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相互過依存社会の恐怖
The Terror of Japan

2004/03/30
04/25
2005/09/30

01 悲しい事件・・・
2004/3/29 献花が絶えない事故現場
六本木ヒルズMoriタワーのメインエントランス
涼くんの亡くなった場所
現場を撮影中の朝日新聞のカメラマン
インタビューを収録するTVクルー

3月26日午後11時30分ごろ、六本木ヒルズのメインゲートの回転ドアで痛ましい事故が発生しました。
大阪から春休みを利用して東京に来ていた溝川涼くん(6歳/身長117cm)は、母親と一緒に六本木ヒルズに訪れました。母親と手をつないでいた涼くんは、回転ドアに近づくとドアに近づくと手を離し、母親のすこし先を小走りに回転ドアに入ろうとしたといいます。
涼くんはビル側が用意していた安全柵の左側をすり抜け、前傾姿勢で閉まりかかっているドアに入ろうとして、回転しているドアに接触、ドアに押されて柱にぶつかりそのまま挟まれ、その衝撃で頭蓋内を損傷、ほぼ即死の状態だったと見られ、救急隊が到着したとき、すでに心停止の状態でした。損傷は頭だけでした。
この説明は、29日までに報道された内容と、ビル側の防犯カメラの記録から組み合わせて書いたものです。
場所は、東京の新名所といわれている六本木ヒルズ、時は、白昼・・・誰の悪意もない、事故でした。
事故後、様々なことがわかってきました。
そこには、あまりにも日本的な問題が満ち溢れた姿が現れています・・・。
人を信じるということが、日本社会の長所であるとしたら、この事件にはそうした長所が投げかける、影が現れていると思うのです・・・。
まだ事件は捜査中ですし、いろいろな結論と責任が問われていくでしょうが、これから述べる本質的な問題にまで訴求されることはないような気がします。そこで、書いてみようと思いました。

02 献花が絶えない現場

私は3/29に、仕事の合間にちょっと現場に寄ってみました。献花は絶えず、ビル側のガードマンは献花が行われる度に深々と会釈をしていました。
献花は、このビルにオフィスがある人たちのものが多いのではないかと思います。また、六本ヒルズには住居棟もありますので、お子さん連れの献花も少なくないようです。小泉首相も、献花に訪れたとか・・・。
また、朝日新聞のカメラマンも、写真を繰り返し撮影していましたし、近くではTVクルーがvtrとマイクを持ちながら、オフィスに勤める人たちをつかまえては、インタビューをしていました。
現場では、通りかかった人たちも携帯電話で撮影したりしていました。手を合わす方も、会釈される方もいます。いろいろな人たちがここで起きた悲しい事件に心を痛めているのが、よくわかるような光景でした。

2004/07/17には、花を手向ける人はいませんでした

率直なところ、今回の事故には多くの人が驚き、心を痛めたのではないでしょうか。だれも、発生を予期していない事故であったからです。
しかし、事故後に行われた森ビルの自発的な報告には、驚きの事実がありました。
同様な事故が、過去に何回も発生していたことを明らかにしたからです。
この事故の内容を分析してみましょう。

03 回転ドアとは

回転ドアは、日本ではあまり広く利用されていませんでしたが、欧米ではよく利用されています。
事故を起こした回転ドアは日本製、三和シャッター工業の100%子会社である三和タジマが販売した、同じく三和シャッターグループの田島順三製作所の製造した、2ウイングタイプの大型自動回転ドア「シノレス」4,800mmタイプです。自動回転ドアとは、ドアが自動的に回るもので、他には手動の回転ドアがあります。
私は、日本でこうした大型の自動回転ドアが使われているのは、森ビル系の六本木ヒルズや愛宕山ヒルズで初めて見ました。
気温が低いヨーロッパでは、よく見かけます。アメリカでもよく利用されています。
回転ドアは、ビルの外気と内気の入れ替わりを最小にすることが可能であるため、構造的に有利であるため、日本よりも寒冷な傾向の強いヨーロッパやアメリカではよく利用されていたのでした。
2ウイングタイプとは、大きく別けて2つの部屋に別れている回転ドアのことで、「シノレス」は中央の長い領域は横開きの自動ドアとすることが出来ます。日本のように気候が温暖である場合は、外気温とない気温が近い場合も多いので、そうした場合は通常の自動ドアとして使用することが出来るものでした。
私が初めてこのタイプを見たのは、ドイツの高級ホテルでした。それは「シノレス」と異なり、中央には大きなショーケースがあり、美しい花が飾られていました。
このような大型の2ウイングタイプの回転ドアは、大きな荷物を持って入ることも可能で、なれれば便利です。「シノレス」の回転部の重さは、1.8トン・・・かなり重たいものです。

後日に回転部分の重量は2.7トンと報道されています。
どうも、こうした資料がちゃんと無いのか、意図的にうそが書かれていたのか。
どうなっているんでしょうか、技術的な資料まで信頼できそうも無いような。

日本では回転ドアはあまり普及してません。気候が比較的温暖であるので、回転ドアをそれほど必要としなかったのでしょうか。一番利用されているのは、館内の気温を高めにしている、病院であるかもしれません。回転ドアは、基本的にバリアフリーでもあるからです。また、省エネルギー法により、回転ドアの需要は高まったとも言われているようです。他にもメリットがありました。高層ビルでは、内部に上昇気流が生まれてしまい、そのため気圧差が内部と外部で発生、その結果としてドアが開かなくなる「ドラフト現象」も、回転ドアであると発生しにくくなります。
六本木ヒルズでは、計7基の「シノレス」と、37台の手動回転ドアが利用されています。特に、「シノレス」は、日本で出荷されている同型の半分近くが六本木ヒルズに採用されていたのでした。
回転ドアは、構造的に人やものを挟んだり巻き込んだりする可能性もありますが、そのために多くの安全装置が設置されています。それにより、安全は確保されている・・・はずでした。しかし、涼くんの痛ましい事故を引き起こしたのでした。
回転ドアでのちょっとした事故は聞いたことはありましたが、このような死亡事故というのは、私は知りませんでした。
そして、今回は、なんの予兆も無く発生したのではなく、様々な事前の事件が発生していたのでした。

04 森ビルは、なにを管理していたのか

今回の事故が発生して、森ビル側は、同様な事故が3〜4件発生していたと26日に公表後、27日夜には、大型自動回転ドアで12件、手動回転ドアで20件の事故が発生していたことを公表しました。
今回の事故は、33番目のものだったのです。
大型回転ドアの事故では、7件が体を挟まれる事故で、うち3件は救急車で運ばれる騒ぎとなったのでした。六本木ヒルズがオープンしたのは、2003/4、前回の事故は2004/02/01で、女の子が左足を挟まれていました。その翌月に、今回の痛ましい事故が発生したわけです。言い換えると、11ヶ月の間に13件の事故が発生していたわけで、1ヶ月に1回以上の事故が発生していたことになります。
管理を行っている森ビル(丸誠が実際の社名ですけど、森ビル指定業者なので以下森ビルとします)では、これだけ多発していた事故を掌握しておらず、今回の事故が発生して「事故を受けて救護室の記録や事故速報などを調べたり、聞き取り調査をしたりして、初めてまとめた」と述べています。
しかし、毎月発生している事故について、だれも気付かないということがあるのでしょうか。
こうした状況下でありながら、森ビルは、人の流れの効率化を重視したのか、三和シャッターに対して回転ドアのスピードを速くしてほしいと要請、1分間に3.2回に調整されました。これは「シノレス」の最高速度でした。また、安全装置の動作が多いため、やはり、森ビルの要請により、センサーの不感域が広げられていました(三和シャッター公表によります 3/29)
行ったことがあるとわかりますが、確かに速い速度で回転していました。
六本木ヒルズは、オープンして3ヶ月弱で、来場者数1000万人を超え、大盛況なスタートを切りました。そうした中で、回転ドアのように人の流れを制約するものにたいして、回転数を早くして欲しいというのは、ある意味では自然です。人の流れの効率を上げたいという気持ちは、生まれるでしょう。しかし、それは安全を担保していて、初めて可能なことであることは、いうまでもありません。
32件の事故の多くは、森ビルの経営陣にも報告がされていたといいます。
大きな事故がなかったということで、あまり留意はしなかったとの事・・・。
また、森ビル側では、「安全装置があるから採用したのだ」という発言をインタビューの際に答えるシーンがあったり、混乱が見られます。
ここに、いくつかの問題点が見られます。
現実に事故が発生している事実がありながら、また、その情報は知られているにもかかわらず、多くの人たちが、ひょっとすると、かなりの数の人たちが、発生している事故について、重視することがなかったということ見受けられます。女の子の耳がそぎ落とされかかるという事故の後に、対策をはじめたようです。そうした怪我をきっかけにするということは、なにもしなかったこととなんら違いはありません。事故を未然に防ぐことが、管理する側の責務であるからです。これは、森ビル管理側の最大の問題です。おそらく、一部の人たちは、問題視していたかもしれません。2週間に1回以上のペースで、怪我人の対応をしていた人たちがいるのですから、そうした人たちはいやでも、「おかしい」と感じるでしょうし、警備の人たちもそう感じて不思議はありません。また、経営者たちは、企業の倫理を司る立場にあるわけであり、客観的に事故の報告を理解できたはずです。しかし、結局のところ、組織としての対応は、安全柵を設置する程度であり、それにより安全は担保されたと判断し、人の流れを優先するということを行っていただけでした。
理解しにくいのは、多くの子連れが来場しており、しかも、子供たちが回転ドアで巻き込まれる事故が多く発生していながら、事故の予見をしないという感覚です。
この背景には、重大な事故は起きないであろうという希望的な前提が、森ビル側にあり、その背景には、自動回転ドアの安全性について、大して調査も確認もせず、信じていたというのが実態ではないでしょうか。つまり、思考停止していたのです。現実を見ていても、現実を見なかった、そこに問題の本質のひとつが現れています。つまり、森ビル側は、回転ドアと、来ている人たちに対して、過度に信頼していた・・・ということです。
そうであるからこそ、事故が起きてしまったときに、混乱した回答が現れているのでしょう。

05 三和シャッターは、なにを考えて開発し保守していたのか
0.15mの位置にあるセンサー孔

田島順三製作所(以下は三和シャッターとします)の製造した「シノレス」は、理解できない構造をしている点があります。停止させるためのセンサーに、危険な範囲であっても検出しない領域が残されていたからです。当初の発表では、地上2.4m〜0.8mと、0.15mの位置にセンサーの検出範囲があるとされていました。しかし、27日には、三和シャッターの発表によると、森ビル(管理会社ですけど)の依頼に基づき、検出範囲は2.4m〜1.2mと0.15mの位置に検出範囲を変更していたと発表しています。
森ビル側は、センサーの検出範囲を広げるように求めたと発表していることに対して、三和シャッター側は真っ向から否定しています。
この不感域の拡大は、安全柵・・・といっても、布の帯1本ですが・・・が風でセンサーの範囲に入る度にドアが止まるため・・・というものであったとのことでした。
また、センサーが検出しても停止するまで25cm移動し、そらに最大速度である分3.2回転であると、もっと移動してしまうようです。つまり、センサーが検出しても、怪我する可能性が高いのでした。
ただ、私には理解できないものがあります。センサーの不感域は、なぜ作られたのでしょうか。
常識では、挟まれる範囲と想定される場所に不感域があるものを開発することが、理解できません。現実に、今回の事件後、「シノレス」を採用している病院では、そうした事実に驚き、回転を停止させています。
安全を保障するためのセンサーが、唯一の生命線です。これが、多重に設置されているならいざ知らず、「シノレス」は、赤外線センサーが各所にあるだけであり、タッチセンサーも2003/12/7の女の子が挟まれた事故まで、実装していなかったとか・・・(事故の2日後に設置したとの事です・・・つまり意図的に外していたわけですね)。私が初めて見たドイツの2ウイングタイプですら、多重のセンサーが用意されており、ちょっとした事で停止していました。
こうした事実を見ると、「シノレス」の開発者は、安全性と運転効率の真ん中を取ろうとしていたのであろうということがわかります。
テレビのインタビューでは、三和シャッターの人は「子供たちが飛び込むことは想定していなかった」とか、「地上15cmのセンサーで、小さい人の侵入は検出できると考えていた」と述べています。しかし、技術屋の私からすると、理解できる発想ではありません。
ヨーロッパなどでこのような大型自動回転扉が設置されている場所は、高級ホテルなどになりますので、子供たちがいない場所であるともいえます。もっとも、「シノレス」は日本製であり、回転ドアの歴史が浅いだけ・・・と見ることも出来るでしょう。
でも、別な見方もあります。
それは、三和シャッターの設計者や保守要員は、安全について自身の責任と考えていなかった可能性が高いというものです。そうでなければ、センサーの不感域を作ることや、初期にタッチセンサーを実装しなかったこと、そして、要請に基づくとはいえ、センサーの不感域の拡大など、出来るはずがないのでした。
三和シャッターには、製造者責任があり、安全性について保障する努力責任があります。彼らが、如何に森ビルの要請に基づくと主張しても、危険な要請に対しては対抗する責任があったことは、避けることが出来ないはずです。そう思っていないのだとしたら、自身が何であるかの認識を持たない「お子様」であるといえるでしょう。しかし、現実にはそうであったようです。
詰まるところ、三和シャッターの開発者も保守要員も、安全を守ることではなく、森ビルの意向を伺っていたに過ぎないことがわかります。しかも、「子供が飛び込むことはない」とか「0.15mの位置のセンサーに検出されないことはない」と、理由無く信じて開発/保守していたことがわかります。現実に、子供の事故が発生しているのに・・・です。
2003/12/7の女の子の事故後の対策には、防護柵の布と、子供の手を引いて欲しいというステッカー、そして取り付けていなかったタッチセンサーの設置であったといいます。つまり危ない場所には近づくな、子供は親の責任で面倒を見て欲しい・・・ということでした。
三和シャッターは、設備の問題点を避けて運用が出来るという希望的な前提に立ち、それだけであったのでした。

後日に、丸ビルや横浜ランドマークタワーでも、同様な子供を巻き込むという事故を三和シャッター(田島順三製作所)の自動回転ドアが引き起こしていたことが明らかになりました。子供が利用するとは考えなかったと主張しても、現実は違うじゃない・・・見ても見ず、聴いても聴かず・・・(2004/03/30)

06 六本木ヒルズと遊園地の違いは、意識されていたのか

今回の件では、親御さんは深い悲しみにあり、同情を禁じえないのですが、やはり述べなければいけない点があると思います。本当の被害者とは、亡くなった涼くんであると思うからです。
今回の事件を聞いて、ちょっと考えたことがありました。
もしも、アメリカやヨーロッパでこの事件が発生したとしたら、だれが一番非難されるだろうか・・・ということでした。場合により違うでしょうが、ひっょとすると、親の可能性も高いのではないでしょうか。
アメリカやヨーロッパに行くと、日本人が驚く光景に、子供の背中に紐をつけて、犬のようにしている姿があります。もっとも、涼くんよりも年下の場合ですが・・・。このような子育ての理由は、子供に対する責任と、子供に対しての認識の違いがあるからではないかと思います。
ヨーロッパやアメリカでは、子供とは独立すべき教育を必要とする未完成な人であり、だからこそ親の管理を必要としていると考えています。ですから、子供を「放し飼い」にしないのです。子供を拘束する理由はそこにあります。そんな文化なので、親の責任がクローズアップされやすい点があります。
日本では、小さい子供に対しても、ひとつの独立した人格と信じている場合が多いのか、かなり子供は自由に育てられています。心理学的には、とてもそう考えるべきではないのですが。
しかし、現実には、街の中は、遊園地ではありません。
そして、六本木ヒルズも、子供向けの設備は少なく、子供を前提にして安全を配慮している遊園地ではないのです。あくまで、大人の視点で作られている施設です。

このお母さんのように、いつも付いていないと子供には事故が起きやすい場所ですね。

六本木ヒルズにて

しかし、現実の六本木ヒルズに行くと、子供連れがとても多く、しかも、小さな子供たちは比較的自由に走り回っています。そして、六本木ヒルズでなくても、そうした光景は少なくありません。まるで、街中が遊園地であるかのように・・・。
六本木ヒルズには、大型回転ドアに限らず、危ないものはたくさんあります。子供は、5cmの水だけで、溺死する場合もあるわけで、大人と子供の危険とは、全く違うものになっています。
グングン回る大型回転ドアに子供が飛び込むということに対して、ビルやドアの製造者だけではなく、親が警戒することは、自然でもあります。閉じる直前の電車のドアに飛び込もうとしたり、走る車の間をすり抜けようとしている子供がいたら、親は警戒し、子供に注意を与えるのは、当然ともいえるでしょう。
ここは子供がある程度自由にしていても安全になっている・・・と考えること・・・そうした希望的な前提にたつ、それが危険を招きいれてしまうのです。

07 もう一度、森ビル・・・企画と運用は、どうなっているのか

六本木ヒルズには、住居棟とオフィス棟から構成されています。
住居棟に住まわれている方とお話していて、こんな話題が出たことがあります。

「子供が自由に走り回る場所じゃないんですよね。回転ドアとか、ちょっと子供には怖いんですよ」

実際のところ、大人のために作られている設備がほとんどです。
六本木ヒルズの計画の中で、子供を前提にしているものは、ほとんど見られません。
しかし、現地に行くと、子供向けのイベントをいろいろとやっていたりもします。子供連れが多いのですから当然といえば当然という見方もありますが、その結果として、子供たちは、面白いおもちゃとして大型自動回転ドアを見ることになります。そして、群がるように集まり、事故が起きてしまったという見方も出来ます。
つまり、施設の企画の際には子供はあまり意識されておらず、施設の運用では子供を呼び込むような点もあるという、矛盾した構図になっています。
そうした六本木ヒルズの安全対策が、おろそかになることは、避けがたい点があったといえるかもしれません。つまり、企画した者は、大人向けに作られた施設はそのまま大人向けに運用されると信じ運用している者は、設備の安全性を信じて疑わなかったのでした。
そして、どちらも、根拠のない確信だったのでした。

08 過度な相互依存という、日本的な世界の中に潜む、闇

ここまで述べてきた内容をまとめると、今回の事故には、特徴的な点があることがわかります。つまり、誰もが他者の善意と誠意を信じて疑わずにいたということです。

森ビル 管理
回転ドアと、来ている人たちに対して、過度に信頼していた
森ビル 企画
大人向けに作られている企画のまま運用されると信じていた
森ビル 運用
設備の安全性を信じて疑わなかった
三和シャッター
設備の問題点を避けて運用が出来るという希望的な前提
子供がある程度自由にしていても安全な場所であると信じていた

率直なところ、それぞれの立場で、根拠も無く、自分に都合よく、他者をここまで信じているのは、日本的な美徳であるといえるかもしれません。しかし、それは相互依存が行き過ぎているということも出来るでしょう。そして、言い方を変えると、あまりにも恐ろしいところがあります。なぜならば、誰一人として、責任を取る立場にいない状況をそのために生み出してしまい、その漆黒の闇に涼くんは取り込まれてしまったのです。
これから、いろいろな調査が行われて、必要に応じて責任が取られていくでしょう。
しかし、本当の問題点は、日本的な他者に対する、一方的な思い込みに近い、相互依存を前提にした世界観にあります。
人を信じることが出来なければ、この世は闇です・・・しかし、勝手に信じることでも、この世は闇であるのです。
無条件に、信じることでは、安全は得られません。
私たちは、お互いに、自身の立場から一歩踏み出し、自らの責務を果たす努力をすることにより、私たちの狭間にある問題を埋めることが出来るのです。

PS お笑い・・・森ビルと三和シャッター・・・そして続々と類似事故が公表

あまりに日本的な事故であったと書いたこのコンテンツですが、後日談も日本的過ぎます・・・。
森ビルと三和シャッターでは、互いに責任のなすり合いを続けています。

■2004/04/25
森ビルは、三和シャッター製の回転ドアの撤去を決めましたが、報道では「回転ドア」の撤去となっているみたいです・・・(^^;
空調が自動回転ドアを前提に設計されているでしょうから、代替手段となるドアが気密性を保てなかったり開かなくなったりすると大変なのですし(気密性を保てない場合は空調の強化が必要で莫大な費用が必要です)、代替ドアそのものが大きな場所が必要になるので、いろいろと難しいみたいですねー
回転ドアが悪いという立場をとらざる得ない森ビル側としては当然ですが、それ以前の問題は、知らんふり、する気なのでしょうか・・・?
事故が多発していて、知らんふりしていたのは、三和シャッターだけじゃないでしょ。

警察は、証拠隠滅/談合の恐れがあると判断したのか、森ビル、三和シャッターの双方に対して早期の家宅捜索を実施しました。経営者は、常識的な感覚では、最大限の屈辱を味わったわけですが、これから責任を問われることになるのでしょうね。
時間と供に、三和シャッターの「シノレス」が、回転部分の重さが1.8トンという話は、2.3トンとなり、制動距離は25cm・・・つまり、センサーが機能していても事故は避けられないというお話も明らかになってきています。そうした中で、動作速度は最大、制動距離はおそらく25cm以上の可能性が高くなっています。こうしう製品を作った側と、採用し運用し続けていた側、いずれも責任は逃れることが出来ません。
そうした時に、両者は責任のなすり合い・・・ひょっとすると、裏では証拠隠滅も図っていたかも知れないですね。
しかも、横浜ランドマークタワー、丸ビル、東京オペラシティでも相次いで事故があったことを発表・・・公表して問題を追及/解決することを避けていたのでした。その後も続々と事故の事実が公表され、日本全国で140件以上・・・。いやはや、なんとも・・・。
どこまでも、日本的な事件ですね。
いい機会だから、社会的な制裁もあった方がいいのかもしれませんね。

PS2 有罪判決

東京地方裁判所は、2005/09/30、森ビル元常務、三和田島元常務らに、業務上過失致死で有罪判決を申し渡しました。執行猶予付ですが・・・。
社会的な制裁として、少しは役立つかもしれません。


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