ニューヨークで白タクにひっかかる (^^;

ついていないときは、しようがないのよね

ついていない旅でした。
ホテルを予約するのは大変、飛行機はしっかり遅れるリムジンバスはパンクする成田で食べた食事はまずい出際に航空会社で焦りまくり、とどめがニューヨークでこれです、そう、噂のニューヨークの白タクに引っかかったのです。
ま、ついていないときは、しようがないんですよね。そんな時は、焦らずに流されて対応したほうがいいんですよね・・・(^^;。

タクシーの割り当て券を持っていた白タク運ちゃん

1999/10/06 ニューヨークJFK空港に12:30に到着しました。ANA10便は、定刻よりも3時間近く遅れています。
税関を出たところで声をかけられました。
「どちらに」
「タクシーを」
「ではこれを」
タクシーの割り当て券のようでした。アメリカの空港では場所によってタクシーの割り当て係員がいます。JFKは数年ぶりだったので、そんなルールでやっていたかなと思いました。
「こちらに・・」
案内してくれますが、なんとタクシー乗り場ではなくエレベータに向かいます。
「??変だな〜。白タクかな〜。でもこの券をもっているしな〜」
私は、なんかついていない旅なので、こんなこともあるかな〜と思いました。でも、白タクに乗ったことが無いので、ものは試しという気もちょっとちょっとありました。馴れがあったのでしょうか・・・(^^;
駐車場に向かうとろで私の荷物を持ってくれます。
「こんなサービスがいいなんて、タクシーとしては変だな」
アメリカのタクシーでいいサービスなんて期待できるはずがありませんもの。日本とかヨーロッパでは別ですが・・・。
乗った車は悪くありません。総皮張りで、リモ(リムジン,日本で言うところのハイヤーです)の中の下といったところです。客席も広くなっています。いま考えれば、いよいよ白タクですね・・・(^^;
jfkを出るところで、運ちゃんが言います。
「チケットを返してください」
「?!」
やっぱ、変ですね〜

自分で料金の見積もりをしちゃった

こりゃ、やっぱり白タクだ〜
といっても、初めからちょっと疑っていた気持ちがありながら逃げなかったわけで、ちょっと面白半分の気持ちもありました。
アメリカについて、日本にはすごい誤解があります。それは、この国が犯罪王国であるということです。日本のテレビの特集をみていると、さもあらんというシーンが繰り返しありますが、統計的には日本人の犯罪遭遇率はヨーロッパの半分以下です。なにしろ、ヨーロッパ全体で日本人が体験する犯罪件数よりもアメリカの方が少ないのです。アメリカへの旅行者のほうが2倍以上ヨーロッパ全体への旅行者よりも多いのにです。しかも、重犯罪はヨーロッパのほうが多くなっています。
もっとも、最近は、世界で一番危険な犯罪は日本に多いみたいですね。
サリンによる無差別テロ、管理できない核分裂を住宅地で引き起こすとか、アメリカでは、映画の中ですら出てこない凶悪さです・・・(^^;
と、いいながら銃世界ですから、相手を怒らせたら危険です。
私は、車もけっこういいし、適正料金ならはらってもいいなと思いました。リモとして乗ったとすると、料金は距離ではなく時間で決まります。そして、最低料金があります。大抵2時間が最低時間で、200ドルくらいからになります。しかし、私はタクシーにのったつもりですから、タクシーならいくらかと考えました。
予約しているホテルは、なんとニュージャージー州です。jfkからはマンハッタンを通り過ぎていくことになります。
jfkはマンハッタンからもかなり距離があります。しばらくぶりに着たのですが、ニュージャージー州のフォートリーだとタクシーでも60〜70ドルくらいかかるな〜と思いました。で、車もいいので、100ドルだな〜と考えました。
ここまで考えると、旅として楽しんでしまいました。

本邦初公開、白タク運ちゃんの写真(^^)v

外を見ると、実に天気がいいです。
車も乗り心地がよく、そう悪い旅ではありません。
あ、そうだ、面白いから写真をとっちゃえ!
で、撮影したのが以下の写真です。デジカメなのでシャッター音がしないのですが、隠れずにやりましたので、2枚目を撮影してから気づかれてしまいした。


「なにを撮影しているのか」
「風景だよ」
「写真を撮らないでくれ」
「写真が嫌いなの?」
「・・・・」
運転手には、それとなくわかるように仕向けたわけです。白タクだってわかっているよ〜って・・・ (^^;

へえ、こうやって脅迫するんだ〜

私は、今回のような遠いホテルは初めてなので、地理がどうもわかりませんでした。
橋を渡るころすごい渋滞に巻き込まれました。この橋はジョージワシントン橋で、マンハッタンからフォートリーに向かい場所であり、目的地が直前だったようです。私にはわからなかったのですが。
「ニューヨークにはよく来るの?」
それまでの会話から、彼には私がアメリカに初めてではない、といよりも、結構来ていることがわかっていました。
「う〜ん、最後に来たのは3年くらい前だけど」
「そのときにニュージャージーまでいくらだった」
私は、実は初めてです。で、当て感で言いました。
「よく覚えていないけど、60〜70ドルくらいかな〜」
かれは、渋滞で泊まっているので、ペンと紙を取り出し、数字を書き込みました。
「これはリモだから274ドル!、いまここで払え!」
おお〜、本性を発揮したな〜、と思いました。
私も本性を発揮してしまいます。
「高いね〜」
「リモは高いんだ」
「俺はタクシーといって乗ったんだ。リモなんかに乗っていないぞ」
「ともかく、ここで払え!」
「目的地でもないところで金を払えるか」
「ちゃんと送る」
「どうやって信用するんだ!金を払って目的地に連れて行かれなかったらどうするんだ、そんなことできるか」
「ちゃんと274ドル払うんだな」
「そんなこと目的地に着いてから話すことだ、ちゃんとホテルに連れて行け!」
道路の上でたたき出されたらたまりません。
まず、目的地、それから交渉だな〜と思いました。

お釜を掘る白タク

どうも運ちゃんは日ごろと違う展開に気もそぞろなようです。
気を落ち着かせようとしているのか、景色を見始めました。
歩く程度の速度でゆっくりと進んでいるのですが、前の車が止まったのに気づきません。
「前を見ろ!」私が怒鳴ります。
ずこ〜ん、前の車にお釜を掘りました(^^;
前の車のオーナーは黒人のかっこいい女性です。怒り狂っています。バンパーに擦り傷がついています。でも、まあ、しようがないで済ませてしまったようです。私は、結構もめるかな〜と思い見ていましたが、怒りながら戻っていきました。
「よかったね〜簡単に済んで。日本なら、あんた大変だよ〜」
「・・・」

「フェアじゃないよ・・・」、て前が言えることかね・・・(^^;

白タクはホテルの前まで着ました。
でも、フロントに車を回しません。
「ホテルに着いた。さあ274ドル払え」
「ちゃんとフロントへ着けろよ」
「料金を払えば着ける」
こりゃ〜、てこでも動かないな〜と思いました。
払わないという気はありませんでしたが、274ドルはちょっと法外です。
「よし、いい車だから、リモの料金を払ってやる。時間を見ていたらちょうど1時間かかった。だから100ドルだ。リモは1時間100ドルが標準だからな」
「274ドルだ」
「そんな料金があるか!100ドルだ!」
かなり怒っているようです。何回か押し問答して、彼はあきらめたようです。あきらめて車をすこし動かしました。でも、ホテルのフロントまで車をつけません。
「150ドルここで払ってくれ」
「だめだ」
「130ドル、有料道路は4ドルもかかっているだろう、往復で8ドルなんだ」
こりゃ理屈です。リモなら、別料金で払う必要があります。
「よし、110ドル、レシートをかけよ、ただし、金は荷物を外に出してから払う」
お金を先に払うと、タクシーに荷物を残したままの場合、降りた途端に逃げてしまうことがあります。ですから、こうした場合はお金は最後に渡します。
「フェアじゃないよ・・・」
彼からしたら白タクとわかって乗って、値切り倒されたので、なんと言えばよいのかわからなかったのでしょう。おまえに言われる覚えは無いと言い返そうとも思いましたが、ここは黙っていようと、表情を変えずに外に出ました。
私はトランクのかぎが空いても荷物を出しません。
白タクの運転手は怒った顔をしながらトランクを開け、私に荷物を渡そうとします。
「ホテルのフロントまで持っていけ」
彼は仕方なく持っていきます。私からしたら彼は空港で私の荷物を自分の車に積んだのですから、自分で運び出すのは当然と思いました。
ドアボーイには、ちょっと見て白タクとわかったようですが(車が立派なのに運転手がカジュアルな格好をしていたからだと思います)、光景がいつもと違うのか驚いた顔をしており、走ってきて荷物をタクシーの運転手から受け取りました。
私は彼に
「ほい、代金(This is your money!)」
と渡しました。彼はきっかりと110ドル貰ったのです。悔しそうな顔をしていました。
後日に現地のタクシーの運転手に聞いたら、jfkからだと75ドル+8ドル+チップなので、だいたい95ドルくらいになります。10〜20ドルは、勉強料でした。ただ、他の人からは、「白タク運ちゃんにとって、日本人にもこうした奴がいるのだという勉強になったんじゃないかな〜」と言われました・・・(^^;
でも、あんまりこうした展開は、いつも体験したいものではありませんね・・・

特別寄稿 泣き落としで白タクを30ドルにした学生がいた

ニューヨーク滞在中に、お客様の会社を訪問しました。で、夜に会食をしまして、いろいろとお話をしました。私は、今回の白タクが面白かったのでお話しました。100ドルくらいなら正規料金とそう変わらないのでよかったですねといわれて、さらに面白い実話を伺いました。
息子さんの友人の方(学生さん)がはじめてニューヨークに来られた際に、やはり白タクにひっかかってしまったそうです。この方のお宅はニューヨーク北側郊外なので結構遠いそうです。タクシーでも100ドルを切ることは無いらしいですが、白タクは300ドルを請求したそうです。しかし、学生さんなので本当にお金がありません。男性だったのですが泣き出してしまい、白タクの運転手はやむを得ず30ドルにまけてくれたそうです・・・(^^)v
白タクの運転手も大変な商売ですね・・・
泣き落としとは・・・うまい (^^)v


-広告について-


Google
 

Web www.calvadoshof.com