■Apple iPod 40Gモデル M6425J/A■
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■第三世代iPod
iPodは初めて発売されたときに、Appleも面白いことをやるなーと思っただけでしたが、iTuneミュージックストアを実現してから、俄然戦略製品になってきました。Appleも、当初はMacの周辺機器と考えていたものが、大化けしたと思っているのではないでしょうか。
今では、欧米ではモバイルといえば、iPod、SONYのウォークマンというのは、昔のものです。
現在のiPodは、著作権管理機能をもった非可逆圧縮方式AACと、ロスレス圧縮であるApple LossLess encodeが利用できます。また、WMAからAACへの変換、MP3各種もサポートしています。
この機種は、40Gbyteのハードディスクを内蔵しているので、私はもっぱらApple LossLess encodeで利用しています。
音作りは、中域に重心が置かれ、そこに爽快な低音が入ります。高域はエネルギー感が足りないですね。典型的な、アメリカ的なオーディオの音作りです。どちらかというと、いやな音を立てないという音質設計方針みたいですね。そうした点では、オーディオ製品というよりも、家電製品の方針の印象があります。しかし、音のプロが作り出した音ではあると思います。万人向けの製品ですから、それも悪くないようにも思います。ただ、これを愛用するミュージシャンというのは、なんなんだろうという気持ちはありますけど・・・もうちょっと音にこだわったらと思うので、そうした点ではAppleのサイトの宣伝に登場する人たちに、不思議なものを感じます。
私の場合は、音が駄目でも、デジカメ用の写真用ストレージに使えるので、製品に対して、どうでも使いようがあるという割りきりがありました。そんな気持ちでいたので、ある水準にある製品の品質に、かえって驚きました。
それで、しばらく使用してみようと思いました。
■音楽を盗用しないでください
品物が届いてから、とってもお洒落な箱を開けて、本体を見たときにビックリしたのは、本体の周りを保護していたシールです。
そこには、4ヶ国語で、「音楽を盗まないで」と書かれています。
MP3の文化の時代から、ネットワーク内で音楽が勝手に流通されてしまい、めちゃくちゃになってしまったのが欧米でした。
そんな中で、MP3が本当にメジャーになったのは、Apple iPodの登場によってでした。そんなiPodは、AACが標準的な方式であり、ついにロスレス圧縮もサポートしました。WMAにもロスレス圧縮があります。
ロスレス圧縮を使用すると、エラーレイト0で音楽を届けることが出来ます。つまり、CCCDのように、傷物のCD並みにエラーが発生するものよりも、データとしての品質がよくなります。
将来において、ITUneストアでそうした音楽データの配信が広く行われるようになると、CDは意味がなくなりますね。
そうした可能性を持ったデバイスに、「音楽を盗用しないでください」と書かれているのは、大切なことです。
■気の利いたサービス
私の購入したiPodは中国製ですが、Appleのオンラインショップで購入したら、レーザ刻印をしてくれるサービスが無料で行われていました。で、喜んで刻印してもらいました。気が利いていますね。 ■比較的品質のいいイヤーホン 付属イヤーホンですが、本体と同じ方向で音質設計されていました。
なかなか、気の利いたことをしてくれています。
付属でよい品質といえば、
付属ヘッドホンと、本体が同様な音質傾向であるということから、よく検討された音の設計であることがわかります。歪率が高くなる、圧縮率の高い音の時に、この音の傾向はとても役立つと思います。
ただ、私のようにApple LossLess Encodeで使用すると、ちょっと物足りない音でもあります。オーディオ回路が、AACの持つ歪感を前提に作られているからかもしれません。
■こんな風に使ってます
私は、AACは使用していません。すべて、Apple LossLess Encodeです。
浜崎あゆみ、浜田麻理、Loreena McKennittのすべてのアルバムと、あといくつかのアルバムを入れています。
40Gbyteでやっとですねー・・・LossLessですと、1000曲強しか収納できません・・・やっぱり、容量小さいかも・・・私には・・・(^^;
音については、慣れれば、我慢できます。
海外に行くときは、デジカメ用バックアップデバイスとして使用する予定です。
SONYのHDDデバイスを使用する気にならなかったのは、そうした「潰し」が利かないからです。
この製品は、Appleらしく、ちょっといやらしいところがありますけど、コンピュータ関係の会社が開発しているだけあり、流用が出来るところがうれしいですね。
■難点を言えば・・・
●バッテリー寿命が短い
ハードディスクのためでしょうが、なんとも寿命の短い再生時間です。
特に、Apple LossLess Encoderで使用すると、正確には計っていないのですが、4〜5時間くらいしか利用できません。B&O BeoSound2よりも短いとなると、なんだろうーと思います。
●音飛び
Appleのことなんで、音飛び対策はソフトだけでやっているのでしょうが(この会社の製品の伝統的な製品開発の姿勢です)、Apple LossLess Encoderを使用していると、音飛びが多発します。1時間に1回はあります。突然、ぽんと起きます。振動と深い関係があるとは思えないところで発生しているようです。これは、ちゃんとハードを含めて対策してくれないと解決しないでしょうねー。まあ、欧米人は気にしない水準ですが、日本人には不愉快な水準です。なお、ズボンの前ポケットなどに入れると、歩くと振動のため再生不能にもなります・・・作りが甘いですね。歩くときは、腰のベルト位置など、振動の少ない場所に取り付ける必要があります・・・(^^;
●楽間時間の長さ
楽間の時間がB&O BeoSound2よりも長く、ノンストップ・リミックスなんかをかけているとズッコケます。そんな場合は、曲を1つにまとめる機能を利用するのですが、あーた、その解決策は間違っているでしょ・・・(^^;・・・技術者なら、先行データ取得/伸張を実現して、真っ向から解決しなさいよ。
●アンプがもうちょっとパワー欲しいですね
内蔵されているアンプは、もうちょっと強力でもいいのではないかと思いました。
もっとも、日本の製品よりも強力ですけど・・・。
日本の製品は、再生時間競争と、電車内での騒音対策・・・(^^;・・・とかで、非力すぎる設計ですので、比較しちゃいけない気もしますが・・・(^^;
●音が「眠たい」
「眠たい」というのは、ちょっと特殊な用語ですが、エッジの立たない、スピード感のない音に言われる言葉です。
こうした音のデザインはアメリカ製品に多いもので、ハイエンドでもそうした製品がある場合があります。
ただ、このタイプの音は、音楽を選びます・・・ロックとかR&Bならいいですけど・・・クラッシクでもまあ使えますけど・・・POPSとかテクノは苦しいですね。突き詰めると、どの音楽でも、「眠たい」というのは、問題です。まあ、アメリカ製ですしねー・・・。アメリカでは好まれる音なんですよね。
●iTunesの操作が古臭い
MACと同じにデザインしているためでしょうが、操作デザインが古臭くて・・・(^^;
しかも、自動アップデートしたら、英語版になってしまいました・・・なんなんだ・・・(^^;・・・別に困らないけど・・・
それに、外すタイミングについて、いちいちメニューから指定するのはねー・・・B&Oなんて、適当にしていても問題ないようになっているんですけど・・・(^^;