 Earphoneが付いています。現実には、B&O A8 Earphoneが先に開発され、その後にBeoSound2が開発されました。
使用するSDカードは、10Mbps以上の速度で動作するものを利用するのがコツで、低速のSDカードはあまりお勧めできません。ですから、Panasonicや東芝のSDカードの場合は、高速型を選びましょう。
2004/7からは、SDカード別売になり、より現実的な販売形態になりました。
A8 Earphoneは、その音質と装着に対する考え方の進歩性から、その後に登場した様々なモバイル用ヘッドホンに多大な影響を与えたといえるでしょう。しかし、それらのほとんどは、猿真似に過ぎなかったという、後日談も付いてしまいます。
BeoSound2のオーディオ回路は、日本製モバイル機器よりも遥かに強力ですので、様々なヘッドホンを利用できます。音質的には、B&O A8 Earphoneや、B&O Form 2 Headphoneのようにバランス良く作られているヘッドホンと組み合わせる限り、96Kbps以上の音質差は少ないので、96Kbpsが利用するのに良いでしょう。
また、もっと性能の良いヘッドホン場合は、フォーマットの差が明確に出てきますので、192Kbpsで利用するのがいいのではないでしょうか。その場合は、256MでCD二枚強収納できます。512Mであれば、CD5枚くらい・・・バッテリー時間と比べると、十分な収録能力です。
ただ、いずれにしても、高域のちょっとうるさいというカラーはWMAである限り避けられないのでしょうね。このトーン・カラーは、B&Oのヘッドホンであれば気になりません。
また、ヘッドホンを抜くと自動的に電源OFFとか、実用的に作られている点に好感が持てます。
■こんな風に使ってます
メモリには、PQIの1Gbyte SDメモリを使用しています。
こころなしですが、Panasonicの256Mbyteよりも歪感が少ない印象があります。この原因が、読み出しスピードにあるのか、SDメモリ自身が出すノイズに原因があるのかはわかりません。
ちなみに、PQI 1Gbyteは秋葉原のアキバオーで、税込み3万円ちょっとでした。Panasonicよりも1万円以上安いので選びました。
使用しているフォーマットは、WMA192Kbpsです。1Gbyteで、だいたい十数枚のアルバムを収録できます。これだけあると、とても楽しめますね。
音質的には、今利用している機械の中で、No.1です。
一番愛用しています。
■難点を言えば・・・
●バッテリー寿命が短い
オーディオ回路が強力なためなのか、使用しているテクノロジーがとろいのか、電源の持ちはよくありません。私の使用の仕方だと、だいたい、8時間くらいです。それにUSBクレドールにセットすると、いつもバッテリー充電をしているみたい・・・バッテリー寿命が来たら交換をメーカーに頼むんでしょうかねー
ただ、Apple iPodとか、Hi-MDと比べると十分な稼働時間でもあります。
●サウンド・インジケーターがトロい
機能を指定したときに、確認音が出るのですが、専用のトーン発生回路を持っていないみたいで、音を一瞬だけ切るような方法で伝えてきます。日本人の感覚では、「トロ」いですねー
●SN比がちょっと低い
B&Oのヘッドホンでは感じませんが、SHURE E5Cを使用するとちょっとsn比がちょっと低いかなー感じます。
●キーロックがしにくい
ポケットに本体を入れる場合は、キーロックをしたくなりますが、その際に再生グループの移動キーを同時に押します。これが、難しくて、曲が飛んでからロックされたりして、腹が立ちます。
右の写真は、ヨーロッパで発売されているBeoSound2の専用キャリングポーチを装着しているところですが、これでわかるようにキーロックしないで使うのが標準みたいですねー
●リモコンとディスプレイがない
私には別に難点とは思えないのですけど、そう仰る方が多いので、一応書いてみました。収録できる曲数の上限が低いので、なくても困らないと思います。この製品は、出かける前に聴きたい音楽を収納して使うというスタイルの製品であり、曲を蓄えるデバイスではありません。
●最新の仕様になっていない
これは個人的な趣味ですが、私は最新仕様になっていないのは、嫌いです・・・(^^;
WMA 9.0に対応してもらいたいもんです。それで、ロスレス圧縮にも対応して欲しいよー