OLYMPUS E-1
特徴

SLRから撤退していたオリンパスがデジタル専用としてDSLRとして再参入した、第一弾のボディです。
防滴防塵仕様、内部バッファサイズ120Mbyteなので、rawデータ撮影でも連続12枚までOK。CanonやNikonの上位機種に対抗できるように考えられた、本格的な仕様となっています。
静止画専用としてKodakとともに開発した開発したフルフレーム型510万画素CCDセンサを使用しており、さらに原色フィルター部に用意された超音波フィルターにより、カメラ起動時にダストを自動除去し、受光部そのものも防塵仕様となっています。内部の塵受固定部は十分な容量があるので、通常使用なら、カメラ寿命期間ぐらいであればメンテナンスフリーです。サハラ砂漠に1ヶ月行ったときは、メンテナンスに出しましょう。(こうした構造であることを知らないプロの人で、内部のゴミを取らないと結局また付着するとか、わけのわかんないことを書いている人がいました)
日本のメーカーは、だいたい似た傾向の絵作りであるのですが、OLYMPUS E-1の絵作りは一線を画しているといわれています。それが、私が気に入った理由みたいです・・・店頭で店員さんが撮影したデモ写真を見て気に入り購入しました。
バッテリーの持ちがよく、標準のバッテリーで400枚、増設バッテリーで1000枚くらいの撮影が可能です。
ノイズが気にならないISO感度は800まで、それ以上はノイズリダクションを併用した方がいいでしょう。raw撮影であれば、ノイズリダクションは撮影時の必要は無く、カメラ本体の機能を包含したraw現像ソフトOLYMPUS STUDIOで実施することができます。OLYMPUS STUDIOはStandard版が付属しているので、raw撮影だけの撮影で何の支障もありませんが、Jpeg/raw併用撮影も、もちろん出来ます。

レンズマウント

レンズマウントはフォーサーズ仕様です。CCDサイズが4/3インチであることからそう呼ばれており、デジタルカメラ用によく考えられたマウントシステムです。

価格

本体で10〜14万くらいです。
アメリカでは600USDくらいです

気に入った経緯

詳しい技術的なお話なら、かるばどすほふなんか見なくても、メーカーや詳しいサイトがいくらもありますので、そちらをご覧ください。そうした話題で気に入って買った製品ではないからです。

私は、仕事の関係で、E-1の開発段階に話を聴いたことがありました。デジタル専用レンズの必要性とか、いろいろと伺ったのですが、それでも「一旦撤退して、レンズ群もなくなっていて、再参入しても、ユーザーも選び難いし、困るんじゃないですか」という話をさせてもらったことがあります。それはそれで、外れた話題であると、今でも思っていません。他のメーカーのデジカメ開発をしている友人からも、「OLYMPUSを購入する人というのは、めちゃくちゃ珍しいよ」とからかわれているほどです。
実は、購入するときは、Nikon D70にしようと思っていました。Canonもいいとは思っていましたが、なんとなくNikonレンズの絵の方が好きな気がしていたからです。とはいえ、なんとなく、はまらなかったんです・・・撮影されているいろいろな写真の絵が・・・。
だいたい、カメラのプロの人が撮影している絵は、素直なところ、絵画的過ぎて、ちっともカメラのカラーがわかりませんでした。

実は、私はプロの人の写真が、あんまり好きじゃないんです
主張が明確なのですが、なんか違う気がして・・・
といっても、私の撮る写真はヘボですけど・・・

何回か、DSLR(つまりデジカメ1眼レフ)を買おうと思い店頭に行ったのですが、毎回買う気になれませんでした。店頭の写真なんかを見て、サンプルなども見て、なんか違うなと思っていたのでした。雑誌もいろいろと買って読んでみましたが、やはり、買う気になれないのでした。心のどこかで、なんか違うよ・・・という気がしていたのです。

■なんか違うと感じていた理由
今考えてみると、CanonやNikonのDSLRが、デジタルカメラとして見たときに、中途半端であったからだと思います。フィルムカメラに似せて作っているデジカメであることが、あからさまでした。実際のところ、開発者達も、デジカメの担当者ではなく、フィルムカメラの担当者であったそうです。ですから、フィルムカメラとデジタルカメラの折衷的な製品になるのは当然でしたし、マーケットの拡大のためには必要なことでした。
結局、KodakとOLYMPUSが、比較的ですが、デジタルカメラらしいデジタルカメラを出していたんですねー・・・今思うと・・・

で、ある日もそうでした。迷ってばかりでも仕方ないから、D70を予約しちゃおうと思いヨドバシカメラに行ったのですが、デモ機を手にとっても、なんか違う気がしました。Canonも価格帯が近い製品は、やはり違う気がしたんです・・・Canonの製品は、手ごろな価格の製品はちょっとちゃちなので、手にとっても所有する喜びを感じる気がしませんでしたし、サンプルの絵が、やはり違う気がしちゃうのでした。そして、またまた諦めて帰ろうかなと思ったときに、柱の下のほうにあったモデルさんの写真が目に留まりました。同じ絵を、ほぼ同じタイミングで撮影して比較用にプリントして並んでいたのですが、その絵だけ違う絵なのでした。そして、その絵は、私が欲しい感じの絵でした。
その機種名を見て、えっと思いました。それが、OLYMPUS E-1だったのです。
で、まじまじと、そのサンプル写真を見て、他の機種の絵と見比べたのですが、やはり違いました。その違いは、私には好ましいものでした。そこで、今まで一度も検討していなかったOLYMPUS E-1を手にとってみました。店頭では、横に置かれ、混んでいるにもかかわらず、大して人も見ていません。自由に見放題/さわり放題でした。全然人気の無い機種だったからです。
その手にした感触に、えっ、と思いました。CanonやNikonの高級機の感覚に近いものでした。ですから、全然違うのでした。オートフォーカスも、なかなか気持ちよい動作でした。

「この機種、違うな・・・」

そして、検討に入り、数日後には購入を決めたのでした。

決めた理由

いくつか、購入の際に考え込んだ話題があります。以下にまとめてみます。

レンズ群が少なく、専用レンズである

すでにCanonやNikonのレンズ群を持っていれば、新しいレンズ群を必要とするフォーサーズを使用するのに躊躇するのは当然です。でも、私は今までSLRを買ったことがなく、資産としてすでに持っているレンズは、ありませんでした。だから、専用レンズを買うというのは、どのメーカーでも事情は同じでした。

手ブレ補正レンズがOLYMPUSにない

プロであれば笑うような話題ですが、私のようなヘボには手ブレ補正は欲しい物でした。双眼鏡はCanonの手ブレ補正タイプを使用していて、その効果に感心していたからです。ただ、アメリカのサイトを見ていて、手ブレ補正はカメラを固定しているときにしか使用できないとか(つまり流し撮りは出来ない)、考えてみれば当たり前の話題を見ているうちに考えが変わりました。「結局、腕を磨けばいいんだ・・・」と思ったのでした。

画素数が少なめ

と言いながら、510万画素あれば十分と思いました。私は、A3ノビに拡大してプリントする気はありませんので・・・。

価格が高め

と思ったのですが、防滴防塵仕様で高精度なら、逆に安いんですよねー・・・他のメーカーと比較しても・・・本体も、レンズも・・・

さらに、いろいろと考えて、気付いたことがあります。
それは、DSLRというものは、フィルム・カメラとも、コンパクトデジカメとも、本質的に違う製品でないといけないということです。

フィルム・カメラ用レンズではデジタルで性能は発揮できない

OLYMPUSのホームページでは、デジタルカメラ用レンズの必要性について、CCDに対する光の入射角度として説明しています。これはもちろんいえるでしょうか、それ以外に理由があります。それは、フィルムカメラのレンズが、フィルムの感光層の厚さを前提に作られていることです。フィルムの感光層は、3原色に対応して作られており、それに対応して光の波長別に焦点距離が微妙に調整されています。これは、フィルムの厚さ前提としているときに最適なのですが、デジタルカメラのCCDは平面に展開されているため、この調整が仇になってしまいます。つまり、波長別に焦点がずれてしまい、色が違ってしまうわけです。当然、デジタルカメラの内部で補正はされているはずですが、原理的に、補正しきれるものでもありません。私が写真を見ていてピンとこない理由は、どうも、この辺にあったようです。デジタルカメラの絵に見慣れていたため、初めから気になってしまったのでしょう。このことを簡単に言うと、フィルムカメラ用レンズは、デジタルカメラでは性能を発揮できないのです。
また、同様な問題として、平面であるCCDが受光部であるために、レンズの精度そのものも問題になります。フィルムカメラであれば、正確にピントが合っていたレンズが、デジタルカメラでは、ピントが乱れてしまうのです。これも、フィルムであれば感光層の厚さ内で内で焦点を結べばいいのですが、デジタルカメラでは平面で正確に焦点を結ばないといけないという宿命があるためです。つまり、デジタルカメラでは、フィルム・カメラ用よりも高い精度で作られたデジタルカメラ専用レンズでないと、性能を発揮できないのです。
時々レポートが出てきていますが、一体型のハイエンドデジカメの方がDSLRよりもピントや色が正確であるという現象があります。これらの原因は、ここで述べたことが背景です。そして、CanonやNikonもデジタル専用レンズを出してきている理由です。
結局、デジタル専用レンズだけを考えれば、OLYMPUSが一番いいラインUPを持っています。

DSLR内の映像エンジンのほとんどは不用なものである

私が検討していたNikon D70は、Jpegで撮影すると、媒体が一杯になるまで連続撮影できます。別に、それほど感心すべき技術でもないのですが、カメラ雑誌は誉めそやしていました。でも、ちょっと考えてみたのです。
デジタルカメラは、撮影時にCCDの情報から映像を作り出します。この際に、Jpegなどにするわけですが、Jpegは不可逆な圧縮方式であり、撮影したときの映像データは捨てられてしまいます。つまり、どんなにいいレンズを使用して、いいボディを使用しても、その貴重な撮影データは、捨てられてしまうのです。この処理をしているのが、映像エンジンです。
でも、DSLRのようなデジタルカメラによる撮影の本質とはなんでしょうか・・・それは、映像データを可能な限りピュアに記録することではないのでしょうか。言い換えると、いわゆる映像エンジンの機能は、本当に必要なのでしょうか。様々な映像データをリアルタイムにカメラ内で作成する理由は、報道映像などを除けば、不要です。
つまり、私の発想はシンプルで、DSLRはrawデータの取り扱いが出来、そして、コンピューター上で必要な映像処理が出来ればいいのです。それで必要十分だと思っています。

海外のプロ用ハイエンドカメラはそうした製品が多いみたいですね

OLYMPUS E-1は、デジタルカメラで処理できるすべての処理をPC上でも出来るOLYMPUS STUDIOが用意されており、CanonやNikonよりも総合的なワークフローとして、進歩していました。本体も、rawデータでの撮影であっても12枚分のバッファを内蔵しており、そうした本格的なデジタルカメラとしての性格を持っていました。
私は、デジタルカメラらしいデジタルカメラであるため、E-1が気に入ったのです。

この辺りが背景であったために、OLYMPUS STUDIOのrawデータ現像の問題点に気付いたり、OLYMPUS STUDIOの動作に問題があったときに、極めて厳しい態度に出た理由があります。

もうひとつ書きたいことがあります。それは、カメラ雑誌の記事の多くに困ったということです。
記事を書いている人たちで、デジタルカメラとフィルムカメラの違いを理解している人が、少なすぎます。もっと簡単に述べると、記事のほとんどは、フィルムカメラの常識で書いているため、めちゃくちゃなのです。
笑ってしまったのは、デジタルカメラのホワイバランスの取り方の違いを延々と述べている話題とかです。で、もっと酷いのは、撮影はJpegでいいと言い切っている話題です。より正しく理解した上でそうした話題が出ているのではないようです。見ているとそうした話題をしている内容の延長で、Adobe Photoshopなどによるポスト処理を高く評価していたりする話題まで出ています。ここまで来ると呆れてしまうばかりですが、ここではなぜ笑ってしまったのかをちょっとご説明します。
こんな経緯もあり、雑誌記事を見て、その情報には、ほとんど意味がないなーと読み捨てたのでした。

ホワイトバランスなんてDSLRで議論するなよ

ホワイトバランスが必要な理由は、人間の視覚が脳に補償されているために光の色の分布に対して独特な反応を示すため、そのまま映像を記録したりすると、後に、その絵が赤く見えたり、青く見えたりすることにあります。この補償は、DSLRの機能では、本質的には、不可能です。なぜならば、人が見ている色の傾向は主観的なものであり、客観的なものではないからです。
フィルムカメラの時代は、制御しきれない問題であるために、フィルターを使用したり、機器やフィルムの傾向で、人が決めていました。つまり、演出技術として使用していのです。
ところがデジタルカメラでは、この点の処理はCCDに記録された情報のポスト処理(後処理)として行われます。つまり、rawで撮影していれば、カメラ内で処理する必要はない・・・というよりも、もともと不可能な補償なのですから、正確に補正されたディスプレイで行うべき処理であり、よほどの理由がない限りカメラ内で処理すべきではない処理なのです。
ところが、カメラ雑誌に書かれている記事は、フィルムカメラの常識で書いているばかり・・・ページ数を割くばかりで、意味がないのです。これを、笑うというのは、温和な反応であると、自分を思います。

Jpegで撮影したいなら勝手にどうぞ・・・でも、それではDSLRは使いこなせない

日本のカメラマンの人の多くは、DSLRでの撮影はJpegで十分であると仰っているそうです。
それは、ご自由ですし、それそのものは悪いことではありませんが、もしもデジタルカメラの原理やデジタル映像処理の実際を知らないで述べているなら、ちょっと困ります。カメラの撮影技術の本を結構読みましたけど、rawとTiffの本質的な違いを理解していない人も多いようで、目が点になりました。解像度が同じであるからなんでしょうか・・・デジタル映像処理から見たら、比較することはできないほどの違いがあります。
rawデータで撮影した写真は、そのときのCCDのデータと、カメラが測定した様々な情報から構成されています。
このデータを元に、CCDのデータに対してホワイトバランスやその他の様々な処理をした結果を、そのまま保存するのがTiffです。ですから、データの解像度は論理の的なピクセル数としてみればCCDと同じですが、CCDからの元の情報は様々な処理の結果だけであり、失われています。つまり、TiffのデータからCCDのデータを生み出すことは出来ません。このような変換を、「不可逆」といいます。つまり、rawデータからTiffのデータを作り出すことは出来ますが、Tiffのデータからrawデータを復元することは出来ません(もっとも、カメラの構造が単純であれば、変換のすべてのパラメーターと処理内容を知っていれば復元できる可能性はあります)。このように作られたTiffデータを使用するときは、加工することは出来ますが元のデータを失うことのない加工は不可能です。それに対して、rawデータであれば、元のデータを元
にすべてを加工して生成できます。つまり、rawデータは、すべての画像操作の基本に最適なのです。
すでに説明したように、ホワイトバランスの処理などは、rawデータであれば、画像の情報を損なうことなく、何回でもトライして、人の感性で調整できますし、それは必要なことです。
さて、Jpegではどうなのでしょうか・・・。Jpegは不可逆圧縮を行う方式です。つまりTiffに相当する画像データを基本にして、人が見た際に違和感がないようにデータのサイズをさらに小さくする方式です。そのように処理をされたものは、PCに持ってきてもPhotoshopなどによる元に出来ない形に絵を「壊しながら」加工することしか出来ません。
一瞬の撮影に全神経と気持ちを集中する・・・そうした気持ちの大切さと、大切な瞬間を台無しにするデータで記録する・・・この相矛盾した話題の背景には、DSLRをフィルムカメラと同じ視点でしか理解していない、カメラマン達の実態が見え隠れしています。

Photoshopは、お絵かきツールなんですけど・・・

Photoshopは便利ですから、私も7〜8年ほど使用していますが、カメラ関係の雑誌でのPhotoshopの説明には、もう、呆れてしまいます。Photoshopの処理は、本質的に不可逆な映像データの変更であり、元データを変更することなのですが、なんか、撮影時の工夫の代行とか、補正処理と同じようなものという感じに、混同しているみたいです。

別に、お絵かきが悪いわけではありませんが、写真撮影と加工には、本質的な違いがあるはずです。フィルムカメラの時代は、加工があとからは大変なので、撮影時に加工も一緒にしていたのですが、DSLRは、すべてを分離した工程で正しく処理できます。
モデルさんの化粧なんてあとで修正するから、しなくていいよと仰るカメラマンさんが悪いといっているのではありません。それはそれで正しいことだと思います。ここで述べているのは、補正と修正の違いを理解することの大切さです。
ですから、rawで撮影して、PC上のカメラの詳細に対応したツールを使い、正確に、もしくは希望するように、ホワイトバランスやシャープネスの処理を行い、その後にPhotoshopなどで必要な加工をする・・・のが正しいスタンスです。
でも、Jpegのデータの色補正に使ったり、むちゃくちゃな紹介ばかりです。Photoshopでは満足な色温度補正は困難です。特に、Jpegなんかですと・・・。絵は崩れていくばかりです。もともと、人が見て丁度いいように感じるよう考えられたフォーマットであるため、ポストプロセスをさらに行うには、向かないのです。
お絵かきと、補正の違いもわからないで、話題を混同して紹介なんかするなよ・・・というのが、私の本音です。
そんなだから、raw現像の質の差に気付かずに、Photoshopのraw現像を誉めそやす記事を書くことになるんでしょうね。最近は、これに類した話題もいろいろと出ているそうですが、以下の内容を書いた時には、どこにもありませんでした。

カメラの使用感

私はDSLRは、OLYMPUS E-1が初めてですので、どの製品と比較してこう・・・という話題はありません。E-1は、他社とかなり使い方の思想が違う点があり、各機能に直接アクセスするボタンが用意されています。所詮は機械の操作ですので、慣れればOKで、私は慣れてしまいました。
E-1ですが、CCDのS/Nの関係で、ISO800までは、そのまま使用していても、あまりノイズは気になりません。それ以上の場合は、ノイズリダクションを使用したほうがいいでしょう。ノイズリダクションは、raw現像時でも処理できますので、撮影時にはそのまま撮るのが標準です。ただ、基本的に暗い場所にとても強く、ほとんどの場合でフラッシュなしで撮影できます。
以下のサンプルで、一番上だけフラッシュ撮影です…私も、こうした写真を撮ったことがあるんですねー…自分で感心しました。

OLYMPUS E-1 + ZUIKO Digital 14-54 F2.8-3.5mm
rawデータ撮影後ホワイトバランス適時選択して現像 2004/08/26
暗い店内でそのままなにげなしに撮影しましたけど、こんなふうに撮れました
2005/09/09 OLYMPUS E-1 + Carl Zeiss Distagon 35mm F1,4 T*
rawデータ撮影後ホワイトバランス適時選択して現像

シャッター時間は、20秒など長めにすると、暗いところにノイズが立ちやすくなります。このようなノイズは、CCDの原理上避けがたい点があります。このノイズも、ノイズリダクションでかなり除去ができます。
オートフォーカスは、赤色に対して実行しているようです。ですから、有効にオートフォーカスを機能させるためには、被写体の色身について注意したほうがいいようです。オートフォーカスの精度は、-20evに近づくと、かなり低下します。レンズも赤に色が転びやすくなるのにあわせて、フォーカスが甘めになりますので、注意が必要です。
OLYMPUS Digital ZUIKOレンズ群に対しては、安定した相性をもっています。ただ、光量が少ない場合は、レンズにより色が赤に転びやすくなるようです。この話題については、レンズごとに説明を入れています。
ホワイトバランスは、本体の計測窓と、CCDの情報からの混合分析で、比較的高精度です。ただし、室内などで、色温度の異なる光源が混在していると、かなり混乱します。計測は、基本には、本体の計測窓のほうが優先的に処理されているようです。すでに説明したように、ホワイトバランスはカメラ本体による分析には無理な点があるので、raw撮影して、後日にPC上で判断しながら決めるのがコツです。
ファインダーは、100%の視野ですのでその点は問題ありませんが、マニュアルフォーカスによるピント合わせはしやすいとはいえない点があります。また、ファインダーを交換することができるので、その点は便利です。
バッテリーの持ちは、かなりあります。標準バッテリーで約400枚、大型バッテリーで1000枚の撮影が可能です。バッテリーの寿命は充電回数と関係しますので、大型バッテリーで時々充電するという形態ですと、かなりつかえると思います。私の場合は、大型バッテリーを使用しており、週に400〜500枚撮影ですので、月に2回くらいしか充電していません。
ホールディング感には、なかなか良いという定評がありますし、私もそう思います。
記憶デバイスには、CF(コンパクトフラッシュ)を使用します。Micro Driveもサポートしています。私は4GbyteのMicro Driveを使用しています。raw撮影で1枚当たり10Mbyteのサイズになるので、400枚弱の撮影が可能です。
raw撮影していても、OLYMPUS STUDIOや付属のOLYMPUS viewrではサムネイルが表示されますので、支障ありません。ですから、撮影時にraw + Jpegで記録するメリットはあまりありません。記録時間がかかりすぎるので、意味のない方法です。CanonやNikonのようにrawの取り扱いが付け足しのシステムでしか意味はありません。
外部接続には、USB2.0と、IEEE1394が用意されています。
データ転送速度は十分に取れているようですが、200〜300枚の写真を撮影していると、データ転送にはそれなりな時間が必要です。

OLYMPUS E-1はフルフレーム型CCDなのでダイナミックレンジが広いため、
逆光でこうした写真を撮ってもそれなりに撮影してしまいます
撮影 2005/01/02 皇居にて撮影データ OLYMPUS E-1 + ZUIKO Digital ED 50-200mm F2.8-3.5
rawデータ撮影後OLYMPUS STUDIOでカメラの測定したホワイトバランスにて現像
撮影データ OLYMPUS E-1 + ZUIKO Digital ED 50-200mm F2.8-3.5
rawデータ撮影後OLYMPUS STUDIOでカメラ測定のホワイトバランスにて現像
撮影データ OLYMPUS E-1 + ZUIKO Digital 14-54 F2.8-3.5mm
rawデータ撮影後OLYMPUS STUDIOでホワイトバランス適時選択して現像
撮影データ OLYMPUS E-1 + ZUIKO Digital ED 35-100mm F2.0
rawデータ撮影後OLYMPUS STUDIOでホワイトバランス適時選択して現像 2006/01/08

こうした機能が欲しかった

使用していて、以下のような機能がなかったり弱かったりして困ったりしました。
デジタル専用なんだから・・・という気持ちが私に強いからでしょうねー。

撮影時にCCDダイナミックレンジを最大にする撮影モードが無い

デジタルカメラの光を信号に変換するデバイスであるCCDは、フィルムよりも飽和しやすい点があります。E-1に使用しているCCDは、フルフレーム型であるため同じサイズの通常のCCDとくらべると飽和点が高くなっていますが、やはり注意が必要です。
このような時に、技術屋であれば初めに思いつくのが、CCDの性能を最大にするように撮影するモードを作り、絞りとシャッター速度を制御する方法です。しかし、デジタルカメラでそうした制御ができるものは、私の知る限り無いようです。これは、デジタルカメラとして徹底して考えているのであれば、装備していて当然と思うもので、なぜないのか私には理解できませんでした。
もっとも、こうした方法で撮影すると、どのような写真が取れているかはその場での確認は困難なときがあります。ですから、現場で一瞬を大切にするカメラマンにとっては、興味の無い機能かもしれませんね。

マニュアルフォーカスのピント確認手段が弱い

被写体の色や明るさの関係で、マニュアルフォーカスをしているときに、フォーカスのあっている状況を確認する手段が、通常のファインダーしかありません。液晶モニターは4倍の解像度なので、かなりフォーカスがずれた状況でないと確認できないですし、ファインダーも確認しやすいタイプではありません。
この辺りは、慣れも必要ですが、機能として強化されてもいいと思います・・・E-300では、液晶モニターが10倍まで拡大できるので、確認は容易となっています。

ダストリダクションは映像素子だけ…だから、ゴミ掃除は大切です

2006/07/19

OLYMPUSの宣伝で誤解されているのが、ダストリダクションシステムです。OLYMPUS以外に、Panasonicにも技術供与され製品に組み込まれています。
カメラマンの人なんかは、この機能があるからゴミが写ることはない…というか、ゴミの心配はない…メンテナンスフリーみたいに感じられる説明を聞いてしまいます。
でも、これって、違うんです。
ダストリダクションシステムがあるのは、映像素子だけです…DSLRには、CCDが他にもあります。
ひとつは、オートフォーカス用CCD、もうひとつは、AE用CCDです。
この二つのCCDには、ダストリダクションシステムが用意されていません。
ですから、これらのCCDのゴミ掃除が必要です。
幸いにして、これらのCCDは外から掃除し易いので、ブロアでゴミを吹き飛ばすとかしていればいいので、手入れは簡単です。映像素子のダストリダクションがない機種の場合は、掃除が難しいため、手入れの簡単さの違いは、明らかです。ダストリダクションは、手入れの簡単さの違いに意味があるのでした。
もしも、オートフォーカス用CCDやAE用CCDにゴミが付くと、動作が怪しくなります。
特に、オートフォーカス用CCDのゴミは、オートフォーカスのミスとか、動作しないという、致命的なトラブルになります。
Eシリーズであっても、カメラ本体のゴミ掃除が大切なこと、忘れないでくださいませ。

関連コンテンツ

デジカメ日記に、以下の関連コンテンツがあります。

自分でも予想しなかった結論に至りました、OLYMPUS E-1の選択
本体/レンズ/マイクロドライブ購入編
メーカーの思い入れが強い製品
OLYMPUS STUDIO未だ動作せず・・・は過去となりました
OLYMPUS E-1オーナーラウンジにて
raw現像の品質・・・(^^;

以下は、E-1を使用した撮影写真が収録されているページへのリンクです。

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