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信頼には質があった・・・
IBMのパソコンが中国パソコンになっちゃったら・・・(^^;

2005/03/19

ごめんなさい、何気なしにちゃちゃっと書いたため、専門用語が多いかもしれません
意味がわかんなくても、そんなに気にしないで読んでくださいませ・・・(^^;

IBMがpc事業を売っ払らっちゃったら・・・

私の仕事は、技術屋さんです・・・ずっとコンピューターの仕事をしてきました。
そんな私は、仕事柄、イメージに関係なくものの質を判断することが多いので、そういうタイプの人であるという認識が、自他共にありました。
でも、そうでもないよなーと思うことがありました・・・それは、IBMがpc事業を中国の聯想(レノボ)グループに売却を決めたとたんに、IBMのパソコンを使う気がなくなったからでした・・・(^^;
私は、2台のIBMラップトップを今も使用しています・・・IBM A30とIBM T41です。

IBM ThinkPad A30
画面サイズ 15inch 1400*1050 1677万色
HDDが1度飛んだときに、自分でHDDを交換して今も使用しています。なかなか使用感がいいですね。
IBM ThinkPad T41
画面サイズ14.1inch 1400*1050 1677万色
性能はいいんですけど、画面が綺麗ではありません。
キーボードも、あんまり使用感が良くない・・・。

もともと、小型のモバイルが好きでしたが、仕事柄、いろいろな機能を使用する必要があり、小型のノート型ではオプションで持ち運ぶものが多すぎて、かえって持ち運ぶことが大変な場合も少なくなかったため、思い切って大型にしてみようと思い買ったのが、IBM ThinkPad A30でした。
重量は4kg近いものでしたが、画面は美しく(出ない色があるので仕様よりも階調度は低いと思いますけど)広いですし、当時としては珍しい、1Gbyteのメモリの搭載が出来ました。仕事柄、メモリは最低1Gbyte実装していないと困るのですが、私が購入したときに、そうしたラップトップ/ノート型の機種はIBM A30だけでした。もともと、バッテリーで使用する気持ちが無かったので、基本能力の高さが大切でした。あとは、4Kgであることに体が耐えられればいいと思っていました。
この機種の使い勝手は、私にはとても合うものでした・・・そうしているうちに、それまで使用していたいろいろなノート型(当時はSONY VAIOとTOSHIBA Librettoがありました)を使うことなく、この機種だけ使用するようになりました。
で、バッテリーで使用する機種もIBMにしようかなーと思ったのが、IBM ThinkPad T41です。発表された当時は、ラップトップのベンツといわれた機種で、大型バッテリーを使用すれば5-8時間使用できます。重さもA30の半分近くの2Kgくらいです。CPUクロックだけでは評価できない、メモリアクセスのインターリーブなどやることはやっている機種で、処理速度も高速です・・・ただ、この機種は私にはピント来ませんでした。画面が、綺麗じゃないんですよね・・・液晶の発色がよくないのでした・・・(^^;
とはいえ、この2台はよく使用していました。
でも、面白いもので、IBMがpc事業を中国の聯想(レノボ)グループに売却を決めたとたんに、使う気がなくなってしまったのです・・・。

「中国パソコンは使いたくないなー・・・恥ずかしいや」

というのが、本心なのでした。
そんな私は、これらの機種が日本で開発されていることも、完成度が高いことも知ってるのに・・・です。本当の中国パソコンは、これから数年後に出るのでしょうが、イメージがもう、この発表だけで変わってしまったのでした・・・(^^;

石原都知事は、たいしたこと無いというけれど、違うんです

テレビを見ていたら、石原都知事が「IBMのpc事業は、アメリカでも日本でも買い手がつかないほどたいしたことが無いもので、中国の企業が買ったからって、なんの問題もないだろう」・・・てな感じで話していました。
もちろん、どこの企業が買ってもなんの問題もないので、そうした意味では正しいのですが、IBMのpcがたいしたこと無い・・・というのは、結構外れています。
実は、私のような業界の仕事をしていると、みんなが集まると、不思議とIBMのラップトップを使用しているんです・・・。メーカーは関係ありません・・・NECとか日立の人でもIBMのラップトップを使用しています。
下の写真をご覧ください。ちょっと写っているだけで、お二人がIBMのラップトップを使用しています。

2004/12/13のアーキテクト・カウンシルにて

私も、その昔には、はじめ、不思議だなーと思ってましたが、使用してみると仕様上、選択肢がないんです・・・他のメーカーの機種では、私達エンジニアの使用に耐えないのが多かったのでした・・・(今はそれほどではないですけど)
IBMのラップトップは、あまり売れているほうではありませんでしたが、それは仕様がしっかりしているため、安くならないだけのことで、言い換えると、玄人好みの機種が多いのでした。
他のメーカーは、カタログ価格が安くなるようにメモリを128mなんかで提供して、売る際にメモリ増設を強要する様に作っていたりしているとき、平気で標準メモリサイズを512Mbyteくらいで出荷していましたので・・・

実は、Thinkpadは日本製です・・・

IBM Yamato Laboratory

石原都知事がご存知かは知りませんが、IBMのラップトップであるThinkPadは日本製です・・・開発拠点は、IBM大和研究所です。

かつて、この研究所では、汎用コンピューターの時代は第四世代機43XXシリーズを開発し、富士通が開発した日本語処理アーキテクチュアであるjefに対向した、IBM日本語システムを開発しました。実は、栄光あるIBMの中心的開発センターのひとつだったのでした。
企業で1台当たりpcが100〜200万円もした時代には、IBM5550シリーズを開発、そしてThinkpadシリーズを開発し、全世界に供給するようになっていったのでした。
そうした出自が、Thinkpadがとてもしっかりした仕様である背景にありました。

今回の売却では、IBM大和研究所のThinkPad関連部門も一緒に売却されます

私自身は、仕事のなかでのIBMの記憶がいろいろとあり、大和研究所だけではなく、いろいろな昔のいいイメージがあるのでした。いくつか、ご紹介いたしましょう・・・(^^)・・・思い出話だから、ちょっと長いですよ・・・(^^;

IBMの思い出・・・逃げることの無い問題解決と、PSCE

IBM 370-138
IBM 3278 Terminal System

もうずいぶんと昔の話です・・・以前に勤めていた会社で、ある外資系銀行の勘定系システムの開発と運用を行いました。小さなフランスの銀行でした。端末は数台あれば足りる規模でした。

私の勤めていた会社は、ソフトウェア会社でしたが、汎用コンピュータをサポート/テスト用に持っていました。IBM 370/138という、比較的小型の汎用コンピュータでした。用途が用途ですので、普段はそれほど使用しないこともあるため、このような業務があることは経営的にはうれしいことだったでしょう・・・当時の私は若いので、そうした感覚はありませんでしたけど・・・。
このシステムは小型なので、IBMのシステムソフトウェアだけではオンラインでの使用は無理でしたが、私が勤めていた会社の製品のtpモニタやデータベースであれば、オンラインで数端末とバッチジョブ3多重で、十分に使用できました。
この勘定系システムの開発は、別に私がしたわけではありませんでしたが、私はtpモニタの開発とサポートをしていましたので、銀行に端末を設置するための必要な作業は私の仕事でした。
汎用コンピュータの端末は、3270型端末といい、今のwebブラウザに相当するような機能を内蔵する専用ハードみたいなものです。もっとも、文字と数字しか使えず、画面は1920文字と決まっていましたけど・・・。
私の勤めていた会社では、安物の互換機メーカーの3270互換型端末を使用していましたが、銀行にはちゃんとしたIBM製端末・・・といっても中古でしたが・・・を入れることになりました。IBM 3278ターミナルでした。まあ、端末といっても、IBM3270型端末はなかなか高機能で、DECのような本物の馬鹿端末(Dunb TermiAnl)ではないので、ファームウェアの設定とか管理とか、いろいろとあります。そうしたことがあるため、早い段階で動作テストをしたかったのですが、いろいろな都合で端末の動作テストは稼動が近い時になってしまいました。で、テストをしたのは水曜でした・・・。で、あーあと思いました・・・動かないんです・・・。
当時のシステムは、通信プロトコルを通信制御処理装置を使用して、tpモニタに内蔵されているプロトコルスタックで利用していました。すでにibMでは、vtam+ncpで処理している時代でしたから、だいぶ動作が違います。当時は、プロトコルアナライザは高価ですし少ない時代でしたので、手許にはありません。で、私は、通信制御処理装置へのチャネルコマンドトレースを取り、プロトコルをチェックしました。幸いに使用していたBSc手順なんかは暗記していたので、だいたいわかります・・・。

「おい、どうなんだよ」
「見る限り、3274のファームがおかしいみたいですね・・・これ、本当に最新ですか?」
「ああ、そうだと聞いてるけどな」
「うーん、セッション確立したとたんにコントローラーからDEL-EOTが着てます、強制切断ですね、なんでだろう」
「どうするんだよ、開通は近いんだぞ」
「こうなったら、PSCEコールが必要ですね」
「うちの問題だったら、すごい金がかかるぞ」
「だって、スケジュール優先ですよね」

PSCEコール・・・当時の汎用コンピュータの世界では、特に意味のある言葉でした。
PSCEは、OSやファームウェアの障害がある際に活躍するエンジニアでした。開発元のIBM各研究所と連絡を取りながら、顧客先で問題調査と解決を行う技術者でした。彼らは、OSやハードの問題であれば、解決するまで徹底的にやってくれます。そして、OSやファームウェアの障害であれば、費用はあまり発生しませんが、そうでないとかなり高額な実費を求められます。今回の場合は、大部分がIBM製品で無いため、私がコントローラーの問題と判断したこと以外に問題があれば、すべてわれわれの問題で、かなりの費用がかかります。

もっとも、当時の国産メーカーではこうした場合に調査を拒否しますので、
IBMが如何に公正明大であったかが、ご想像いただけると思います

「恐らく、このコントローラのハードウェアオプションとファームが適合していないんだと思いますけど、それはもう、われわれにはわからない話題です。出荷時に彼らがOKとした以上、問題調査はPSCEにしかできないですよ」
「OSのPTFリスト(問題の緊急修正リスト)は調べたのか」
「プロトコルはわれわれのものです、PTFなんか関係ないですし、われわれのプロトコルスタックは問題は無いです」
「いいんだな、呼んでも」
「ええ」

当時の汎用コンピュータは、24時間サポートが当たり前でしたので、PSCEコールも24時間可能です。一旦コールすると、緊急度が高い場合は、現地には1時間以内に到着します。今回は、SL(緊急度)16・・・最大の緊急度でした。
到着して、会議室で説明しました・・・彼らは彼らで、自分達の方法で資料を収集する必要がありました。IBM製品で無いものが多いため、PSCEは3274コントローラーの内部プロトコルトレースを利用することにしました。ただ、時代が時代です・・・このトレースは8インチのフロッピーに保存され、その内容をダンプして解析するためには、IBMのPSCEのセンターのシステムを使用する必要がありました。PSCEはセンターと往復を始めます。私は私で、問題がこちらに無いことを確認するため、同時に取得しているチャンネルコマンドトレースを解析します・・・青山のセンターでプリント出力し、八重洲の事務所で調べるのでした・・・。
結局、問題調査と解決まで、3昼夜が必要でした。IBMのPSCEは2交代で対応してくれ、3270型端末の開発を行った研究所と連絡を取りながら、一緒に努力してくれました。私は、ひとりで対応していたので・・・(^^;・・・人生で初めで最後の、3昼夜徹夜をしてしまいました。
結論は私の想定どおりで、IBM 3274制御装置のメモリの内部のハードウェア設定ミスがあり、緊急修正が行われ問題は解決しました。
普通に考えると、互換製品とか、IBM製ではないソフトとの接続ばかりですから、断ろうと思えばそれを理由にして断りそうなものです。しかし、純粋に技術的な問題として調査、解決する姿勢をIBMは持っていました。

もちろん、アメリカでの独禁法の関係があり、そうしたことが必要であったのも事実です

このように当時のIBM PSCEというのは、公正で、問題から逃げることが無い、徹底したものでした。ミスはどのような時にもありえるわけですが、IBMという会社の、責任を取るという側面を感じさせる話題でした。
後日談が、この話題にはあります。問題が解決したのは、土曜日でした。もう、人生で初めて3昼夜にわたって徹夜した最終日です・・・ちょっと飲んでから寝ようと思い、ローレライで12時くらいまで歌ってから、家に帰りました。
で、本当にぐっすり寝てから、会社に行きました・・・結構すっきりしていました。
先週あれだけ頑張ったので、ほめられるかなーと思ったら、なんか雰囲気が違うんです・・・。

「おい、かるばどす、先週に頑張ったのはいいが、無断欠勤はダメだぞ」
「欠勤・・・???、えーと、今日は何曜なんですか?」
「?・・・火曜だろ」
「え、私は朝起きて真っ直ぐ会社きたんですけど・・・じゃあ丸二日寝てたんだ・・・(^^:」

IBMの思い出・・・年上の男性も従う、問題を調査しきった女性課長

IBM 3033 Processor Complex

一緒に仕事をしていた技術者が、大阪に行くことになりました。
私は開発を中心にしていましたが、またサポートもやることになり、業務の引継ぎを受けました。その中に、全国の自主流通米の情報を取り扱うシステムがありました。

結構大規模なシステムで、日本全体にNEC製のインテリジェント端末群が配置され、末端の端末台数で5000台近いという当時としてはとんでもないシステムでした。後日談ですが、このシステムが完成したため自主流通米の価格を民間では掌握できたのですが、政府は独自に掌握できなかったため、対抗するために日本のコンピュータメーカーに開発を依頼し、結局のところは失敗してまうという、トホホな話題までありました・・・(^^;・・・技術力の差というものは、大きいものです・・・(^^)v
はじめにこのユーザーに私の会社のtpモニタシステムを導入して(データベースもわれわれの製品でしたが私の担当ではなかったので・・・)、開発や設計の支援していたのは私ですが、途中から彼に引継ぎ、私は開発に専念していました。
話を聞いた限りでは、問題は無いとのことだったのでした。なんか、急いで大阪に移動していきましたので、私はひとりで、担当が変わった旨の挨拶に行きました。すると、同じタイミングでお客さんの責任者も新しい方が着任していました。会議室で新しい責任者の方や何人かの担当の方とお話を始めたら、こうした話題になりました。

「かるばどすさん、来られて早々でなんですが、現状はお解かりですか」
「あの、問題はないと引継ぎを受けているのですが・・・」
「現在、システムが1週間に1回の割りでアベンド(ABEND/異常停止)しています。運用上は問題ないですが、私はそうした問題を看過する気はありません。以前に担当されていた方は、自社の問題ではないと仰るばかりで、具体的な解決策を示さなかった。アベンドする以上そちらの問題でしょう」
「え・・・そんなにトラぶっているんですか・・・アベンドは、0C6(specification errorといって論理的にありえない命令コードがあると発生するエラー)などであれば意図的なもので実行状態の異常を発見して、状態を保存するためのものです。ですから、原因がどこにあるかは調査が必要です。ダンプリストなんかはありますか?」
「もちろんです」

うーん、引き継いだ途端にこれだ・・・と思いましたが、技術者はこんなときに冷静なものです。私は、お客さんのシステムがどのような構造であるかを理解していたので、ダンプリストだけでは調査できないなと思いました。

「では、GTFもお願いできませんか」

GTF/General Trace Facility、様々な情報を収集するOSの機能のことです

「え、なににGTFをかけるんですか」
「SVCトレースです。SVCコード0x38と0x30、ENQ(エンキュー)とDEQ(デキュー)の確認をしたいと思います。」
「稼働中のシステムにですか」
「ええ」
「性能に影響が出ます」
「データベース中心のリアルタイムシステムですから、多くのセマフォコントロールは無いはずなので、それほどは出ないと思います。トレース期間も1時間ほどで結構です。お待ちしている間にダンプリストを拝見しています」
「どうやればいいんですか」

ストックフォーム
1箱2000ページです、重たい・・・(^^;

コンソールコマンドの指定の仕方なんかをご説明して資料の収集をお願いしました。GTFのリストが得られるまで、お客さんが取っていてくれたダンプリストを見ることにしました。なんと、何回分かのダンプリスト(16進表記で印刷されたメモリ内容)があるのですが、1回分で二箱(1箱が2000ページ)もあります。

「うーん・・・(^^;」

ダンプリストは、頭から読むものではなく、PSWという実行されている命令を示すハードウェア情報を利用して、遡って分析していきます。ただ、ふた箱だと、量があるので・・・(^^;・・・力仕事になるんですよね・・・。
調べていて、どうもアベンドするパターンはいくつかあることに気付きました。
ひとつは、われわれのソフトウェアの中で異常を発見しているものです。どうも、内部で管理しているバッファーチェインが壊れています・・・。

「うーん、このスモールバッファのチェインの壊れ方、おかしいな。レジデントプログラムでメモリプロテクションキーを操作しているものが壊してるなー・・・とすると、やっぱりENQ/DEQだなー」

もうひとつは、IBMのシステム内で0C6 ABENDしていました。

「あれー、このモジュールなんだっけか・・・あ、VSAMのOPEN処理だ・・・」

そんな場合でも、われわれに原因があることもあります。
そうこうしている内に、GTFのトレースリストをもらいました。
で、私はダンプリストから見つけていたENQ/DEQの情報を追いました。
IBMの汎用コンピュータでは、資源の排他制御を行うために、ENQ/DEQというOSのサービスを使用します。この時に、名称を指定し、資源を得るときにENQ、解放するときにDEQを行います。ENQやDEQは、獲得に失敗した場合の復帰コードの関係で、取り扱いを間違えやすいものです。
見ていたら、直ぐに問題を見つけました。獲得した資源を解放せずに、また繰り返し獲得しています。また、別な資源は、繰り返し解放しています。なんのことはない、解放と獲得をちゃんと出来ていません。
ダンプリストからもそれを確認しました。

「調べた結果なんですが、皆さんのシステムにバグがあります」
「!!え・・・」
「資源の管理にミスがあります、ただ、拝見したダンプリストからだと、それ以外にも原因がありますので、ダンプリストはすべてお預かりします」

100人位で開発した大規模なシステムですから、いきなりあっさりとこう言われてはお客さんも驚きますが、資料を示して説明したら、その部分の開発者がいきり立ってきました。

「この部分はこのようなコードです、どうです、ちゃんとしているでしょう」
「これ、皆さんが作ったマクロですよね、展開したリストを出してください、これではわからないですよね」
「こうした基本部分の問題があるはず無い・・・」
 と言いながらも資料をガサガサ よく整理されいて、直ぐに出てきました
「ほら、キュー名、間違ってるでしょ」
「あ・・・」
「マクロは明視度が低いので、基本的なテストはしっかりしてもらわないと困ります。こうした制御は微妙なので、必ずトレースをとって確認してください」
「・・・」

まあ、文句を言われた日にこれだけ調べられれば、運がいいほうです。
お客さんの責任者は、開発側に緊急召集をかけていました・・・開発してから1年以上経っているので、大変な騒ぎでした。
でも、本当の難問は、現場で見つけた問題がすべてか、ちっともわからないということです。本当の調査は、これからです。ただ、こうした経緯があると、お客さんからかなり信頼してもらえるので、時間は使えます。
トラブル時のダンプリストは、今後、すべて出力して、連絡を欲しいと頼み、その後1週間ほど調べていました。
その中で、どうしてもわからないのは、IBMのコンポーネントで0C6アベンドしている原因です。もう、お手上げでした。そこで、お客さんのお願いして、IBMの技術責任部門を呼んでもらい調査を依頼してもらうことにしました。
で、お客さんのところに典型的なダンプリストを1つ、ストックホームで2箱分と、私が調べた内容をすべて文章にして説明した資料をもって行きました。当然、私からも説明が必要です。
お客さんの開発センターの片隅で待っていたら、初老の紳士と30〜40台の女性が入ってきました。私は、名刺を出して挨拶しようと思い、初老の男性に向こうとしたところ、女性から先に挨拶を受けました。

「VSAM等を担当している○○です。トラブルについての分析が必要と伺っています。ご説明いただけますか?」

私はビックリしてしまいました。
後日に知ったのですが、この女性の課長さんは、日本でVSAMを担当しているトップの人で、部下も十数人ほどいらっしゃったそうです。当時は、そうした女性の責任者は珍しいので、ほんとうに驚きました。
私は調べた範囲を説明しました。

「そういうわけで、私にはもう調べる術がありません。原因調査をお願いします。」
「わかりました、伺う限り当社で無いと調査できない部分であると思います。資料をお預かりします」

私は、よかった、調べてもらえるんだ・・・と喜んだのですが、すぐに思いました。女性がダンプリスト2箱もつのかな・・・???

「それでは・・・持ってね」
「はい」

初老の男性がダンプリストを持って行きました。
お客さんと顔を見合わせました。

「IBMって、凄いですねー、女性でもああいう立場の人がいるんですね」
「いや、私達も初めてお会いしたのですが、驚きました・・・」
「あの男性、かなり偉い営業の人でしたよね」
「ええ・・・」

さらに一週間ほど調査をして、この問題は、お客さんの開発したシステムの排他制御のミスにより、解放済みのメモリ領域の決まった場所に自身の初期化のための情報0xffを誤って1byte書き込む場所があり、それが原因でトラブルが起きていることを解明しました。IBMの調査結果は、お客さんに報告されているはずです。
私は、その報告を持って説明に行きました。

「なるほど・・・よくわかりました」

なんか、お客さんが晴れ晴れとしていました。

「あのー、IBMさんの調査結果はいかがでしたか?」
「VSAMのACBが1byte壊れているとのことでした。その場所は、かるばどすさんが仰ったオフセットアドレスと同じで、内容も同じでした。」

■VSAM
仮想データアクセス法・・・いろいろなアクセス技術を1つに統合したメインフレームのデータアクセス方法のこと
■ACB
アクセスコントロールブロック/IBM方式のOS設計技術で、いろいろな処理を依頼するための情報を集約したコントロールブロックのこと

「なるほど、では、トラブルはいろいろなパターンはありましたが、原因はこれですね」
「ええ」
「IBMさんも、この調査は大変だったんじゃないですか?」
「一週間ほど担当の課の人たちは泊り込みだったそうです。アメリカの研究所とも、そうとう連絡を取り合ったそうです」
「さすがですねー」
「ええ、本当に」

当時は、SVCスクリーニング機能(OSの機能を他のシステムにルーティングして処理させる機能)がOSに無かったので、われわれのソフトウェアはIBMのOSに先駆けて動作するようFLIH(ファーストレベルインタラプトハンドラ)をトラップしており、メモリ割り当てはOSではなくわれわれのソフトが処理していました。IBMの立場からすると、ですから、それを理由に調査を断ることは可能なのでしたが、あえてそれをせずに、純粋に技術的に調査するというのは、これはとても凄いことなのです。それを実行してくれたのは、女性の課長さんだったのでした・・・凄すぎます。
他の問題もあるかもしれないので、いろいろな調査が行われ、お客さんのシステムの修正が行われ多発していたアベンドは収束しました・・・。このトンデモトラブルをしていた開発会社は、納品後1年を越えていたため、すごいお金をお客さんに要求したそうです・・・トラブルは、やりっぱなしですねー・・・(^^;
余談ですが、このシステムは、もう今では引退しています・・・(^^)

IBMとは単なるブランドではなく、経験から感じる企業に対する信頼であった

いくつか思い出をご紹介しましたが、どちらもかなり古い話題です・・・(^^;
でも、IBMには、こうした話題が多いんですよね・・・。
もちろん、全然逆の話題も体験していますけど、ここで述べたような体験をしていると、どちらが本質的なものであるかは、自然とわかります。
こうした信頼感が、IBMに対してのイメージとなっていたのでした。
面白いもので、競合関係にあった国産コンピューターメーカーでも、IBMのそうした側面は、率直に認めて、尊敬していたものです。
つまるところ、IBMに対する信頼とは、単なるブランドではなく、そうした全体的な企業に対する信頼から感じられるものであったのだと思います。
そのため、今回のような聯想(レノボ)グループにたいしての事業売却があると、企業に対する信頼がリセットされてしまい、私のように日本製と知っているのに「中国パソコン」と思うようになるんですねー・・・
いくら、製品がいいと宣伝しても、IBM本社が今後のコラボレーションは緊密と訴えても・・・どうでしょうか・・・企業イメージが作っていた側面の損失は、小さくないですよね。
だれでも、今のIBMと昔のIBMが全く異なった会社であることは、理解しています。
でも、昔作り出した信頼は、知る人の中には、定着しているんですよねー。

技術やマーケティング数字では、人の気持ちは統べられない

SONY VGN-S92PSY1
私のオーダーはメモリ1G HDD80Gです
本当はメモリ2Gにしようと思ったんですけど、
とっても高かった・・・(^^;
メモリが安くなったら、自分で交換します・・・

IBMのt41の画面が汚いのにいらいらしていた私は、ツルツルのブラックTFTの画面の機械が欲しくなっていました・・・で、次の機種をオーダーしました。SONYのvgn-s92psy1です。最大メモリ容量2Gbyte、メモリはDDR2・・・かつてIBMが先進の仕様としていたものは、SONYですら作れる時代になったのでした・・・(^^;・・・しかも画面は私が欲しかった、ツルツルのブラックTFT・・・(^^)v
SONYのPCというと、基盤のトラブルの多さが、かつては有名で(今は知らないのでした・・・トラぶったら、またここで書くのかなー・・・(^^;)、私達の仕事をしている人間は敬遠することが多いメーカーだったのですが・・・中国の会社よりはましかなー・・・例え、将来にSONYが同じ工場で作っていて、同じ人が設計していても・・・(^^;
今回は、人の持つイメージの強さを実感したのでした・・・
製品の評価には、技術だけではなく、その製品に付帯するイメージが大切なんですねー。そして、そのイメージは、マーケティングが言う単なる数字としてのブランドではなく、もっと質的に異なるものがあるのでしょう。
技術や、表面をなぞるに過ぎないマーケティングの数字だけでは、人の気持ちを統べられないですね・・・今回は、痛感しました・・・(^^;

ps

マスコミは、IBMの労組が今回の件で・・・なんて報道していますけど、IBMは伝統的に労組はほとんど機能しておらず、報道に値するとは思えないですねー。法的には問題ないし・・・。
ただ、知り合いの知り合いは、IBMに勤めていて、何年もThinkpadの仕事がしたいと上申していて、移動できたと喜んだら今回の事態になったとか・・・うーん・・・辛いでしょうねー・・・(^^;

ps2

使ってみたら、vaioはやっぱり、駄作でした…(^^;
でも、IBM T41よりは、画面がきれいな点はよいですね。


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