KSA Sシリーズは、プレイトウバイアステクノロジーと呼ばれる、入力信号に追従する5段階の可変バイアス方式を採用しています。これは1800V/Sという超高速アンティシペーター回路が入力信号を監視し、オーディオアンプ部が増幅した信号が最終段に到達する前に、終段のバイアスレベルをAクラス動作により出力できるよう変更します。この変化は一定時間維持されますので、不用意に変動が行われることはありません。
日本でも同様な技術が開発されていたという話があったので調べてみましたが、アナログ方式であり、また、音質的な問題の解決も出来ておらず、比較しうるような内容のものはとは思えませんでした。
バイアスレベル表示は、すべてのledが点灯している場合が最大で、すべてが消灯している場合が、最小のバイアスです。表示は最大出力から5等分されています。
このバイアス技術により、完全Aクラスアンプでありながら、最少費用費電力がKSA-100sの場合で100Wという、低消費電力化が実現されました。
パワーアンプも、リモートコントロールになっています。写真がKSA-sシリーズに用意されている専用リモコンです。電源とバイアスレベル表示のon/offを行う事が出来ます。これらの機能は、プリアンプのリモコンにも用意されてますので、KRELLのプリアンプを使用する場合は、このリモコンは必要ありません。
パワーアンプがリモコンで使える事により、設置を自由に行っても使い勝手に影響しなくなりました。私の場合は、スピーカーの背面に設置しており、スピーカーの端子とパワーアンプのリアーパネルを対向させる事により、スピーカーケーブル長を25cmという驚異的な短さにする事が出来ました(もっともこの長さですとスピーカーケーブルの性能を出しきる事が出来ないので、スピーカーケーブルの素材の方が重要になりますが・・・)。
リアーパネルもフロントパネルと同様に共通のデザインになっています。
左右の端にあるのが入力端子で、アンバランスとバランスの入力端子が1対づつ実装されています。内部の回路は完全なバランス回路であり、アンバランス-バランス変換回路を内蔵していませんので、アンバランスで利用する際は、バランス入力の一方をショートピンでグランドに落として使用します。
スピーカー端子は、バイワイヤリング用に2組ずつあります。大型のyラグを使用するタイプです。
中央に見える白く丸いスイッチは、ブレーカーです。回路保護用にヒューズを使用していません。ヒューズは内部インピーダンスが高く、劣化すると音質的に不利なので、ブレーカーの採用は理に適っています。もっともコストがかかるので、高級機であるが故に採用できるといえるでしょう。
写真は、KSA-sシリーズの片チャンネル分の終段部分を示しています。KRELLらしく、ケーブルは一切使われていません。他のアンプと同様に圧膜のプリント基板を使用しているだけではなく、大電流が取り扱えるようにベリリウム銅のバスバーが利用されている事が分かります。また、放熱器には温度センサーが設置されており、80度を超えると自動的にバイアス電流を減少させ、それでも温度上昇が続く場合は、電源がoffになるようになっています。
|
|
| |
周波数特性 20-20K | +0.0/-0.1dB |
|
|
周波数特性 1-150K | +0.0/-3DB |
|
|
歪率 1K 最大出力 |
|
|
|
歪率 20K 最大出力 |
|
|
|
スリューレート |
|
|
|
入力感度 |
|
|
|
ゲイン |
|
|
|
ダンピングファクター |
|
|
|
8Ω負荷連続出力 |
100W
|
200W
|
300W
|
4Ω負荷連続出力 |
200W
|
400W
|
600W
|
2Ω負荷連続出力 |
400W
|
800W
|
1200W
|
1Ω負荷連続出力 |
800W
|
1600W
|
2400W
|
アイドル時消費電力 |
100W
|
120W
|
140W
|
最大消費電力 |
1400W
|
2800W
|
5000W
|
電源トランス容量 |
1400VA
|
2800VA
|
5000VA
|
電源コンデンサー容量 |
136000mF
|
272000mF
|
272000mF
|
リモートコントロール |
|
|
|
重量 |
|
|
|