KRC-2

リモートコントロール フルバランス コントロールアンプ
(1995年くらいの製品)


下の写真で、向かって左側の2列のスイッチが、入力セレクターです。
それに続く1列のスイッチは上から、tape MONITOR, GAIN切り替え(9dbのゲインをNFを減少させることであげることができます。KRELLとしては OFFを推奨しています)、位相反転です。
中央の黒い帯の上側に空いている横長の窓がリモコンの受光部です。
向かって右側の端が、ボリュームコントロールです。
それに続く上側の2つのスイッチが左右のレベルコントロール(0.5dbステップ)、下側にある横長のスイッチがMUTEです。


KRC2のフロントパネル


KRC-2のボリューム

KRC-2のボリュームは、デジタル制御の128ステップアッテネーターボリュームになっています。ボリュームそのものは、自由に回転するようになっており、光学式センサーにより回転変異をアッテネーターの制御に使用します。
音質的には、10時から14時が最良と説明されていますが、ちょっと聴いたくらいでは音質の変化は判りません。
ボリュームの周辺のledは約5ステップ毎に点灯し、ボリュームのレベルを示します。このledは、写真のように連続して点灯するモードと、位置を示すledの1灯だけが点灯するモードの2種類が用意されています。このモードの切り替えは、フロントパネルのmuteスイッチを3秒以上押すことにより、フリップフロップで切り替えられます。



リモートコントロールユニット

リモートコントロールユニットは、アルミニウムを削り出して作成したもので、ずっしりとした感じがあります。しかし手に良くなじみますので使いやすいものです。
ボタンは少なくシンプルですが、KRC-2の全機能の他に、KRELLのパワーアンプの電源on/offとCDトランスポート/プレーヤのplay/stop/skipが制御できます。ですから、このリモコンひとつあれば、システムすべてを利用できると考えても差し支えありません。



KRC-2のリアパネル

出力端子は向かって右側のバランス1組と、アンバランス1組です。
入力は向かって左側のバランス2組と、アンバランス4組です。
右から2番目から3番目のアンバランスは、TAPE OUT, TAPE INです。
リアパネルにはヒューズ端子も用意されています。KRC-2のヒューズは、4a遅延型ヒューズが採用されています。このヒューズは、日本で作られているものと異なり、セラミック管に封入された高品位なものです。ヒューズは音質に対して強い影響があります。ですから、交換部品として輸入されているパーツを使用しないといけません。
他に、KPE(外部フォノイコライザー)用DC電源端子*1、マルチルームシステム用リモートコネクター*2、外部オーディオ/ビデオスイッチング用マルチピンコネクターが実装されています。



KRC-2の内部

KRELLの特徴である、信号について配線材がまったく存在しないことが分かります。この基盤はガラスエポキシ4層基盤で、銅箔が厚くなっているものを使用しています。当時にオーディオ用に使われることは皆無であり、画期的なものでした。KRELLの後にマドリガル(マークレビンソン)が同様に4層基盤を採用しました。
また、この写真を見ると電源を含めて1枚基盤であることが判ります。これはKRELLというよりも、海外の高級機に共通の特徴です。こうした方法で作成すると、接点無く、最短で配線が可能になりますので、音質を重視する製品には必須なことですが、反面、歩留まりが悪くなるために製作コストが高騰します。ですから、こうした制作方法は、国内メーカーではほとんど採用ていません。こうしたところには、如実にメーカーの姿勢が出てしまいます。最高級クラスのオーディオ製品は、トランスポートなど極めて限られた分野以外では、日本の製品は惨澹たる状態であるといっても過言ではありません。


KRC-2諸元

周波数特性 20-20K +-0.02dB
周波数特性 0.2-400K +0.0,-3dB
歪率 20-20K 0.002%未満
ノイズレベル -95dB未満
重量 9Kg


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